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日立、京都大学基礎物理学研からスパコンシステムを受注

エンタープライズ ハードウェア
SR16000モデルXM1
  • SR16000モデルXM1
 日立製作所は8日、京都大学基礎物理学研究所(基研)から、スーパーコンピュータシステム「理論物理学電子計算機システム」を受注したことを発表した。

 本システムは、理論ピーク性能が90.3TFLOPSとなる国内最高クラスのスーパーコンピュータシステム。現行の計算機システムの持つ理論ピーク性能1.18TFLOPSから性能を大幅に向上させた。素粒子や原子核、宇宙などを研究対象とする理論物理学における大規模計算用途に用いられ、2011年1月4日から稼働を開始する予定。

 本システムは、日立のスーパーテクニカルサーバ「SR16000モデルXM1」107ノードで構成され、ノード間は1秒あたり4GB×2のデータ転送が可能なInfiniBandで高速に接続される。各ノードが128GBのメモリを持ち、また1秒あたり8Gbitのデータ転送が可能なファイバーチャンネルインターフェイスを16ポート搭載することで、外付けのミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2300」2台(実効容量 計115.6TB)と接続される。

「XM1」は、OSにAIXを採用したスカラ機の科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバ。1ノードに最新のPOWER7プロセッサーを4個、メモリを最大256GB搭載でき、1ノードあたりの理論ピーク性能が844.8GFLOPSとなっている。

 処理性能の大幅向上により膨大な変数処理に基づくシミュレーションなどが可能となることで、複雑な自然現象の解明が進み、今後の理論物理学研究の新しい展開に貢献することが期待されるとのこと。日立は、引き続き「SR16000シリーズ」をはじめとした先端技術を取り入れたテクニカルサーバの開発を進め、高性能、省電力なスーパーコンピュータシステムの提案、導入を積極的に行っていきたいとしている。

 京都大学基礎物理学研究所は、湯川秀樹博士のノーベル物理学賞受賞を記念し、1953年に「素粒子論その他の基礎物理学に関する研究」を目的とし、我が国で初の全国共同利用研究所として創設された。1990年には広島大学理論物理学研究所と合併し、新基礎物理学研究所として再発足し、素粒子論、原子核理論、物性論、宇宙論などの理論物理学のさまざまな分野において研究成果を挙げている。
《冨岡晶》
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