【インタビュー】スピード速報 100回記念!作者に聞く | RBB TODAY

【インタビュー】スピード速報 100回記念!作者に聞く

ブロードバンド その他

著者近影
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  • 第18回:ダウンロードは関東圏と愛知が速く、大きすぎる「東高西低」の格差
  • 第72回:90Mbps超が1.2%に達するもブロードバンドの「団塊」は20Mbps付近
 RBB TODAYの週刊連載企画【スピード速報】は今回で連載100回目を迎えた。この企画は「http://speed.rbbtoday.com/の1週間分の計測データをもとに各種の統計データを速報でお伝えする週刊コラム」として2006年7月に連載を開始し、毎回多くの反響を巻き起こしている。そこで【スピード速報】100回を記念して、作者であるランドッグ・オーグの平野正喜氏に聞いた。

——【スピード速報】は毎週どのような手順で執筆しているのですか?

平野:読者の皆さんがスピード測定サイトで実行してくださった結果が、毎週数万から十数万件のログデータになります。このデータに最新技術による発信地と回線種別の解析を行った結果を付加したファイルが私に送られてきます。これを私がPerlで書いたスクリプトなどで集計してグラフ化し、記事を執筆するという流れです。

——【スピード速報】は毎週毎週違うテーマになっていますよね。ということは、毎回スクリプトを書いているわけですか?

平野:何度かリクエストに応じて過去のフォローをしていますので、その時は使いまわしていますが、そうでない場合は、毎回新しいスクリプトを用意します。といっても、基本パターンが数種類用意してあり、その中から組合せてアレンジして用いていますので、パターンがほぼ出揃った30回目あたりからだいぶ楽になりました。

——今まででもっとも手間がかかったのはどのテーマですか?

平野:実は100回目の今回です。96回目を書き上げたあたりから、100回目は「見かけは地味だが、実は手間がかかっている記事」にしようと準備していました。測定結果に含まれる郵便番号から市町村区コードを得て集計する仕掛けのために、日本郵便のサイトから12万件の全国郵便番号ファイルをダウンロードして仮解析を行っていたのですが、仕上げたスクリプトに実際の測定結果を流し込んでみるといつまでたっても解析が終らない(笑)。良く見るとプログラミングの凡ミスだったのですが、データのパターンによっては表面化しないバグだったのでやっかいでした。時間が厳しい週刊連載で数字を扱う【スピード速報】ですので、これまで何度かヒヤリとしたことがあります。

——それでは、今までもっとも反響の大きかったテーマは?

平野:18回目の「ダウンロードは関東圏と愛知が速く、大きすぎる「東高西低」の格差」ですね。特に低スピードだとわかった西日本の読者の方からの反響が大きかったようです。とはいえ記事への非難ばかりではなく「やはりそうなのか!」という納得や「良く書いてくれた!」というお褒めの言葉も多くありました。「なんだか(他の都道府県よりも)遅い気がする」という方に、具体的な数字をお見せすることができたのが歓迎されたようです。そういえば、この回は、初めて日本地図を描いた回でしたので、県の位置関係についての苦情もあったようです。「京都府が海に面してない!」とか。実は地図もExcelで描いていますのであれが限界です。皆様ご勘弁のほどを。

——【スピード速報】では「スピードデバイド」や「ブロードバンドの団塊」のようなオリジナリティあふれるキーワードを使っていますね。まず「スピードデバイド」の由来から教えてください。

平野:「スピードデバイド」はRBB TODAYのオリジナルで、この連載にぴったりのキーワードとして使わせてもらっています。インターネットが多くのサービスの基盤となる中で、動画や音楽のような巨大なデータのやり取りが増えており、ネットワークスピードの格差が意識されてきました。これが回線の種類による差であれば、ある程度やむを得ないと思いますが、地域や利用時間帯による速度差はユーザのストレスになるでしょう。特に「同じ利用料金を払っているのに、なんだが遅い」のは納得できないのは当然です。よく「そんなに速さにこだわってどうするんだ」というようなことを言われますが、実は最高速度にはあまり興味がありません。それよりも、速度差の解消に期待して「スピードデバイド」と表現しています。

——次に「ブロードバンドの団塊」ですが、これは平野さんのオリジナルですか?

平野:はいそうです。第72回「90Mbps超が1.2%に達するもブロードバンドの「団塊」は20Mbps付近」で初登場させたキーワードです。この回において、初めて速度帯のヒストグラム(範囲ごとの棒グラフ)を描いたのですが、この時、最高速帯でも最多データ帯でもない「特徴的な突出」が見えたときに直感的に「団塊」という名前をつけてしまいました。私よりやや年上の「団塊の世代」の皆さんに違和感を持たれるかなとも思いましたが、「団塊」という言葉の本来の意味である「固まり」というイメージで呼んでみました。そして、周囲の評判が良かったので、第73回「20Mbps付近のブロードバンドの「団塊」は光の代表速度」、第74回「CATVの最多速度帯は10Mbpsでブロードバンドの「団塊」速の半分」と「団塊スペシャル」3本立てにしてしまいました。その後もリクエストをいただいて何度かテーマにしています。「団塊」の意味については、今後もいろいろな角度から検証していきたいと思っています。

——では、今後の抱負や予定しているテーマについてお願いします。

平野:毎回違うテーマで書いてきたためか「まだ100回か」という気持ちが強くあります。ですから、今後の抱負としては「とりあえず、もう100回」ということですね。予定しているテーマのうち新ネタについてはまだお話しできませんが、これまでの100回で取り上げたテーマのいくつかについては、再度フォローする必要があると考えています。ニーズがあるものからフォローしたいと思っていますので、RBB TODAYまたは私宛にリクエストをいだたければ幸いです。

——最後に読者の方にメッセージを。

平野:【スピード速報】はスピード測定サイトにおけるたくさんの測定データがなければ成り立ちません。多くの皆さんの定期的な測定を宜しくお願いいたします。そして、より多くの方に興味を持っていただける記事にするために、郵便番号、回線種別、回線事業者、プロバイダ名の記入もお願いします。実は「もっと件数が集まればこれもいける」というテーマがいくつかあります。お楽しみに。
《RBB TODAY》

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