マイクロソフト、ヤフーに新たな提案——その背景は? | RBB TODAY
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マイクロソフト、ヤフーに新たな提案——その背景は?

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 18日(現地時間)、米マイクロソフトは、Yahoo!に対して新たな提案を行った。

 これは、同社のホームページ上で公開されたものだが、オンライン広告ビジネスにおいて、買収といった条件を抜きに、お互いの新たな連携や取引(代替案)のための議論をしようというものだ。代替案の議論はYahoo!によって主催され、同社株主のみならずマイクロソフトや他の企業も含めたものがよいと述べている。また、この議論は特定の取引条件や結果を想定するものではなく、純粋な話し合いであることも強調している。

 公表文書には、アイカーン氏の委任状争奪や経営陣の交代などの動きについて、直接触れる箇所はないが、この時期での再提案はこの動きを意識したものと思われる。現時点では水面下の交渉(MS、Yahoo!、アイカーン氏など)の有無は不明だが、公式にはYahoo!も買収には応じないがマイクロソフトとの議論を閉ざしてはいないと表明しているため、提案自体の具体性に欠けるものながら、なんらかの形で応じる可能性は高い。深読みするなら、アイカーン氏の動きも含めてマイクロソフトがYahoo!を交渉の場につかせるための戦術という見方も可能だが、公式に買収提案は取り下げている以上、株主等への説明がつきにくい。なお、一連の騒動の当事者の公式発表だけで判断するなら、マイクロソフトはアイカーン氏にYahoo!がコントロールされる事態は望んでいないと思われる。

 Yahoo!側としては、ここで結論のでない議論に参加するよりは、とにかく業績と株価の回復に集中すべきだという意見もあるが、Yahoo!の決断が迫られている。勝ち目のない検索エンジン市場に依存しないネットワークやトラフィックを創出するためには、マイクロソフト、MySpace、FaceBook、eBayなど各種のサービスをどう取り込むかにかかっているとすれば、Google以外の連合に合理性はある。それによって、Yahoo!の持つ全米のローカル新聞のネットワークやポータル機能がさらに活性化されるかもしれない。
《中尾真二》
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