KDDI研、MPEG-2とH.264をシームレスに混在させて配信する技術を開発〜次世代番組配信で活用 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

KDDI研、MPEG-2とH.264をシームレスに混在させて配信する技術を開発〜次世代番組配信で活用

ブロードバンド その他
ニーズの背景と現状
  • ニーズの背景と現状
  • 異なる方式の番組を混在して配信する技術
 KDDI研究所は16日、独立行政法人情報通信研究機構からの委託研究「ユビキタスネット時代のケーブルテレビの高度化に関する研究開発」の一環として、次世代の番組配信のためのMPEG-2/H.264異種ビットストリーム対応シームレス切り替え・復号再生技術を開発したことを公表した。

 現在のデジタル放送では、番組の圧縮符号化にはMPEG-2方式が用いられている一方、ケーブルテレビやIPTVといったネットワーク番組配信は多チャンネル化の流れにあり、より高圧縮なH.264方式に注目が集まっている。しかし近い将来の過渡期において、両方式が混在した場合、過去に制作されたMPEG-2コンテンツをH.264に再符号化して配信するなどの必要があり、この場合、画質の劣化や遅延の増大といったデメリットが発生すると見られている。そのため、配信業者によっては、品質やコストの面からH.264の導入に踏み切れない、あるいは多チャンネル化を推し進められないといった問題があった。

 これに対し、KDDI研究所では、 MPEG-2番組を再符号化することなく、H.264番組と混在させて配信する技術を開発した。具体的には、高度なビットストリーム直接操作により、符号化方式の異なる2つの番組の切り替え連結および両番組を切れ目なく再生するための「異種ビットストリーム対応スプライシング」および「異種ビットストリーム対応シームレス復号再生」を実現したとのこと。

 前者の「異種ビットストリーム対応スプライシング」では、高度なバッファ制御技術・ピクチャ変換技術を確立することで、符号化方式の切り替え点においても、画像が乱れることなく連続した再生を行うことが可能となった。また、従来方式のように番組全体を再符号化することなく、切り替え点周辺のみビットストリーム操作を行うことで、画質劣化および処理遅延が最小となっているとのこと。後者の「異種ビットストリーム対応シームレス復号再生」では、可能な限り共通化した復号処理を用いることで、復号装置のリソース消費を抑えたという。

 今後、各配信業者がこの技術を用いることで、再符号化の省略、画質劣化や処理遅延の低減などが見込まれており、H.264の導入が進むと見られる。

 なお同研究所では、本技術による切り替えに関する制御信号フォーマットおよび出力映像ストリームに対する制約条件を、ITU-Tに勧告案として提案中とのこと。
《冨岡晶》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top