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松下など、超微細半導体製造プロセスを開発、大容量メモリーなどの開発に貢献

エンタープライズ その他
超微細半導体製造プロセスに用いられるフェリチンタンパク質
  • 超微細半導体製造プロセスに用いられるフェリチンタンパク質
  • 六角形のチタンパターン上に並んで吸着しているフェリチン群
 松下電器産業、東北大学・寒川誠二教授、東京工業大学・原正彦教授、奈良先端科学技術大学院大学・冬木隆教授、および大阪大学・柳田敏雄教授は、半導体特性を阻害するナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンを含まないフェリチンタンパク質(以下、フェチリン)を用いた半導体製造プロセスを共同で開発した。なお、今回の成果は文部科学省「経済活性化のための研究開発プロジェクト(リーディングプロジェクト)」によるものだ。

 今回開発されたプロセスは、独自の置換洗浄によりアルカリ金属イオン濃度を半導体特性に影響が無い百億分の1レベルで制御できるというもの。具体的には、シリコン基板上に特定の材料でパターンを形成し、その材料にのみ吸着する特性をもつフェリチンを塗布してフェリチンを基板上に正確に配列パターン化した後、従来の半導体工法に比べ低温である500℃程度の熱を加えることによりフェリチン内の金属化合物を金属に還元し、電子蓄積を実現している。これには、フェリチン溶液のアルカリ金属イオン濃度を150ppt以下とするフェリチン精製技術、シリコン基板上の目的の場所にフェリチンを吸着させる高精度パターン化技術、配置されたフェリチンに内包された金属化合物を金属に還元する熱処理技術が使われている。

 これにより、従来の半導体プロセスでは困難だった1桁台のナノメートルレベルの超微細構造の半導体が形成できるようになるため、切手の大きさで1テラバイトの記憶容量を持つ超大容量メモリーなどの開発に弾みが付くと期待されている。
《富永ジュン》
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