【新米編集者みおみおが行く!(第5回)】アキバのショップでアルバイト!!
IT・デジタル
その他
出発間際にちょっと立て込んだのもあって、秋葉原に16時ジャスト着。
秋葉原駅のややこしいつくりに翻弄されて、高速電脳に着いたのは16時5分過ぎ。
細い階段をつま先立ちで上り、店内に入っても誰もいない。
奥の事務所で人の気配がしたので、こっそりとドアを開けて様子を伺うと…
店長が!!
煙草をふかして……PC前に座る店長がどこか不機嫌そう!!
「こ、こんにちわ…お邪魔してます」
煙草をもみ消して一言。
「……バイト初日に5分遅刻はいただけないなぁ」
いや、ほんとすみません!電車が混んでましてね!
って、電車混んでるだけじゃ、遅れないっつの!もう、私何を言ってんでしょうね!
で、店長!今なんて言いまして?
「バイト遅刻しちゃダメでしょう」
……バイト?
「編集長から、一日バイト体験で預かってほしいって言われたんだけど、最初からこれじゃぁなぁ」
ほわちゃああぁぁぁぁぁ!!
考えるな!感じろ!
そうか、また!あの黒幕が!何か妙なことをしておりますか!そうですか!!!
それならそうと、最初からそう言ってくれればいいじゃないかぁぁぁっ!!
客じゃないなら、そりゃ遅刻はマナー違反だわ。
「じゃ、これつけて、レジ入っててね」
内にふつふつとした思いを抱えてるうちに、お説教は済んでいたようで
高速電脳店員オリジナル(多分)エプロンを渡され、レジ内へ。
中にはやっぱりPCがあり、棚があり、レジなのにまだ陳列されてる商品があり、茶色のカーテンで隠された一角があり…
PCでは、ネット販売やらメール処理をしてるようです。
どうしても気になるのはカーテンに仕切られた怪しい一角…。
あそこに何があるかは聞くまいて…。何が出てきてもおかしくなさそうなのが、こわい。あそこから、黒幕が出てきちゃったってなっても、驚かない。逃げるけど!
とりあえずそれはなさそうだったので、ほっと一息。
レジに座って店内を見回します。
相変わらず、珍妙にして高度なPCパーツがひしめき合う空間です。
決して広くはない店内で、更にところ狭し、天井高く積み上げられた数々の細かなパーツが、アルミやら銅やらの己のボディをキラキラと自己主張。パッケージの極彩色も混ざって、これはとても目がまぶしい。
そんな中に、たまに、パンダの形をしたファンシーなデジタル貯金箱とか。
どういう取り合わせなんですか、店長。
レジに座りながら「客は来るな」とひそかに念じていたせいか、
実際あまり来ませんでした。
高速電脳に来るような超玄人なお客相手に、私ごときで対応できると思ったら大間違いだっ!!!
こんなこと思ってたなんて、5分遅刻よりさらに怒られていいな。
次はもう少し頭を深く下げておこうと思う。
そういや。
客層といえば、今、当サイトでもプレゼント中の、このNotePal S、なかなか売れ行きいいらしいんですよ。しかも、なんだか買っていく人達は、今までの手づくり玄人めいた方とはちょっと違った、ブランド志向っぽい方たちが多いとかなんとか。
スタイリッシュな形状が受けたんだろうね、という先輩店員さんのにこやかな説明をとりあえず前面に出しておくさ!(私だって子どもじゃないんだから、私のおかげだなんて言いませんよ)
でも、お客の来ない店番って暇よね。(あれ)
レジにおいてあるうちわを仰いで、さらに暇感を演出してみた。
…みつかったら面倒かしらん。
ここはいっちょ気配りのできる店員をアピールするために、やる気を出した風を装って掃除でもしてやろうと……
なんて考えてたら、ホースの先端がないことに気づいた。コレじゃ局所的にしかごみ吸えないよ。
先輩店員さんが言うには「隅々まで掃除できるように」ってことらしい。
きっとあれだね。
隅々「まで」というよりは隅々「しか」の間違いだね。
でも確かに掃除機の楽しさは、この隅々掃除にあるといっても過言ではない!ので!
その楽しさを探求するための、ヘッドなし掃除機。
楽しみを究極までこだわる街、それがアキハバラ。
そう思うことにした。
でも真面目な時間はそうは続かないもので
1の真面目に対して、9の分ふざけたくなる私の目に留まったのは
ごちゃごちゃしたレジの上にある、黄色い帽子。
見まごうことなく、工事用ヘルメットである。
その額には「高速電脳」の文字。
1個大事にディスプレイされてるってことは、まぁきっと商品ではないんだろうけど。
…なんだこりゃ。
顔出して写真撮る奴があったら、とりあえず顔を覗かせてみる、ってのは日本人の
義務と同じ。ここでやらなくては女がすたるというものですね。
私はおもむろにヘルメットをかぶった。
もう、やることないなぁ、と思っていたら、店の裏の事務所から、誰かが来る音が。
さすがに、見つかってまでだらだらできるほどわたしゃ図太くないよ!(えばるな)途端に、しゃきーんっと居住まいを正したところに、すっと現れた先輩店員さんの手には丸められた紙束が。
ポスター?
「これ貼るからちょっと手伝ってー」
高速電脳の店員さんも、もう私がここにいても何の違和感もないみたいです。朝から、特に何も言われてません。
嬉しいやら、何かの陰謀説やら。
いろんな思いを抱えてまた、あのあからさまに細狭くて薄暗い階段を下りてきます。とっさの避難時、コレって怖いよなぁ。
さっきは薄暗くてよく見えなかった、っていうのは若干の嘘ですが
階段の両脇の壁には所狭しと、いろんなポスターが貼ってありました。
CX5000-PW(適当)みたいな型番とともにどどんと大きく製品が出てるものもあれば、何かのイベントやります、のようなものまで多数。
じゃあ今から貼るのは?
後者でした。イベント。
ポスターにはケースが3つ、スタイリッシュに並んでおりました。
以前組み立て替えた、戦闘用かよとツッコミ入れたくなるくらいごついあのCM Stacker 831 600W Greenも。色まで同じだよ。
ポスターを良く見てみると、つまりのところ、
クーラーマスターが、秋葉原のCAFFE SOLARE リナックスカフェ 秋葉原店で何かをするらしいと。
CAFFE SOLAREって確かPCパーツショップが乱立してる通りにあるあのカフェっすよね。
行ったことあるけど、ナチュラルモダンな普通のカフェだったような。
いくら秋葉原にあると言っても、なんであんな普通のカフェでやるんでしょね。
なんで小洒落たカフェでイベントなのか。
当社はオシャレがウリですから。イベントもオシャレなのですよ。ふふ。
みたいなのか!
洒落を理解しない私みたいのはダメか!
そんな、久々のトリップしかける勢いでポスターを貼り終わると、
また先輩に手招きされ、裏の事務所へ。
先輩ってば、部屋に入って開口一番
「店番ちゃんとしてなかったよね」
してましたよ。
めっちゃしてましたよ。
「レジ座ってメット被って遊んでたよね」
そりゃつまり、保障会社も真っ青なくらいの守りっぷりってことですよ。
にこにこと優しげな笑みが、断固とした「問答無用」を語る。
かくして、監視体制の下、ネット発注の梱包をご教授いただきまして候。
延々と、裏方作業を続けて、秋葉原の日は暮れるのでした。
※ほかにもちゃんとアルバイトしてたので、その証拠写真