【APAC J-Partner Summit 2007(Vol.4)】日本ではコンビニも興味深いセグメントだ——スティーブン イーロップCOOインタビュー | RBB TODAY
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【APAC J-Partner Summit 2007(Vol.4)】日本ではコンビニも興味深いセグメントだ——スティーブン イーロップCOOインタビュー

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COO(最高執行責任者)に就任したスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏は、今回の「APAC J-PArtner Summit 2007」にてRBB TODAYのインタビューに応じた。
  • COO(最高執行責任者)に就任したスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏は、今回の「APAC J-PArtner Summit 2007」にてRBB TODAYのインタビューに応じた。
  • COO(最高執行責任者)に就任したスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏は、今回の「APAC J-PArtner Summit 2007」にてRBB TODAYのインタビューに応じた。
 COO(最高執行責任者)に就任したスティーブン イーロップ(Stephen Elop)氏は、今回の「APAC J-Partner Summit 2007」にてRBB TODAYのインタビューに応じた。同氏は、アドビ システムズにてワールドワイドフィールドオペレーションのプレジデントを務めていたが、前職との違いやジュニパーネットワークスに来てからの戦略について聞いてみた。


——数年前、「Macromedia MAX」で印象深いプレゼンテーションをされましたね

あの時のことは非常によく覚えています。とても楽しかったですから(笑)

※2004年に開催されたマクロメディア主催のイベント「Macromedia MAX」でのスティーブン イーロップ講演日は米大統領選挙投票日だった。氏は携帯電話でSMSを利用した投票デモをプレゼンした。

——現在はジュニパーネットワークスのCOO(最高執行責任者)となっているわけですが、アドビ システムズ、マクロメディアの時代と変化のスピードは違いますか?

違うと思いますし、変化は加速していると思います。ネットワークが世界的に戦略的な位置づけになっていることとも関係してますが、基調講演で申し上げたように、地球がよりフラットになり、ビジネスをする環境が凝縮されてきているということだと思います。例えるならチェスのようなもので、次のコマを考える間もなく次々に手を打っていかなければいけない状態と言えます。

※氏は基調講演で、グローバル化が国、企業ベースから個人ベースに移行していることを世界がフラットになっていると表現し、グローバリゼーション3.0と呼んだ。

——過去の職務経験から活かせるものは何ですか

マクロメディアは一見ソフトウェアの会社のようですが、同社のソリューションはソフトとハードを組み合わせたものでした。いい例がNTTドコモとの協業で、携帯端末にFlashを搭載するためにはハード、ソフト両面での技術を結集する必要がありました。ジュニパーのソリューションも同様です。ハード、ソフトを組み合わせたものであると言えます。「JUNOS」というネットワークOSが非常に多くの製品の根幹を担う重要な役目を果たしており、JUNOSがあるからこそ速い技術革新ができるといえます。

——前職の分野よりも競争は激しいと思いますか?

そうは思いません。マクロメディアの時代もマイクロソフト、アドビ システムズという競合他社が存在し、あらゆる製品分野で競合しあってました。ジュニパーも明確な競合他社がいる点では変りありません。(考えてみると)これは大変健全なことでなんです。はっきりとした競合他社があった方が、われわれもチームワークによって良い仕事ができるし、顧客のためにより良い製品を打ち出していけると思います。

——基調講演では「ジュニパーの戦略はシンプルだ、ハイパフォーマンスエンタープライズにフォーカスする」と話してましたが、その分野は逆に競合が激しいと思います。ハイパフォーマンスエンタープライズ分野へのレベニューはどこまで追及していくのですか

明確な目標は公表はしていません。確かにハイパフォーマンスエンタープライズは競争の激しい分野で、サービスプロバイダーの市場と同じです。われわれは、ベスト オブ リードの製品を打ち出していくことによって成果を収め続けてきました。顧客は当社の製品と他社の製品をテストラボに入れて綿密なテストを行う場合があります。そういった場合でもわれわれの製品は、いつも好成績であり、それによって案件を勝ち取ることが多かったのです。競合他社よりも優れた拡張性と信頼性を打ち出して、しかもJUNOS OSによりTCOを削減できるというのは大きな要因になっています。

——数年先には、その分野も飽和状態になるとは考えてないですか?

そういうことはないと思います。これからも伸び続けると思います。ビデオ配信や音声配信のニーズが拡大し続けるし、帯域幅の需要が減るということもありませんのでビジネスチャンスはあります。

——ミッションクリティカルシステムとして銀行、政府、教育をあげましたが、そのうちどれに関心があるか?

ネットワークにビジネスが最も依存しており、ネットワークを最も戦略的な資産ととらえているのは金融サービス業だと考えています。他の業界よりもはるかにIT支出が多く、ビジネスチャンスの大きいところです。金融サービス業といった場合は、銀行、保険、証券会社などを含みます。

——日本のマーケットにおいてもでしょうか?

そうです。他のセグメントを見てみると、ネットワークがユニークな役割をになっている業界としてコンビニなどが挙げられます。全国に非常に多くの店舗があり、それらを複雑なネットワークで連結させなければなりません。全体のIT予算は大きくないかもしれませんが、ネットワーキングのITに占める割合が大きいという点で特徴があります。

——中国やインドも日本と同じ状況になってくると考えますか?

すでにそのトレンドが生まれてきていると思います。ひとつ言えることは、よりフラットな世界のなかで個人が技術の利用を駆動していくという傾向が、欧米よりも日本、韓国、中国などで進んでいる点が挙げられます。アジアではじまったことが、その後アメリカなどで普及するという現象がでてきています。インターネットが登場したときは、アメリカではじまり、1年遅れでヨーロッパに、そして数年遅れでアジアへという状態だったが、その逆の現象が見られます。日本の携帯電話の分野もそうで、日本、韓国が先、中国がその1歩後ろ、アメリカはかなり後ろです。ですからアジアに来てネットワークの新しい動向を把握するということは、戦略的に大事なことだと思ってます。

——これまでいろいろな企業で活躍してきたと思いますが、ご自身の将来の夢は?

とにかく企業が社会に貢献できるところまで成長させることです。技術革新、組織の変革、新しいモノを作っていける起爆剤になることに何よりも生きがいを感じます。マクロメディア、アドビの経験は非常にエキサイティングでした。両社の統合というプロセスに私は関わりましたが、一段落したところで妻から「あなたは家にいて落ち着くにはエネルギーが有り余りすぎている、また新しいチャレンジをしたほうがいい」と言われました。激しく変化する環境に身をおいて、常に新しいものにチャレンジしていくことが好きなんです(笑)。
《小板謙次》
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