ラレコ先生独占インタビュー(後編)「やわらか戦車」作者はどんな人? | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

ラレコ先生独占インタビュー(後編)「やわらか戦車」作者はどんな人?

エンタメ その他
戦車とは思えない耳たぶ並みにやわらかい戦車が大活躍(?)する癒し&お笑いアニメ
  • 戦車とは思えない耳たぶ並みにやわらかい戦車が大活躍(?)する癒し&お笑いアニメ
  • 戦車とは思えない耳たぶ並みにやわらかい戦車が大活躍(?)する癒し&お笑いアニメ
  • 戦車とは思えない耳たぶ並みにやわらかい戦車が大活躍(?)する癒し&お笑いアニメ
  • DVDを仲良く鑑賞中?
  • DVDで各話の合間に挿入される新作のアイキャッチを撮影
 人気絶頂のネットアニメ「やわらか戦車」のDVD「やわらか戦車 The Legend of Yawaraka Tank」の発売を記念した、作者ラレコ先生へのインタビュー後編では、ネットアニメ作家として歩み出すきっかけや自身のクリエイターとしての自己分析的な逸話からスタート。さらに、ネットアニメ作家を目指す人たちへのメッセージや、3月21日にジェネオン エンタテインメントから発売されるDVDの見所なども語っていただいた。ネットアニメ作家を目指したい人は必見だ。

◆ネットアニメ作家の道へと進んだわけ

——クリエイター面でのお話を伺えればと思います。影響を受けた方はいらっしゃいますか? もしくは、好きな方ですとか。

ラレコ先生(以下、ラレコ):もともとマンガ家志望でしたので、大友克洋さんとかは好きでしたね。でも、たくさんいて、この人、という方はいないです。ミュージシャンとか、好きな映画とかもそれはもういっぱいという感じですね。

——ちなみに、随分と歌も作られていますが、バンド活動をされていたのでしょうか?

ラレコ:いや、そこまではしてないですね。楽器関係では、ギターが始めて半年、というレベルの腕前です。

——では、「やわらか戦車」に歌をつけようというところで、ほぼいきなり始めたというわけですか!

ラレコ:そんな感じです。ですから、絵を描くにしても、音楽をやるにしても、話を作るにしても、自分は決して取り立て秀でてはいないという認識があります。絵なり音楽なり話なり、どれか1分野だけでプロとしてやっていくというのは無理だと。だけど、それらをうまく組み合わせてディレクションしたら、プロとしてやっていけるのではないかというところですね。

——自己分析に優れているといいますか、適材適所のディレクション能力に優れているといいますか……。

ラレコ:自分ではよくわかりませんけど、できないことはやらないという(笑)。

——でも、それぞれの才能に秀でているわけではないとはおっしゃいますが、それでもやはり絵はかわいく描けるし、歌も面白かわいく歌えて、ストーリーも作れるわけじゃないですか。でも、普通は絵もダメ音楽もダメ、話だけならまだなんとかなるかもしれないけどという状態で、ほとんどの人が簡単にはネットアニメを作れないだろうな、と思ってしまいます。

ラレコ:でも、話ができるのでしたら、十分いけると思いますよ。文字だけでテンポよく面白おかしく見せていくネットアニメはいっぱいありますから。

◆ネットアニメを目指す人たちへのメッセージ

——なるほどー。では、先生のように、ネットアニメを作ってみたい、と思っている人たちにアドバイスはありますか?

ラレコ:「ねばれ!」ですね。「できた!」までいける人はそこそこいると思いますが、それだけだと、ただできただけの作品になってしまいます。できたあと、そこにどれだけ付け足せるか、そこからどれだけ削れるか。つまり、粘れるかがポイントになると考えてます。

——そこからいかにブラッシュアップできるか、というわけですね?

ラレコ:そうです。

——ちなみに、機材はWindows環境ですか?

ラレコ:そうですね。マイクなんて、チャット用のやつですよ。前は800円のものを使ってましたが、最近はグレードアップして1,200円のものにしました(笑)。

——グレードアップというから、もう少し高くなったのかと(笑)。あまり性能は関係ないということですか?

ラレコ:いえ、もちろん性能が高いに越したことはないと思います。でも、使い方がよくわからないのですから(笑)。

——でも、機材に関係なくあれだけの作品を作れるわけですから、やはりアイディア次第なのかな、と先生の言葉から感じます。それに、絵を描くスキルや音楽を作るスキルも、ねばって腕を磨け、ということですよね。

ラレコ:とにかく、「できた!」で満足してしまってはいけない、ということです。だからといって、いつまでも発表しないでいるのも意味がありません。ですから、ある意味〆切はとてもありがたいものだな、といつも思っています(笑)。いつまでも時間をかけてもいいといわれたら、永久に出せないと思いますね。

——ちなみに、ネットアニメを選んだというのは、そうした自分のスタイルや考え方で作りやすいということが前提にあったからなのでしょうか?

ラレコ:いえ、選んだというわけではないですね。最初は、作品を知人に向けて作っていました。それにお客さんが着いてくれて期待されるようになったのです。期待されると応えたい性分ですので、いいレスポンスを得るためにいろいろと作ってきて、今のような状況になったというわけです。ある意味「成り行き」でしょうか。最初からネットアニメ制作をやろうという明確な意識があった、というわけではありません。

——自然体な感じがするのですが、それが作品に出ているのではないでしょうか?

ラレコ:そうですか? 自分ではわからないのですが(笑)。

◆DVDでしか見られない新作は最高傑作!?

——それでは最後に、3月21日に発売される、「やわらか戦車」のDVDについて伺いたいと思います。DVDの発売、おめでとうございます。

ラレコ:ありがとうございます。

——それでは、DVDの見所について教えていただけますか?

ラレコ:まず、DVDでしか見られない新作アニメを追加しました。「10」ではなく、作品ナンバーのつかない、DVD用の特別編です。内容的には「歌もの」だった「9」の続きでして、ラストのあの状態から始まります。詳しくはDVDを見てください(笑)。自分的には、実は今までの話の中で、一番の完成度ではないかと思っています。まあ、自分で思っているだけかも知れないのですが。

——先生に「最高傑作!」などといわれたら、もうファンは買わないとダメという感じですね。きっともう予約している方もいるかと思います。

ラレコ:うっかりDVD用に作ってしまったので(笑)、ネットで公開できない点は少々残念ですね。

——うっかりですか(笑)。でも、ものすごく高価というわけでもないですし(税込み2,940円)、子どもでもまだお年玉の残り(笑)とかで買えるのではないでしょうか。ほかには、どんな見所がありますか?

ラレコ:作品と作品の合間にアイキャッチを追加しました。通して見ることで、ひとつの作品として見られますので、すでにネットで視聴済みの方も、新たな感じで再び楽しんでいただけるのではないかと思っています。

——DVD化されることで、先生ご自身は、どのようなことを感じていらっしゃいますか?

ラレコ:これまでは、ネット環境を利用できない方には楽しんでもらえなかったわけですが、今度はその心配がない点は嬉しいですね。

◆キツいスケジュールを乗り越えてレベルアップ!

——今回はどんな点で苦労されましたか?

ラレコ:正直、スケジュール的にきつかったです(笑)。単行本制作のときもそうだったのですが、「くわがたツマミ」の制作とかぶって、本当に時間が足りない状況でした。でも、基本的に受け身の人間なので、ムチをふるってもらって追い込まれて初めて見えてきた世界というものもあります(笑)。特に単行本のときなどは、「ムチャだ、できない!」っていいながらもできましたので、少しレベルが上がったかな、と思っています。

——なるほど〜。

ラレコ:あと、今回に限ったことではありませんが、ひとりで作業していることによる苦労というのはありますね。

——といいますと?

ラレコ:当然、ファイルなども自分だけで管理しているわけですが、「8」の時は、完成ファイルを紛失してしまいまして(笑)。

——それは……。

ラレコ:一度作ったものを再度作り直すという作業はツラかったです。

——そのツラさはさぞかしのことだったと思います。それでは、最後に「やわらか戦車」ファンの方へのメッセージをお願いします。

ラレコ:今までWindowsの画面で小さかったと思いますが、今度はDVDですので、居間の大きなテレビで見られます。ぜひご期待ください!

——お忙しいところ、ありがとうございました。

ラレコ:ありがとうございました。

 「やわらか戦車」を感じさせるどこかとぼけた味わいを出しながらも、キャラクターの秘密やそこに込められたメッセージ、そしてラレコ先生のクリエイターとしてのポリシーや努力の一端を伺い知ることができた今回のインタビュー。ぜひこれからも、1ファンとして応援していきたいと思う。今回いよいよDVD化されるということなので、ファンの人も、まだ見たことがない人も、ぜひ家族や友人を誘って楽しんでもらいたい。幸せな一時を過ごせること間違いなしの作品なのである。

◆DVDタイトル:『やわらか戦車 The Legend of Yawaraka Tank』
 発売日:3月21日(水)DVD発売 
 価格:2,940円(税込)
 発売元:フアンワークス
 販売元:ジェネオン エンターテイメント
《デイビー日高》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top