HPの第3世代ブレードサーバは企業統合と技術の集大成だ | RBB TODAY

HPの第3世代ブレードサーバは企業統合と技術の集大成だ

エンタープライズ その他
Itanium2プロセッサ搭載のHPの第3世代ブレードサーバBL860c
  • Itanium2プロセッサ搭載のHPの第3世代ブレードサーバBL860c
  • 日本ヒューレット・パッカード 取締役副社長執行役員 石積 尚幸氏
  • DEC、COMPAQ、TANDEMなど先端企業との統合により、各社の技術も集約させた
  • ヒューレット・パッカード カンパニー ビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクター ブライアン・コックス氏
  • ブレードサーバの得意分野
  • 日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部サーバプロダクトマーケティング部 部長 森 成隆氏
  • Blade-Everythingという考え方
 HPが13日発表したブレードサーバは、第3世代のブレードサーバとして、HPがこれまで統合した企業の技術が集約されているだけでなく、これからのデータセンタ、エンタープライズサーバの形を提案しているという。記者発表の詳細をお伝えしよう。

 日本ヒューレット・パッカード(HP)は3月13日、UNIX(HP-UX)対応でItanium2プロセッサ搭載のサーバ・ブレードとして、「HP Integrity BL360cサーバブレード」を発売した。出荷開始は4月1日より。

 BL860cは、デュアルコア インテルItanium2プロセッサを最大2個(最大4コア)搭載可能なサーバ・ブレード。対応OSは、HP-UX、Linux、Windows(2007年下半期サポート開始予定)の3種。HP BladeSystem c-Classのシャシーに最大8枚が搭載可能で、x86プロセッサ搭載のサーバ・ブレードと同一シャシー内に混在させることもでき、システム環境の異なる複数のサーバを集約することができる。

 高信頼性の実現にも力を入れており、従来のIntegrityサーバの位置づけはそのままに、フォームファクタをブレード化したサーバといえるだろう。

 まず登壇した同社の取締役副社長執行役員の石積 尚幸氏は、コンパック等さまざまな企業を吸収合併してきた歴史を簡単に振り返り、企業統合の結果肥大したITシステムを効率化するのがHPにとっての大きな課題だったことを紹介した。たとえば、コンパックとの合併の直後のITコスト構造は「予算額は売上の4%以上に達しており、しかもその70%以上は既存システムの維持管理に費やされていた。そこで合併時に掲げた戦略的なゴールとして、IT予算を売上の1.5%以内に抑え、かつそのうちの50%以上を新規開発に当てることにした。2010年までに、全世界のデータセンターを3カ所に集約する計画だ。」という。こうした経験を踏まえ、「HP自身が“Adaptive Enterprise”になろうと考え、そのために必要なハードウェアとして考えたのがブレードサーバだ」とした。特に現在主力となるc-Classは、企業統合で得た製品のブランド名だけをHPに変更したものとは違い、各社の技術を集結して新設計した強力なハードウェアだという。今回は発表されたBL860cは特に信頼性を強化しており、「データベース運用に耐えるブレード」だと位置づけた。

 続いて登壇した米HPのビジネスクリティカルサーバ ワールドワイド プロダクトマーケティング ディレクターのブライアン・コックス氏は、Integrityサーバの将来に向けた開発方針について説明した。企業統合によってHPが提供するハードウェア・プラットフォームは、プロセッサだけでもMIPS、Itanium、PA-RISC、Alpha、x86と多岐にわたったが、これを現在ではItaniumとx86の2種類に集約した。今後の重点投資対象としては、管理機能、仮想化、HA(高可用性)、ストレージ、クラスタリングなどが挙げられている。さらに今後は、小規模から大規模まで共通化されたアーキテクチャを採用し、モジュラー化を推進していくという。Integrityサーバ・ラインナップのボトムエンドに位置づけられるBL860cの投入は、「将来の製品ラインアップの初めの一歩であり、よりいっそうこう高率なサーバ統合を可能にする」という。

 また、ラックマウント型サーバとの棲み分けについて同氏は、「従来ブレードはWebフロントなどスケールアウト型の比較的低負荷の環境向きだと考えられてきたが、ブレードでありながら仮想化にも対応し、高い信頼性を備えるIntegrityサーバのブレード化で状況が変わる。今後、ブレードは高信頼なサーバ統合プラットフォーム向けと位置づけられ、ラックマウント型サーバは小規模な部門サーバ向けと位置づけられる」としている。
 信頼性の向上に関しては、同氏は“Power-up Once”というコンセプトを紹介した。これは、冷蔵庫のようなイメージで、「製品のライフサイクルを通じ、電源をオンにするのは最初の1回だけ。あとはずっとそのまま動作し続ける」という意味で、今後この実現に向けて取り組んでいく計画だ。

 最後に、日本HPのエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 サーバプロダクトマーケティング部 部長の森 成隆氏が登壇し、「第3世代ブレード」の特徴について簡潔に紹介した。第3世代ブレードとは、HPが標榜している概念で、従来のサーバに加え、ストレージやネットワークのすべてをブレード化してシャシーに組み込めることを根拠に「新世代」と位置づけているものだ。このアイデアを端的に表現し、“Blade-Everything”と言っている。

 マーケティング面での施策としては、以前から提供されている、Oracle DBクラスタをオールイン・パッケージで提供する「HPシンプルクラスタPack」でBL860cベースのパッケージの追加が計画されているほか、パートナー向けの支援プログラム「Blade Focus Partnerプログラム」の拡大も行なわれるという。
《渡邉利和》

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