【NET&COM 2007 Vol.5】TCPを最適化/高速化するF5のソリューションとは? | RBB TODAY
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【NET&COM 2007 Vol.5】TCPを最適化/高速化するF5のソリューションとは?

ブロードバンド その他
F5ネットワークスジャパン アクセラレーションソリューションズ プロダクトマネージャー 多賀俊雄氏
  • F5ネットワークスジャパン アクセラレーションソリューションズ プロダクトマネージャー 多賀俊雄氏
  • TCPの本質的な問題は、パケットというデータを細かくきざんで送信するという点とオーバーヘッドが発生しやすいプロトコル構造だ
  • LAN側ではアプリケーションサーバーが複数のサービスを処理していたり、プロトコルオーバーヘッドの処理が問題となる
  • ネットワークアプリケーションの高速化には2つの手法がある
  • その2つを適用するアプローチにも2種類ある
  • 非対称型アプローチのためにBIG-IP(アプライアンス製品)と発売予定のWebAcceleratorモジュールを用いる
  • 対称型のアプローチとしてWANJetを導入する例と効果
  • WebAcceleratorの管理画面
 すべてではないが、いまや業務アプリケーションのASP化、ウェブサービス化が進んでいる。このようなアプリケーションの高速化は、ソフトのバージョンアップやクライアント環境の設定だけでは難しい。実際どのような方策があるのだろうか。

 業務アプリケーションやグループウェアなどがブラウザをフロントエンドとしたウェブサービスだったり、事務用アプリケーションにASPを導入する企業が増えている。これは、情報漏えいや機密保持などのセキュリティと、資源管理の効率化やコストダウンといった経営戦略的なニーズから生じている現象だ。しかし、その反面、ネットワーク経由だとアプリケーションのパフォーマンスがでない、通信コストの増大といった問題も無視できなくなっている。これらの問題のソリューションは、ネットワークの高速化、効率運用にあるとのことで、F5ネットワークスジャパン アクセラレーションソリューションズ プロダクトマネージャー 多賀俊雄氏によるセミナーの内容をお伝えしよう。

 まずTCPは、パケットを前提とした本質的な部分に問題があるそうだ。TCPは信頼性確保のため、ハンドシェイクなどオーバーヘッドが多く、パケットサイズやウィンドウサイズといった基本的なプロトコル構造もファイル転送などにはじつは向いていない。また、HTTPプロトコルを利用するウェブアプリケーションもセッションの管理など、非常に「Chatty」(話し好き)なアプリケーションといえる。それゆえ、問題の対策にはサーバの負荷を減らしたり、余分なトラフィックを制御することが重要となる。

 その具体的方策として、F5ネットワークスジャパンでは2つの技術に注目しているという。ひとつは、主にLAN側での対策となるアプリケーションサーバの負荷分散、高速化である。L4-7ロードバランサ、SSLアクセラレーション、データ圧縮、キャッシュなどがソリューションとなる。もうひとつは、TCPの最適化、QoSによるトラフィック制御、WAFS(高速ファイル転送技術)といったWAN側での対応である。

 そして、対策のアプローチ方法には「非対称型」と「対称型」の2種類があるという。非対象型は、データセンターなどアプリケーションサーバ側にアクセラレータやバランサーなど高速化アプライアンス製品を置き、各クライアントのパフォーマンスを改善する。対称型は、サーバ側とクライアント側の両方にアプライアンス製品を置いた高速化の手法となる。対称型の場合、間はWANでの接続が基本となる。

 F5ネットワークスジャパンでは、トラフィック管理システムのハードウェアとしてBIG-IPという製品群があるが、これに2月28日リリース予定のWebAccelaratorモジュール(ソフトウェア)を組み込むことによって、SSLアクセラレーション、HTTP圧縮、QoS、キャッシングなどの機能によってアプリケーションの高速化を実現している。また、WANJetという製品では、ローカルでのTCP応答制御、ウィンドウ管理などによるTCPアクセラレーション、アプリケーションごとのセッションレベルでの圧縮、バイトパターン辞書によるキャッシュ、CIFSによるファイル転送の高速化を行うという。

 セミナーの最後では、アプリケーション配信やサービスの高速化だけでなく、WANJetによるリモートバックアップの劇的なスピードアップ、通信コストの削減の事例も紹介された。
《中尾真二》
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