パッケージに含まれるツールは、「Microsoft SoftGrid」「Microsoft Accet Inventory Services」「Microsoft Advanced Group Policy Management」「Microsoft Diagnostic and Recovery Toolset」の4種。なお、MDOPの提供は1月1日からだが、その段階で提供されるのはSoftGrid英語版のみ。残る3つのツールの提供開始は、2007年5月を予定している。MDOPの提供対象となるのは、ボリュームライセンス契約として“Open Value”“Select”“Enterprise Agreement(EA)”“EA Subscription”“Campus and School”のいずれかを契約し、さらに“Software Assurance(SA)”契約を締結した企業や法人など。提供価格は1ライセンスあたり年間1,200円程度(参考価格)を予定しており、有効なSA契約数を上限として契約できる。
SoftGridは、2006年7月に米国で発表されたSoftricityの買収によって獲得された製品で、内容的にはSoftricityの製品であった「SoftGrid for Desktops」と同一のもの。アプリケーションを仮想化するツールで、クライアントPCの環境を変更せず、サーバから配信された複数のアプリケーションの実行が可能になる。たとえばMicrosoft Officeの最新バージョンと旧バージョンを同時に実行したいような場合、新旧のバージョンが同一のレジストリ・キーを使用していたり、DLLファイルなど、同名だがバージョンが異なるシステム・ファイルがあったりするため、通常は1台のPC上に複数のバージョンを混在させることは困難だ。SoftGridでは、アプリケーション本体とその実行環境をまとめて“パッケージ”を構成し、クライアントに対してこのパッケージの実行イメージを配信する、という形を取り、クライアントPC上にアプリケーションをインストールすることなしに実行/利用することを可能にする。Windows Vistaへのバージョンアップを控え、OS/アプリケーション両方で互換性検証や移行のためのアプリケーション改修などの負担が増えることが想定されるが、移行期にSoftGridを使って旧バージョンをそのまま実行することで、環境移行の負担を減らすことが可能になる。