インテルの5つのプラットフォームとは? -上級副社長パット・ゲルシンガー氏 | RBB TODAY
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インテルの5つのプラットフォームとは? -上級副社長パット・ゲルシンガー氏

エンタープライズ その他
 米インテルコーポレーションの上級副社長兼デジタル・エンタープライズ事業本部長のパット・ゲルシンガー氏が来日したことを受けて、インテルは「2006年に向けたインテルのプラットフォーム戦略」と題する説明会を開催した。特別な発表などがあったわけではないが、従来少しずつ明らかにされていたインテルの戦略を整理して分かりやすくまとめて説明したものだ。

 インテルでは、創業初期(1960〜70年代)のメモリ中心の時代を“インテル1.0”、1980〜90年代のマイクロプロセッサ中心の時代を“インテル2.0”とし、2000年代はプラットフォームを中心に用途指向型コンピューティングの時代を支えるべく事業を再編し、“インテル3.0”と位置づけている。

 また、プラットフォームとしては、

・Digital Enterprise
・Digital Home
・Mobility
・Channel Platforms
・Digital Health

の5つを想定しているという。「Digital Enterprise」(デジタル・エンタープライズ)は企業用途向けで、サーバやワークステーションなどを含む。「Digital Home」(デジタル・ホーム)は家電製品や家庭用PC、「Mobility」(モビリティ)はノートなどの可搬型で、実際のプラットフォーム名として「Centrino」(セントリーノ)が成功を収めた分野だ。この3つが、ビジネスとしても大きなボリュームを占めることになる。

 あとの2つは相対的には小さなボリュームとなるが、なかでも今後重要な分野となると予測されるものだ。「Digital Health」(デジタル・ヘルス)は医療関連やヘルスケア産業での利用に向けたプラットフォームとなる。

 5つのプラットフォームの中でも、ゲルシンガー氏の直接の担当となるのがデジタル・エンタープライズ向けプラットフォームだ。2006年には、ここで2種類のプラットフォーム製品が投入される計画だ。

 まず、企業内で利用されるビジネスPC用プラットフォームとして「Averill」が投入される。これは、Centrinoに続くプラットフォーム・ブランドで、ビジネスPC向けとしては始めて「ブランド名を冠したプラットフォーム」となる。デュアルコア・プロセッサに対応し、次世代通信機能や運用管理技術、仮想化技術などが盛り込まれる。

 また、Xeonサーバ向けには「Bensley」がプラットフォームとして投入される。デュアル・プロセッサ(DP)対応のプラットフォームで、パフォーマンスを2倍以上に向上することに加え、ワット(消費電力)当たりのパフォーマンスを最大で3.5倍向上させるという。

 プロセッサのマイクロ・アーキテクチャについては、現在のNetBurstとPentium M系のモバイル向けとを改めて統合して次世代マイクロ・アーキテクチャを完成させ、2006年中に製品化する計画だ。このマイクロ・アーキテクチャは65nmプロセスを前提としたもので、消費電力に関する最適化が最大のポイントとなる。次世代マイクロ・アーキテクチャに基づくプロセッサは、2006年下半期に市場投入される予定。同一のマイクロ・アーキテクチャから、サーバ向け(コード名Woodcrest)、デスクトップ向け(コード名Conroe)、モバイル向け(コード名Merom)の3種類の製品が作り分けられるとされる。

 製造プロセス技術に関しては、インテル内部での研究開発の進展から、2006年に65nm、2007年に45nm、2009年に32nm、2011年以降に24nm、17nmまでの進化が既に視野に入っているといい、今後少なくとも10年はムーアの法則が維持される見込みが立っているという。こうした状況を踏まえ、最後にまとめとして掲げられた、インテルにとっての2006年は、

・65nmプロセス技術の量産出荷
・次世代マイクロ・アーキテクチャの投入
・新プラットフォームの投入
・デュアル・コア、クアッド・コア

といったトピックが予定される年となる。
《渡邉利和》
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