つくばエクスプレス、「車内LAN」でブロードバンド接続可能に〜まずは拠点駅付近から。将来は全線の対応を目指す | RBB TODAY

つくばエクスプレス、「車内LAN」でブロードバンド接続可能に〜まずは拠点駅付近から。将来は全線の対応を目指す

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つくばエクスプレスの2000系車両。アクセスポイント設置は全線走行可能な交直流両用電車を優先したいとのこと
  • つくばエクスプレスの2000系車両。アクセスポイント設置は全線走行可能な交直流両用電車を優先したいとのこと
  • 記者会見に臨んだ3社の代表。左から、NTT-BP 代表取締役社長 小林忠男氏、インテル 代表取締役共同社長 吉田和正氏、首都圏新都市鉄道 代表取締役社長 高橋伸和氏
  • 車内のイメージ。4人がけシートは格納式テーブルを装備している
  • 実験環境の概略図
 つくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道)、インテル、エヌ・ティ・ティブロードバンドプラットフォームは14日、列車内に設置された無線LANスポットを通じて外部のインターネット回線に接続できる環境の整備と、実際の列車や駅構内での実験運用の実施について合意した。

 乗客が無線LAN対応のノートパソコンや携帯端末を使い、列車内に設置されたアクセスポイントと通信する。車内のアクセスポイントからは列車の前後の先頭車両に設置されたアンテナにデータが中継され、駅や沿線に設置されたアンテナと通信を行う。駅や拠点からは光ファイバでデータセンターと通信し、インターネットに接続する。

 列車内からのインターネット接続については、従来もJRや京浜急行電鉄などで実験が行われていたが、列車と地上との通信については携帯電話のデジタル回線を使っていたため、回線速度のボトルネックになっていた。今回の実験は列車と地上間において2.4Ghzの広帯域通信を可能としたことが最大の特徴で、自宅や会社におけるブロードバンドに遜色のない通信環境が実現できる。

 3社の発表によれば、当初は拠点駅を中心に地上設備を整え、対応車両に関しても徐々に増やしていくとのこと。最終的には全区間、全列車で対応させる考えだ。商業ベースに移行する前提での実験であり、他の事例のように実験が終了することはなく、正式サービスに移行したい考えだ。実験が成功すれば、インテル、NTT-BPの両社にとっては技術力を示すアピールとなる。つくばエクスプレスにとっては平行する高速バスや、ダイヤ改正で巻き返しを図るJRに対する大きなアドバンテージとなる。

 無線LAN実験の提供開始に関する具体的なスケジュールやサービスの提供区間については未定だが、つくばエクスプレスでは「8月24日の開業を控えた8月22日の出発式典でデモンストレーションをしたい」という意向を示した。出発式典は秋葉原−浅草間の試乗が予定されており、まずはこの区間で実験が始まるようだ。

 つくばエクスプレスは秋葉原とつくば間を最速で45分で結ぶ。列車内からのブロードバンド接続が実現すれば、秋葉原に向かう列車内で、もっとも家電製品の価格が安い店をあらかじめ検索する、つくばキャンパスへ向かう車内で研究発表資料を閲覧する、などといった利用が想定できる。オンラインゲームに夢中になると、終点に近づくにつれて「もう少しゆっくり走って」と思うかもしれない。
《杉山淳一》

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