ソフトバンクが9月中間決算。投資の縮小とBBTecへの注力が鮮明に | RBB TODAY

ソフトバンクが9月中間決算。投資の縮小とBBTecへの注力が鮮明に

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ソフトバンクが9月中間決算。投資の縮小とBBTecへの注力が鮮明に
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 ソフトバンクは9月中間決算の説明会を都内で開催し、有利子負債の圧縮を進める一方で、ブロードバンド事業(Yahoo!BB)へのリソース集中をさらにすすめる方針を明らかにした。

 リソース集中をもっとも端的に示すのが、本日発表されたビー・ビー・テクノロジー(BBTec)、ソフトバンクネットワークス、ソフトバンク・イーシーホールディングス、ソフトバンク・コマースの合併だ。存続会社はBBTecで、これにより売上高約3000億円、社員数約2000人の事業会社ができることとなる。孫社長によれば、アイ・ピー・レボルーションのもつ法人向けノウハウや、ソフトバンク・コマースのもつ販売店コネクションを活用して、Yahoo!BBサービスを法人や個人に向けて拡販するシナジー効果が得られるとしている。

ソフトバンク 孫正義氏


 グループ全体の経営状態については、有利子負債の圧縮やキャッシュフローの増加によって健全化の方向にあることをアピールした。キャッシュの増加のほとんどは海外株式の売却や海外投資の引き上げなどをもとにしたもので、これらの資金は負債圧縮とともにBBTecの設備投資にあてられた。営業損益が前年同期と比べて225億円もの赤字拡大(△87億円→△312億円)にもかかわらず、当期損益がほぼ変わらない数字(△543億円→△558億円)に抑えられている。(営業損益の赤字拡大は、大部分が初期投資がかさんだBBTecによるもの)

平成15年3月期中間決算連結業績
(単位:億円)
H14年9月 H13年9月 前年同期比
売上高 1,911 1,834 77
営業損益 △312 △87 △225
経常損益 △460 △162 △298
当期損益 △558 △543 △15


 グループの様々な事業についても、Yahoo!BBを実施するBBTecなど「ブロードバンド・インフラ事業」以外が連結黒字になったほか、赤字が続いているブロードバンド・インフラ事業についても、BBTecが数ヶ月内に損益分岐点(約200万回線)を超え、単月黒字化が可能になるという見通しを示した。また、BBTecの累損一掃も今後数年以内に可能だという。

1ユーザあたりの平均収入(ARPU)についてのプレゼン画面。8Mサービス+BBフォンのユーザで月々4,070円、12M+BBフォンでは月に4,470円を支払っている


 ただ、BBTecを中心とした4子会社の合併はあまりにBBTecセントリックなものであり、吸収される3社の志気に悪影響をおよぼす恐れもなくはない。特に、ソフトバンク・コマースは派手な事業ではないものの「日本ソフトバンク」時代以来パッケージ流通でソフトバンクを支え続けた屋台骨のはず。いちど分社化したその部隊をいきなりBBTecに吸収させるというのは、当事者にとって相当にドラスティックな変化であろう。

 また、すべての前提となっているYahoo!BBの急速な加入者拡大は、増加分の大部分が代理店経由の販売によるもの。これについて出席者からは、一時期のPHSや携帯電話のように大量契約の後に大量解約が起きるおそれはないのかという質問も出ていた。これについては、Yahoo!BBサービスの解約率は1%程度ときわめて低く、問題はないというのが孫社長の見方だったが、当初の“自ら進んで加入した”ユーザの解約率はともかく、一部代理店による強引な販売戦術で獲得した契約がどうなるかは、今後数ヶ月の加入数や解約数を見てみないと分からない部分はある(ユーザは、どのようなセールスで契約しようと無料で使えているうちは文句を言わないものだが、無料で使っていたユーザほど課金が始まるといきなり多くを求めるようになるものだ)。

 『タイムマシン経営』の範を米国から韓国に乗り換え、不採算な投資をリストラし、ブロードバンド事業で全力疾走を始めたソフトバンクグループだが、孫社長の思い描くような成功が可能かどうか、まだしばらく不透明なままといえそうだ。
《RBB TODAY》

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