RBB TODAYはブロードバンドへのエントリーから活用までをカバーした日本最大のブロードバンド情報サイトです。 PR PCならストーム■BTOとカスタムパソコン……2万円台〜超ハイエンドまで
RBBトップエンタープライズモバイルBizコンテンツ情報デジタル家電IT辞典スピード測定特集・連載プロバイダ比較

エンタープライズ

RBB検索

この記事をブックマークする: ブクマッチする Yahoo!ブックマークに登録 livedoorクリップに登録 はてなブックマークに登録 Twitterでつぶやく

【インタビュー】SaaSビジネスの実行基盤は最終段階へ――富士通

 経済産業省のSaaS活用基盤「J-SaaS」が、今年3月末より開始される。これは、安価な利用料金で財務会計や税務申告、給与計算などのサービスを提供することにより、企業の業務効率化を図るのが狙いで、将来的には50万社がアクセスできる環境を整備するという。この「J-SaaS」の基盤を担当した富士通は、自社のSaaSビジネスをどのように展開しているのか。同社のサービスビジネス部 SaaSビジネス推進部の齋藤範夫氏に話を聞いた。

――「J-SaaS」の基盤は富士通が手がけたそうですね。

弊社は2年ほど前からSaaSプラットフォームの開発に着手していましたので、今回のプロジェクトにもいち早く手を挙げることができました。サービス開始日が決まっていましたので、弊社の業界に先駆けた取り組みが評価されたのではないでしょうか。

――富士通のように「SaaS」と名の付く部署名があるのは珍しいですね(笑)

私はSaaSビジネス推進部の人間ですから、SaaSだけ売っています(笑)。昨年4月の黒川の社長就任で明確にした会社の方針からも、SaaSは全社的な取り組みの1つとなっていますし、意気込みは十分あります。

――富士通のSaaSへの取り組みについて教えてください。

弊社のSaaSプラットフォームをISV(独立系ソフトウェア会社)やSE会社などの弊社パートナーに活用してもらうことで、弊社のSaaSビジネスを拡大したいと考えています。弊社のプラットフォームは、インフラとなる「SaaSリソースサービス」と、アプリ連携に必要な「SaaSアプリケーションプラットフォーム」で構成されていて、これら2つを統合して提供します。SaaSリソースサービスでは、LinuxホスティングとWindowsホスティングの提供をすでに始めていて、3月末からは仮想化のVMwareホスティング提供も予定しています。また、SaaSはオンデマンドかつ従量制での提供となりますから、SaaSアプリケーションプラットフォームとして、サービス運用管理制御(ログ管理など)、認証・権限管理制御(認証IDなど)、実行環境(J2EE型)を提供します。さらに、これら2つのプラットフォームにオプションとして、PDF帳票作成、FAX送信、課金計算といったユーティリティも搭載します。現在、こうした“SaaSの肝”となる部分の作り込みをほぼ終えていて、来年度にはSaaSビジネスに必要な実行基盤はすべてそろう予定です。

富士通のSaaSプラットフォーム SaaSアプリケーションプラットフォーム
【左】富士通のSaaSプラットフォーム 【右】SaaSアプリケーションプラットフォーム

――クラサバ型アプリケーション用の実行環境も富士通で提供するんですね。

ISVに話を聞くと、クラサバ型でサービス提供しようとしているISVがけっこういるんです。Web化するには今まで作り上げたものを1から作り直す必要がありますから、既存のクラサバやPCインストール型パッケージをそのままSaaS化したいと考えているようです。そこで、アプリケーションをユーザに配信してシンクラ方式で動かすことができる「アプリケーション配信基盤サービス」を用意しました。これはすでに提供を開始しています。

――館林のデータセンターにSaaSプラットフォームを構築しているそうですね。

館林ではすべてがグリッドとグリーンで構築されます。今までのようにラックを置いてお客様の設備を預かって、といったスタイルではなく、ブレードを中心として、仮想的に連携できるような仕組みになります。もちろん、お客様のニーズによって、他のデータセンターにもSaaSプラットフォーム構築をしていきます。ユーザには、オンデマンドで必要な領域を割り当てられる環境を用意します。また、クラウドになると、自社サーバがどこにあって、どういう状態にあるかがわかりにくくなりますから、ダッシュボード機能を用意して、OS/ミドルウェアの情報に加え、運用状況を“見える化”する機能も提供します。

――SaaSアプリケーションは自社で作らないんですか?

もちろんSaaSアプリケーションも投入していく予定です。すでに電子申請は始まっていて、もうすぐ電子調達も開始予定です。弊社には、ERPや業種別パッケージなどのアプリケーションも豊富にそろっていますので、それらのSaaS化に向け、拡販部隊やパッケージ部隊と協力して、ビジネスプランを作っているところです。共通化が難しくSaaSに向かないアプリケーションもありますから、まずは共通的に使えて需要の高いものから優先的にやっていくというイメージです。

――複数のプラットフォームを使うのはユーザとしてもたいへんですよね。となると、早くプラットフォームを立ち上げた者の勝ちでしょうか?

早くクラウドを作った者の勝ち、でしょう。あとは、アプリケーションの豊富さが勝負の分かれ目だと思います。ですから弊社はISVをどんどん囲い込みたいんです。しかし、プラットフォームがないと、それはできません。ですから、まずしっかりとしたプラットフォームを自前で作り、そこにISVやパッケージを持っているパートナーを誘致して、プラットフォームを盛り上げていきたいんです。「J-SaaS」も、ポータルを用意して、ユーザは使いたいアプリケーションを選べばすぐ使える仕組みがありますが、富士通も同様のポータルを作って、様々なサービスを富士通のプラットフォーム上で提供できるようにしたいと考えています。そのために、様々なベンダと協調できる部分は協調しつつ、共通基盤を作り上げたいと考えています。そういう意味では、ソフトウェアありきネットワークありきで自社製品を売りたいベンダとは、SaaSビジネスの展開の仕方が違うと思います。

――大企業は既存システムをクラウド上に持っていくのはたいへんですね。やはりSaaSを使いやすいのは中小企業ですか?

実は、弊社の商談の割合では大手のお客様がけっこう多いんです。ただし、基幹の周辺系となるSFAやCRMが中心で、こうしたフロントの軽いところは、自前で持たずどんどん外に出していこうとする傾向があるようです。中小の場合は、当社ではグループウェアやeラーニングが多いようですね。

――eラーニングの事例ではテンプスタッフがありますね。

テンプスタッフ様でeラーニングを考えられたのは、IT部門ではなく、登録スタッフのスキルアップを考える部門の方々です。

テンプスタッフ eラーニング教育「aca-ne」
テンプスタッフ eラーニング教育「aca-ne」

自分たちはどういうコンテンツをどう充実させていくかに専念したい、余計なシステムを持たず外で運用してもらいたい、という企業は増えてくるでしょう。テンプスタッフ様は年間1,000万円単位のコストダウンも見込んでいますし、コストメリットの観点からもこうした利用シーンは増えていくと思います。

イントラ型とSaaS型の比較
イントラ型とSaaS型の比較

――eラーニング以外に増えていきそうな利用シーンはありますか?

HOYAサービス様が眼鏡店に導入した、顧客管理のSaaS化も今度増えていくのではないでしょうか。HOYAサービス様は、これまで約7,000店舗に専用端末で導入していた顧客管理を、端末のOSアップグレードを機に、Web顧客管理システムに一新しました。

HOYAサービス めがね店舗向け「メガ顧客」
HOYAサービス めがね店舗向け「メガ顧客」

今後は店員教育や販売会議など、マッシュアップも検討しているようです。マッシュアップの事例では、某メーカー様が、バイヤーとサプライヤー間で発生する見積書や図面、帳票の管理を、資材調達EDIとグループウェアを組み合わせることによってSaaS化しました。クラウドになってくると、こういった事例も増えてくると思います。

――昨年は「クラウド」が騒がれましたが、今年は何がきますか?

クラウドは、IaaS(インフラ)、FaaS(ファシリティ)、PaaS(プラットフォーム)、SaaS(ソフトウェア)、NaaS(ネットワーク)と階層別になってきています。PaaSのみを求めるユーザもいれば、上位アプリケーションだけ使えればいいと考えるユーザもいますので、ベンダ側も階層別のすみ分けができてくるのではないかと思います。また「プライベートSaaS」、日本で「企業内SaaS」も注目されてきているようです。大企業の情報子会社が開発を手がけて、グループのSaaS基盤上で基幹システムを安く効率よく運用するなど、企業内で必要なところとそうでないところを選別しつつ、いろいろな取り組みが始まっているようです。

――SaaSの普及でSIビジネスはなくなるのでしょうか?

SIビジネスがなくなるとは思っていません。逆に、SaaSならではのSIが新しい領域として出てきています。カスタマイズを希望するユーザもいれば、標準仕様でリプレイスも簡単なものを希望するユーザもいますから。しかしどちらかというと、米国流の考え方が広まってきていて、すでにあるものを使って簡易的に済ませる傾向は強まってくるのではないでしょうか。

――パッケージビジネスはどうでしょうか?

現在でもWeb型アプリケーションはまだそれほど多くありません。これまでパッケージの世界はライセンスで守られてきましたが、これをWeb型の月額従量で提供するとなると、ビジネスモデルが大きく変わってきます。また、これまでソフトウェア会社は1本のアプリケーション開発に何億も投じることもありましたが、SaaSでは回収スパンが長くなっていきます。この流れがなくなることはなくて、最初は緩やかかもしれませんが、次第に売り切りのパッケージビジネスはなくなっていくのではと思います。

――個人的に「こうなったなら面白いな」と思うものはありますか?

「複数の会社が、同じような設備を、同じように作らなくてもいいよね」という考え方からすると、餅は餅屋というか、数社合同で開発されるメモリがあるように、A社はある分野が得意で、B社は別の分野が得意なら、双方をつなげて共通基盤にして、クラウドで使えるようになればいいなと思います。ベンダを気にせず共通ポータルを提供できれば、ユーザはすごく使いやすくなりますよね。
(柏木由美子@RBB 2009年3月13日 18:17)
キーワード: 富士通 SaaS クラウド データセンター オンデマンド


ニュース関連項目

関連リンク

【特集】SaaS
【インタビュー】SaaS型BI市場にいち早く注目!――ウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長 内野弘幸氏
【インタビュー】クラウド時代の電子文書セキュリティ――配布後も制御可能なSaaS型サービスの実力
【特集・SaaS】ビジネスボリュームは100倍に伸びる――セールスフォース・ドットコム代表取締役社長 宇陀栄次氏

関連用語

CRM
PaaS
SaaS
VMware
オン・デマンド
データ・センター
マッシュアップ
ミドルウェア
仮想化
従量制

ここへ来た人はこんなニュースも見ています

【インタビュー】無償グループウェア提供の先にあるもの──ブランドダイアログ代表取締役社長 稲葉雄一氏:Enterprise(2009年6月25日)
【インタビュー】SaaS型BI市場にいち早く注目!――ウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長 内野弘幸氏:Enterprise(2009年1月27日)
【インタビュー】クラウド時代の電子文書セキュリティ――配布後も制御可能なSaaS型サービスの実力:Enterprise(2008年12月4日)

関連記事

NEC、アプリケーションサーバ「WebOTX Application Server」に廉価モデル投入 〜 ライセンス体系も変更 (2009年3月12日)
日本オラクル、SaaS型電子請求アプリケーション「Oracle Self-Service E-Billing On Demand」を発表 (2009年3月11日)
日立、「BladeSymphony」のブレードサーバラインアップなどを強化! (2009年3月11日)
米Oracle、戦略的ソーシングを支援するSaaS型ソリューション「Oracle Sourcing On Demand」を発表 (2009年3月11日)
日立電サ、SaaS型「安心バックアップサービス」を法人向けに販売開始 (2009年3月10日)
セキュアブレイン、SaaS型セキュリティサービス「gred」の販売を開始 (2009年3月6日)
セールスフォース、クラウドビジネス支援の「Force.comパートナー・プログラム」を発表 (2009年3月4日)
ソフトバンクIDC、「desknet's」最新版Ver.7.0をSaaS型で提供開始 〜 iPhone画面に対応 (2009年3月4日)
総務省、データセンターの情報開示を推進する指針を発表 (2009年2月27日)
日本HPとNTT Com、セールスフォース・ドットコムのSaaSサービスを通じてセキュアな環境構築で協業 (2009年2月26日)
法人向け「BIGLOBEオフィスサービス」、ストレージ容量を拡大しSaaS対応を強化 (2009年2月26日)
ビムーブ、法人向けSaaS型動画配信サービス「ビムーブVIDEO」の機能を強化 (2009年2月26日)
日本ユニシス他4社、「SaaS型 地域防災・事業継続支援システム」の実用化を検証開始 (2009年2月25日)
「ICTビジョン懇談会」が総務大臣に緊急提言 〜ICT産業を国家成長の柱に (2009年2月24日)
NECネクサソリューションズ、Web型ERPパッケージ「GRANDIT」をASP・SaaSで提供 (2009年2月23日)
ヤフー、ソフトバンクIDCソリューションズを吸収合併 (2009年2月19日)
KCCS、SaaS型ID管理サービス「GreenOffice Directory On Demand」を提供開始 (2009年2月19日)
フォーティネット、Webアプリ/XML用ファイアウォール機器「FortiWeb-1000B」新発売 (2009年2月18日)
日立情報とマイクロソフト、SaaS型を含む「Microsoft Dynamics CRM」導入支援を提供開始 (2009年2月16日)
BIGLOBEビジネス、メールセキュリティ対策や情報漏洩対策などに関するセミナーを開催 (2009年2月13日)
NTTデータ、携帯電話を利用したワンタイムパスワード認証「BizEmotion-OTP Enterprise Edition」を販売開始 (2009年2月5日)
ユビテック、eラーニングとSNSを融合させた「人事部門向け内定者フォローシステム」を発売 (2009年2月4日)
NSW、SaaS型のクレジット基幹業務システムを提供開始 (2009年2月4日)
テック・インデックス、仮想専用サーバホスティング「V-Suite」販売開始 〜 モバイルSaaS事業を同時展開 (2009年2月3日)
指1本でログイン、アプリ切り替え――指静脈認証技術で大塚商会とインスパイアがB2B市場で協業 (2009年2月2日)
ソフトバンクIDC、自由にアプリを組み合わせ可能なSaaS型サービス「NOAHアプリケーションサービス」開始 (2009年1月27日)
BIGLOBE、中小規模企業向けオンラインバックアップ「PCデータ保存サービス」を提供開始 (2009年1月27日)
サイトロック、 PC資産管理とセキュリティ監視のSaaS型サービスを販売開始 (2009年1月27日)
【インタビュー】SaaS型BI市場にいち早く注目!――ウイングアーク テクノロジーズ代表取締役社長 内野弘幸氏 (2009年1月27日)
ネオジャパン、SaaSサービス「Applitus」にECOをテーマとした新アプリ3種を追加 (2009年1月22日)



ページトップへ




防御力96%×検知率99%、今選ぶべきセキュリティ対策は?
セキュリティ対策ソフトの性能を測る指標に「検知率」があり…
RBB TODAYビデオニュース
ADSLお得なサービスは?

メール配信登録はこちら



注目のセミナー

間もなく締切り

3/15  ゼロからの契約書実務A to Z 【応用・実践編】

3/15  10.4診療報酬改定の結果と医療機関への影響は如何に…!?

3/16  2010年放送再編から展望するポスト"デジタル完全移行"

3/16  Twitterマーケティングの流儀

3/17  NGN+クラウド

全セミナーリストへ

プロバイダ検索

プロバイダエリア別検索

郵便番号検索  - 

無線スポット検索dokoyo.jp
Weeklyアンケート

IT辞典

検索したい用語を入力して下さい



ご存知ですか? HyTimeとは?

グループサイト


ユーザビリティ調査ならイード ユーザビリティ調査ならイード
RESPONSE 自動車最速ニュースサイト
車検  車査定  車買取  中古車
e-nenpi.com e燃費
無線スポット検索サイト dokoyo.jp 無線LANスポット情報
コンピュータ書籍専門ネット書店 cbook24.com コンピュータ書籍専門店
モノ・マガジン オフィシャル ウェブサイト モノ・マガジン公式サイト
ビジネスバッグ、探すならmonoONLINE
病院検索 MEDWEB 病院情報検索
任天堂&オンラインゲーム ニュースコミュニティ インサイド DS/Wii&オンラインゲーム情報
ガソリン価格ランキング スタンド情報 カ−ライフナビ ガソリン価格 クチコミ

リリースRSSビジネス向けサービスお問合せ会社概要プライバシーポリシーリンクについてCookiesについて

本サイトの内容は、著作権による保護を受けています。
Copyright (c) 1998-2010 IRI Commerce and Technology, Inc. All Rights Reserved.
IRI Commerce and Technology, Inc.