ノーテル、100Gの光伝送デモを国内初公開

2008年11月2日(日) 17時20分
R&D部門のNotel Fellowの一人であるキム・ロバーツ(Kim Roberts)氏の画像
R&D部門のNotel Fellowの一人であるキム・ロバーツ(Kim Roberts)氏
色分散と偏波分散の画像
色分散と偏波分散
40Gでノーテルが採用した技術の画像
40Gでノーテルが採用した技術
実装されているチップの画像
実装されているチップ
受信側でのモニターの様子の画像
受信側でのモニターの様子
デモンストレーションの画像
デモンストレーション
100Gのプロトタイプカードの画像
100Gのプロトタイプカード
「Youtubeに代表されるような動画のトラフィックが通信インフラのなかで非常に大きな割合を占めるようになってきている。今後これらに加えてIPTVなどのデータ通信、LTEなどの第4世代携帯によるトラフィックも予想される。それを考えると、現状のインフラは非常に厳しい。より高帯域のネットワークインフラを構築していかなければいけないというのが通信事業者の願いだ」。
 ノーテルネットワークス メトロイーサネットワーク ディレクターの河田純一氏は、トラフィックが毎年2倍程度の勢いで増え続けており、これらの対応したテクノロジーが必要になってきている点を強調した。

 高速化・大容量化にあたっては、多くの通信事業者は10Gbpsベースの波長多重によりネットワークを構築している。10Gbpsまでのデータ伝送の高速化においては実際の信号速度を増加することによって対応してきた。しかし、これは多くの課題を残している。信号速度の高速化は、光学的な特製(色分散、偏波分散など)を増し、ネットワークの設計が難しくなり、また到達距離が短くなるなどのマイナク面に対する対応が必要になってくる。R&D部門のNotel Fellowの一人であるキム・ロバーツ(Kim Roberts)氏は、次のように説明する。

「私たちの扱う信号速度が速くなると、関連した通信の状況は物理学的にも複雑になり、影響もでてくる。まずは色分散だ。ダイヤモンドに白い光を当てたときには、それが輝いて色々な色が見えてくる。それがまさに様々な色に分散している状態といえる。同じことがグラスファイバーでも起こるのだ。ある色とある色を比べたときには、ひとつの色が他の色よりも速く到達するということが起こる。ひとつのパルスのなかに含まれている色のレンジは狭いとはいえ、複数のいろいろな色が含まれている。このパルスを100km長のファイバーに通した時には、幅が広がって隣のパルスに侵食(干渉)してしまう状態になる。この状態が10GBitの状態で発生している現象だとすると、これを10倍速くして100Gbpsにしたら、状況は10倍悪くなることになる。」

「もうひとつの問題が偏波分散だ。ファイバーに機械的、あるいは熱的ななにか変化があった場合のことを考えてみようある一瞬の時間をとらえてみると、ファイバーケーブルのところで非常に早い状態にある部分と遅い状態にある部分が生まれてくる。パルスをファイバーに通すと、普通のエネルギーの一部分は早い状態のところを通り、また別の一部分は遅いところを通っていく。ということは、受け手のところに到達する時間がずれ、隣のパルスに悪い影響を与えてしまうことになる」

 ノーテルでは40Gの伝送速度を実現するために、従来と同様に信号レートを上げることによって対応することも検討したが、違うアプローチをとった。信号レートを上げずに大容量化を実現するためのアプローチとして、無線技術の光伝送への応用を行った。無線技術では1つの信号(シンボル)上に複数のデータをのせる技術を採用している。同社では10Gbps信号上で4倍のデータを搬送することに成功し4月に商用化した。同社の40Gテクノロジーを採用している企業としては、カナダの通信事業者Bell CanadaやオランダのKPN Belgeum NV/SA、Southern Cross Cableなどがある。100Gbpsの技術も同様のテクノロジーをベースとしている。

 具体的には水平の偏波と垂直の偏波を同時に送信して情報量を2倍にした。また、光の情報を復号化し位相を設定することによって1シンボル4bitを送ることを可能にした。ノーテルの40Gラインカードには偏波多重、多値変調、コヒーレント受信技術を実装している。チップは90nmのCMOSで、1秒あたり200億のサンプルを処理するアナログデジタルコンパータを4つ実装している。キム・ロバーツ(Kim Roberts)氏は、受信側のモニターを表示しながら、偏波モード分散(PMD)補償について「1秒間に4万サイクルというペースでPMDは変わってくる。同チップでは5万サイクルまできちんと補償できるものに設計した。ネットワーク上で想定できる振動などが起こっても十分に補償できる能力を備えている」とコメントした。

 同社では10月の中旬に報道関係者を集めて100G伝送のデモンストレーションを実施。100Gのプロトタイプカードをオプティカルコンバージェンス・プラットフォーム「CME6500」に実装していた。使用しているファイバーは比較的PMDの量が少ないため、PMDエミュレーターを使ってPMDの量を上げたり、衝撃を与えたりしてもエラーが変化しない様子を見せていた。同デモの様子とキム・ロバーツ氏の説明のもようは、ビデオニュースで取り上げている。
《RBB TODAY》
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