株式会社三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田健二、以下 MRI)は、環境省から「令和7年度プラスチック資源循環戦略に関する調査・検討業務」を受託し、プラスチック使用製品の「設計・回収・再資源化・利用」の各段階の課題の分析と解決に向けた取り組みを推進しています。その一環として、軟包装材の資源循環に関わる9社の参画のもと、動静脈連携※1モデルを実証します。本実証では、複数企業が開発を進める剥離・脱墨技術の社会実装を見据え、設備や技術を共同で活用する協創型プラットフォーム(PF)モデルの成立可能性および成立条件を検証します。
1. 背景
プラスチックの資源循環は、資源枯渇や廃棄物削減、海洋プラスチックごみ対策の観点から世界的にその重要性が高まっています。日本でも、プラスチック資源循環戦略やプラスチック資源循環法に基づき回収・再資源化が進む一方、回収量の拡大、高度リサイクル技術の確立、再生プラスチック(以下 再生材)の品質向上・利用拡大が課題となっています。再生材の利用拡大には、品質、コスト競争力、安定供給性を同時に確保する仕組みづくりが不可欠です。こうした課題への対応に向け、近年、剥離・脱墨等の高度マテリアルリサイクル技術の開発が進められています。一方で、これらの技術の社会実装に向けては、技術そのものに加え、事業者間の連携や運用体制の構築も重要となっています。
このような背景を踏まえ、MRIは、環境省から受託した「令和7年度プラスチック資源循環戦略に関する調査・検討業務」※2の一環として、本実証を実施します。
プラスチック容器包装(軟包装材)の資源循環に関わる主要事業者9社が参画し、複数の動脈・静脈事業者が技術や設備を共同活用する「協創型プラットフォーム(PF)モデル」の成立可能性を検証します。
本実証の実施体制

三菱総合研究所作成
なお、本実証は、株式会社三菱総合研究所を全体統括者として実施し、アールエム東セロ株式会社、共栄社化学株式会社、ZACROS株式会社、大日本印刷株式会社、東洋製罐株式会社、TOPPAN株式会社、朋和産業株式会社、株式会社細川洋行、三菱ケミカル株式会社(記載は五十音順)の9社が参画します。
2. 本実証の概要
本実証では、剥離・脱墨技術の社会実装を見据え、複数の動脈・静脈事業者が設備や技術を共同活用する「協創型PFモデル」の有効性および成立可能性を検証します。あわせて、PFモデルの下で活用される剥離・脱墨技術について、共通条件下での実証を行い、社会実装に向けた課題を整理します。
本実証の特徴は、個別技術の性能評価や優劣比較を目的とするものではなく、複数企業が開発する剥離・脱墨技術を対象に、設備・技術の共同利用を前提とした協創型PFモデルの成立可能性や課題を検証する点にあります。具体的には、以下の取り組みを実施します。
(1)協創型PFモデルの有効性評価
個社ごとに設備・技術を活用する場合と、協創型PFモデルの下で設備・技術を共同利用する場合を比較し、再生材の品質、コスト競争力、供給安定性への効果を検証します。また、回収から再生利用に至るサプライチェーン全体を対象として、関係事業者の役割分担や連携の在り方、設備・技術の共同活用に向けた運用上の課題を整理します。
(2)共通サンプルを用いた剥離・脱墨技術の実証
複数企業が開発を進める剥離・脱墨技術について、複数の共通サンプルを用いて各技術による剥離・脱墨処理および評価を実施し、協創型PF化に向けた課題や検討事項を把握します。なお、共通サンプルは、市場規模や実証の意義を踏まえ、参画事業者間での議論を経て、プラスチック軟包装材を対象として設計します。
共通サンプルを用いた剥離・脱墨技術の実証 イメージ

三菱総合研究所作成
3. 今後の予定
MRIは、再生材の利用拡大を阻む構造的課題への対応に加え、回収・再資源化から利用拡大までを見据えた資源循環システムの構築に取り組んでいます。中でも、動静脈事業者が連携して設備や技術を共同活用する協創型PFモデルは、再生材の品質向上、コスト競争力、安定供給を実現する、有力な方策の一つと考えています。今後は、本実証を通じて得られる知見を整理し、協創型PFモデルの成立条件や運営上の課題を明らかにするとともに、社会実装・事業化および横展開に向けた論点を整理します。また、実証成果を踏まえ、再生材利用拡大に向けた資源循環政策の検討や、業界横断での取り組みの具体化を通じて社会実装に貢献します。
※1経済活動を血液の循環に例えた表現で、天然資源を加工して製品の製造・流通を担う産業を「動脈産業」、廃棄物の回収・選別・再利用・再生利用および適正処理による社会への再循環を担う産業を「静脈産業」といい、これらが連携して資源を循環させる取り組みを「動静脈連携」と呼ぶ。
※2 三菱総合研究所、プラスチック資源循環戦略に関する調査・検討を開始
https://www.mri.co.jp/news/press/20260421.html (2026年4月21日 MRIニュースリリース)
株式会社三菱総合研究所 概要
本社所在地:東京都千代田区永田町二丁目10番3号
代表者の役職・氏名:代表取締役 社長執行役員 籔田健二
事業内容:シンクタンク・コンサルティングサービス、ITサービス
資本金:63億3,624万円
設立:1970年5月
担当部署:GX本部(脱炭素・資源循環・生物多様性等を中心としたGX領域のコンサルティング・調査、サステナビリティ経営支援等を推進)
本事業における役割:全体統括として業務全体の企画・管理を担うとともに、資源循環政策の設計や動静脈連携モデルの検討・実証の中核を担います。また、産業界・自治体・関係機関等の多様な主体間の調整・合意形成を担い、実証成果を政策・制度へと接続することで、社会実装まで見据えた一体的な推進を行います。
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