株式会社QTnet(本店:福岡市、代表取締役社長:小倉 良夫、以下当社)は、福岡県と「生成AIを活用した行政事務効率化に関する共同研究」の覚書を締結し、その研究成果の第一弾として、生成AIの回答精度を高める主要技術「RAG*1(検索拡張生成)」に、独自の改良を加えた新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」を共創いたしました。
▼「ユーザー誘導型グラウンディング」ご利用イメージ

職員の質問に対して、生成AIが関連しそうな規定やマニュアルを選択肢として提示。職員が自身の質問の意図に近いものを選択することで、生成AIは正確で信頼性の高い回答を生成。
福岡県では、2024年12月から当社の生成AIプラットフォーム『QT-GenAI*2』をご利用いただいていますが、今回の共同研究で得られた新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」により、庁内の部署間で発生している組織固有の手続きや庶務事務等にまつわる問合せを、人手を介さず生成AIが精度高く回答することが可能となります。将来的には、外部からの問合せ対応の自動化などへ拡大することで、より質の高い行政サービスへの活用も期待できます。
当社は、今回の新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」を、『QT-GenAI」の新機能として搭載し、現在多くの組織が抱える生成AIの“精度の壁”という共通課題を解消し、生成AI活用による大幅な業務の効率化と質の向上、生産性の向上に貢献してまいります。
新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」概要
全国の地方自治体においても、行政サービスの質の向上や職員の業務負担軽減を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)が推進されており、その解決策の一つとして生成AIの導入が急速に進んでいます。しかし、生成AIを活用する際には、利用者が質問をしても生成AIから期待通りの回答が得られない「ミスマッチ」や、生成AIが事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション*3」がしばしば発生するという課題があります。
この「ミスマッチ」や「ハルシネーション」の要因の一つとして、生成AIがユーザーの質問意図を正確に把握できず、適切な情報を参照できないことが挙げられます。特に行政事務の現場においては、法律や制度に関する用語が特殊かつ厳格に用いられる傾向が多いことから、生成AIによる情報参照の難易度が高くなり、結果として曖昧な、あるいは的外れな回答が生成されるという状況が多発しています。
そこで、当社は、生成AIの回答精度を高める主要技術「RAG(検索拡張生成)」に、独自の改良を加えた新手法「ユーザー誘導型グラウンディング」を共創いたしました。
▼本仕組みがもたらす主なメリット
- 回答精度の飛躍的な向上職員の質問を受けて生成AIが推測した複数の情報源候補の中から、職員が自身の質問の意図に最も合致する情報源を選択することで、質問意図と生成AIの解釈の「ミスマッチ」を根本から解消し、事実に基づかない情報を生成する「ハルシネーション」のリスクを大幅に低減し、信頼性の高い応答を実現
- 作業時間の短縮と満足度の向上職員の質問の意図が生成AIに伝わらず、何度も質問をやり直すといった手間が削減され、生成AIとの対話が手戻りなくスムーズに進むため、職員はストレスなく必要な情報を得ることができる
【本プレスにあたり、福岡県庁からいただいたコメント】
[ 福岡県 企画・地域振興部 情報政策課 課長 井手 裕二 様 ]
「地域のDX推進に積極的に取り組んでおられる(株)QTnetとの連携により、行政の現場が抱えるリアルな課題の解決に繋がる新たな方策を創り出せたことを大変心強く感じています。県はこの技術を活用し、行政事務の効率化と県民サービスの向上に引き続き取り組んでまいります。」
*1:Retrieval-Augmented Generationの略。組織が用意するデータベースに保管されたデータを、生成AIの大規模言語モデル(LLM)が参照することで、組織固有の質問についても回答精度を高めて回答を生成する仕組み
*2:2024年12月18日プレスリリース QTnetの法人向けマルチ生成AIプラットフォーム 「QT-GenAI」 福岡県庁に導入されました( https://www.qtnet.co.jp/news/?page_name=31350230ruofubj.ru.hfobj/iunm )
*3:ハルシネーション:生成AIが、事実に基づかない情報や文脈と無関係な内容をもっともらしく生成する現象
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