https://www.youtube.com/watch?v=GmpuEEIGvgI
クラシック 7225
1802年、アブラアン-ルイ・ブレゲは精度向上のために複数の機構を備えた5本の時計の製作に着手しました。その中でも特に、ナチュラル脱進機と組み合わせたトゥールビヨンが際立っています。これらの作品は、当時のブレゲが顧客に提供できた最高峰のクロノメトリーを体現するものでした。今年250周年を迎えたブレゲ・マニュファクチュールは、マグネティック・ピボットを用いたテンプと10Hzの高振動脱進機を装備した「クラシック 7225」を発表し、その伝統を継承します。
高精度の探求に新たな息吹
現在では時計に不可欠な機械装置は、製造過程から完成までの過程はもとより、注油や品質管理など多くの点が完全に確立されています。装置の能力やシステムの信頼性は、パワーリザーブが数日間まで伸びたのと同じくらいの高レベルに達しました。したがって「クラシック 7225」は、アブラアン-ルイ・ブレゲによって灯された明かりを再び取り上げ、「高振動」の面から精度の頂点を極めることにしました。
ブレゲ・マニュファクチュールは、2000年代後半からこの問題に取り組んできました。2010年11月7日にマグネティック・ピボットは特許登録されました。その原理は、最もブレゲらしい精神、とりわけ大胆な発想にあります。そのアイデアは、これまで大敵とされてきた磁気をムーブメントの中心で自在に操るということに他なりません。
マグネティック・ピボットを機能させる方法
ムーブメントを司る機構の規則正しい動きを乱す恐れがあるために最近まで避けられていた磁気は、ここではその有用性が限定的に用いられています。目的は、2個の磁石の間で生じる磁場によってピボット(テンプのテン真)の安定を維持し、同時にテン真を重力の影響から開放することです。
テン真の上側と下側は、それぞれ微小な磁石に向き合い、それらが一緒になってテン真の内部に強い磁束を作り出します。磁束に微妙な不均衡が生じると、自発的にテン真の両端を常に反対側の軸で接触するように支えます。衝撃を受けた場合、復帰のための磁力が作用してテン真が自動的に中心に戻ります。
一般的なテンプのテン真は軸石の中で回転します。時計の縦位置の4姿勢(リュウズ位置での縦左と右、下と上)において、テン真が軸石の窪みの内側に軸の側面をこすりながら回転するため、テン真の重量によって摩擦力が増大します。しかし、水平2姿勢(水平上と水平下)でも同様に摩擦力は生じ、それが増大します。ところが、マグネティック・ピボットの場合、摩擦力はごくわずかです。というのも、テン真の両端は、軸の側面に対して常に最小限の面が軸石に向いて回転し、それがほとんど6姿勢において変わらないからです。そのため、6姿勢での平均歩度の改善をもたらすのです。
2世紀以上に及ぶ時計の研究開発において初となるこの成果は、あらゆる人から絶賛を浴びました。ブレゲは、テンプの両端にそれぞれ微小な磁石を取り入れたテン真を用いることで劇的に安定したシステムを考案しました。テン真は中心を維持し、自身で位置の修正さえ行います。ブレゲは最初にこれを10Hzの振動数を持つ「クラシック クロノメトリー 7727」に取り入れました。この「クラシック クロノメトリー 7727」は、現在「クラシック」コレクションの代表作に数えられています。
ブレゲ 「クラシック 7225」、現代に受け継がれる遺産
250周年を記念してブレゲ・マニュファクチュールは、1809年の懐中時計「No.1176」をベースにしたかつてないデザインを用い、高振動脱進機とともにマグネティック・ピボットに新たな解釈を加えました。新たに生まれたこの時計には、多くの点で他にはない独自の特徴があります。

ブレゲ No.1176
脱進機の可動部では、ブレゲはフェナキストスコープ式のシネマスコープによるアニメーションを考案しました。10Hzの振動で動く回転部は、1秒に20コマの画像を表示し、これによって「1775」と「2025」の2つの文字滑らかに交互に表示されます。これはひとつの画像から次の画像へと滑らかに連続して変容する「モーフィング」の仕組みを用いたもので、ブレゲでは初の試みです。
「クラシック 7225」のデザインに関しては、「No.1176」に用いられた複雑機構とデザインコードを再現しています。すなわち、センター軸の時針と分針、6時位置に配された扇型のパワーリザーブ表示(かつては35時間、現在は60時間)、2時位置と10時位置にそれぞれ設けられた2つのスモールセコンドです。
スモールセコンドが2つ存在することには説明を要します。2つは実際に精密な時間計測のために協力するのです。1809年の「No.1176」にすでに見られたこのデザインは、アブラアン-ルイ・ブレゲがまさに発明したものです。2つを区別するのは、時間計測の仕組みです。ただし「クラシック 7225」が「No.1176」と異なるのは、「フライバック」が取り入れられている点です。これによって、計測中に瞬時にゼロリセットが可能になります。

日差±1秒を保証する正確さ
過剰な複雑さを避け、使いやすく、実際に正しい時間を素早く正確かつ直感的に読み取れるという方法論は、まさにアブラアン-ルイ・ブレゲの最も純粋な考え方の中に存在しています。このことは1809年のコンスタント・フォース機構を搭載するトゥールビヨンが高精度の精密な時間計測を実現したことでも証明されました。
2025年、高振動とマグネティック・ピボットを活かした「クラシック 7225」の場合も同じです。ブレゲ・マニュファクチュールは、このモデルに日差±1秒を保証します。懐中時計にとってのトゥールビヨンのように、腕時計にはマグネティック・ピボットが精度の要を演じます。
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ブレゲシール ~Poinçon Bregue~
ブレゲの卓越性を語るしるし
ブレゲ250周年は、特に装飾や技術、倫理性の面でメゾンが実践する卓越した行動を際立たせる機会にもなっています。これらは現在ブレゲの精密時計に刻まれるシール(極印)に体現されています。この認証印は、部品の品質、性能、倫理性という3つの柱から成り立っています。ブレゲ・シールは、完成した時計の頭頂やバックルに刻まれます。

美しく調和したデザイン
ブレゲ・シールは、あらゆる時計が上質に製造されていることを保証します。ここで問題にするのは仕上げについてですが、仕上げに用いられた方法やデザイン全体との一貫性にも及びます。仕上げは、極印に携わる委員会が監修する厳格な内部仕様書に基づいて実践されます。これにはメゾン・ブレゲで働く工芸職人の仕事に光を当てたいという意向があります。職人はメゾン特有の仕上げを手作業のみで行っているからです。この委員会はまた、ブレゲ・シールを発展させるミッションを担っています。したがって、これが刻印されたそれぞれの時計は、ブレゲの時計技術を最も素晴らしい形で提供するために考案され、開発され、製造されたことを保証するのです。
卓越した技術
ブレゲ・シールは次に性能のレベルも保証します。製造の各工程で完了、組み立て、品質管理が行われ、個別番号によって識別されたそれぞれの時計に関して、最終検査の際にそれを保証します。時計の性能とは、すべてに一貫して精度、耐磁性、モデル固有の防水性です。これとは別に、グランソヌリやミニッツリピーター、アラームなどでは音響も厳格な仕様の対象となります。
精密時計はそれぞれの種類に応じて日差のレベルが分類されます。「科学用ウォッチ」は日差±1秒、「民間用とスポーツウォッチ」は日差±2秒、「ドレスとジュエリーウォッチ」は日差-2秒から+6秒という具合です。
さらにブレゲは、より厳格な基準に基づいて部品の耐磁性を調べることで最終検査の要件を強化しています。基準値は、NIHS 90-10規格の曝露値の最低10倍と定められ、残留偏差は規格の定める値の最低3分の1以下となるよう設定されています。性能検査には、各モデル固有の防水性についても同様に課せられます。
投資の中心にある倫理性
最後にブレゲ・シールは、精密時計を構成する部品全体がオートオルロジュリーに関する最も高い基準に従い、スイスで入念に加工されたことを証明します。こうしてブレゲは、伝統的な時計のノウハウの向上に加え、その維持や価値の強調に努めるキープレーヤーの一員に加わるのです。
倫理的観点は、現行モデルおよび歴史的なモデルに対応するソリューションを開発できる専門スタッフを常時確保していることにも表れています。ブレゲは、自社の時計の生涯にわたる修理可能性を保証することを約束しています。時計精度の詳細なデータ、資材調達や製造データは、マニュファクチュールの非物質的な遺産の一部を成すだけでなく、ブレゲが個々の精密時計に施した入念な作業をさらに補完する保証にもなっています。
ブレゲ・シールはまた、活動全体の環境的側面をはじめ、社会的側面や経済的側面を考慮しています。マニュファクチュールのパートナーやサプライチェーンも、すべてがブレゲ・シールの要求水準のもとに運営されています。
クラシック 7235
https://www.youtube.com/watch?v=Jn480XPT6eMブレゲ・スタイルの基本は何に由来するのでしょうか。ブレゲ・マニュファクチュールの250年に及ぶ歴史の中に深く根を下ろす、そうした基礎の起源を決めることは大胆な挑戦になります。とはいえ、これを明確に定義づけする時計があります。1794年に販売された「No.5」です。今回の「クラシック 7235」は、まさにこれを讃える時計です。

ブレゲ No.5
ブレゲという言葉には、名前以上のものがあります。それは、ブレゲという人物と一族や先進的な時計づくりだけでなく、ひと目で分かる特徴をも指しています。とりわけそれを証明しているのが有名な「ブレゲ針」です。針の呼び名は、今やマニュファクチュールの外にまで広まり、そのスタイルはしばしば多くのブランドに模倣されています。さらに、アブラアン-ルイ・ブレゲが実現した時計技術の進歩もまた、デザインコードと同様に現代の時計製造にとって不可欠です。
まずしっかり認識しておかなくてはならないのは、当時のブレゲが発明したスタイルがまったく「クラシック」ではなかったという、歴史的なジョークとも言うべきものだったことです。ブレゲのそれは、当時としては徹底的に常識を覆す新しいスタイルでもありました。というのは、彼が1775年にパリに工房を構えた頃の柱時計や置時計、懐中時計のフェイスはバロック様式の美学を強調した装飾であふれ返っていたからです。ルネサンス様式の影響もまだ残っており、イギリスとフランスでは時計のスタイルが明確に異なっていました。スイスの時計産業も、まだ独自のスタイルを確立しきれていなかった時代です。そうした中でブレゲは、時計製造に広く普及するようになる言語を作り上げます。繊細さ、気品、視認性が明確に取り込まれた、まさにタイムレスな言語です。250年の後もその輝きでオートオルロジュリーを絶えず照らしているという事実がそれを証明しています。彼はネオクラシカルな時計づくりに影響を与え、文字盤上のアシンメトリーな配置を美しく調和させる才能で知られるようになりました。
ブレゲが文字盤に取り入れたのは、全体的に統一感や一貫性を表現しながら技術的な発明をイメージさせるものでした。ブレゲは、美的なデザインと同様に技術面にも多くの力を注いで時計の改良に努めたのです。彼は、文字盤から余計なものを取り除き、表示の区分けを進め、読み取るゾーンを強調しました。それをまた、さまざまなレベルで試みました。ブレゲは、50年以上にも及ぶ驚異的なキャリアを通して、このことを絶えず厳格に実践し続けたのです。
自身のスタイルを活かす絶好のきっかけになったのが、1794年3月14日に販売された「No.5」です。この特別な時計を購入したのは、ブレゲと同時代の人物で、舌鋒鋭い文章で恐れられた著述家フランソワ・ジュルニャック・サン-メアールでした。
「クラシック 7235」は、現在パリのヴァンドーム広場に構えるブレゲ・ミュージアムに所蔵されている「No.5」から想を得ています。ただし厳密な意味での復刻ではありません。「No.5」は懐中時計だからです。したがって腕時計のサイズに合わせなくてはならず、特別にそのためのムーブメントを新たに作る必要がありました。このモデルは、世界限定250本のスペシャルピースです。
新たな自社製ムーブメント
ムーブメントに関しては、ブレゲは「クラシック 7235」のために新しいキャリバーを開発しました。すなわち、シリコン製ひげゼンマイを装備したキャリバー502.3.DRLです。複雑機構に触れる前に着目すべきは、このムーブメントが自動巻という点です。自動巻に言及するのは取るに足りないことと思われるかもしれませんが、はたしてそうでしょうか? 1794年の「No.5」も実は自動巻だったのです。
自動巻は当時革命的な技術でした。アブラアン-ルイ・ブレゲは、現代の自動巻時計の祖先とされる「ペルペチュエル」と呼ぶ時計のまさしく父です。1790年、偉大な時計師ブレゲが実際「これに25年前から取り組んできた」と述べているように、彼はすでに1775年頃に自動巻を考案していたことが分かります。今回の「クラシック 7235」は、自動巻の考案者であるブレゲを讃えます。
キャリバー502.3.DRLの注目すべき特徴はその薄さです。時分表示に加え3つの機構が加えられているのにもかかわらず、直径32.4mmのムーブメントの厚さは4mmを下回る3.95mmです。この薄さを可能にしているのは、オフセンターのローターです。ローターは、各機構を最適に配置したムーブメント内に設けられた空間に収まり、その結果、ケース自体の厚さも10mmを下回る9.9mmに抑えられました。ケースの直径39mmとこの薄さとの完璧なハーモニーは、時計収集家の心を捉えずにはいられません。
頂点に達した仕上げ
ブレゲゴールドが用いられた文字盤には、アブラアン-ルイ・ブレゲゆかりのパリの歴史的な場所から考案された「ケ・ド・ロルロージュ」模様が手作業のギヨシェ彫りで施されています。スモールセコンドやパワーリザーブ表示、文字盤の縁も同じパターンで装飾されていますが、円形に施されているため、各要素を識別しやすくなっています。これらの部分は、サテン仕上げを挟むことによって線状のギヨシェ彫りから区切られており、文字盤に立体感を与えるとともに、各表示をよりはっきり見分けられるようになっています。2時位置に設けられたムーンフェイズの月は、1794年の「No.5」に用いられたのと同じものが再現されています。この月もまたブレゲゴールドで作られています。

この全体構造は平坦な面ではなく、わずかに傾斜のついた特殊な形状をしています。すなわち「No.5」と同様に、「クラシック 7235」では傾斜した形状の文字盤を用います。これによって、ベゼルはさらに細く低く抑えられ、ケースバンドにぴったり収まるサファイアクリスタルとの完璧な接合が得られます。また、ブレゲでは初めて伝統的なフルート装飾に代わって、ケースバンドに手作業のギヨシェ彫りで「ケ・ド・ロルロージュ」模様が施されています。さらには、ブレゲのイニシャル「B」を象ったローターに施された手作業のギヨシェ彫りも、繊細でしなやかなこのモチーフが使われています。
「クラシック 7235」の裏面を覆うサファイアクリスタルからは、全面に手彫りの彫金で装飾されたムーブメントを見渡せます。この装飾によって、偉大な時計師ブレゲが工房を構えたケ・ド・ロルロージュ界隈がテュルゴー地図と呼ばれる地図で描き出されています。
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ブレゲ ブティック銀座 ☎03-6254-7211
ブレゲ ブティック伊勢丹新宿店 ☎03-3352-1111 大代表
ブレゲ ブティック日本橋三越本店 ☎03-6665-0143
ブレゲ ブティック阪急うめだ本店 ☎06-6313-7863
https://www.breguet.com/jp
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