在来線車両向け次世代車両駆動用インバータ装置を試験的に搭載します - PR TIMES|RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

在来線車両向け次世代車両駆動用インバータ装置を試験的に搭載します




○東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)と三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、鉄道車両のさらなる機能・品質向上や、省エネ化によるゼロカーボン・チャレンジ2050の達成に向けた取り組みとして、三菱電機で開発を進めている小型軽量化・省エネ化を目的とした次世代車両駆動用インバータ装置※1(以下、次世代VVVFインバータ装置)を用いた車両駆動システムの開発を進めています。
○その一環として、両社は次世代VVVFインバータ装置を山手線で使用しているE235系電車1編成に2台を2026年2月頃まで試験的に搭載します。
○今回の試験搭載で得られる知見は、次世代車両の設計・開発に活用していきます。

※1車両駆動用インバータ装置:電車のモータを効率よく動かすための装置

1.次世代VVVFインバータ装置の概要と特長
 今回開発している次世代VVVFインバータ装置は機器の小型軽量化を図りつつ、駆動エネルギーの削減(省エネ化)を目的として、長年にわたる技術の蓄積と最新技術を融合して開発を進めています。主な特長は以下の通りです。
※2スイッチングロス:素子動作時に失われる電力



次世代VVVFインバータ装置

〇省エネ化
 現在のE235系VVVFインバータ装置ではSiC(シリコンカーバイド)素子を使用していますが、次世代VVVFインバータ装置ではSiC素子の半導体チップ構造とパッケージ構造を最適化した最新のSiC素子を採用することで、素子単体でのスイッチングロス※2を約60%低減し、省エネ化を実現しています。
※2スイッチングロス:素子動作時に失われる電力

〇小型軽量化
 SiC素子のスイッチングロス低減により素子の発熱を抑えられ、素子を冷却する冷却器を小さくすることができます。また装置を構成する各部品の配置を刷新し、より効率的な構成として高集積化を図ることで装置を小型軽量化することが可能となりました。これにより、従来機器に比べ、約60%の体積低減、約50%の質量低減を実現しています。

〇艤装性の向上
 VVVFインバータ装置の小型軽量化により、装置の取付方法にスライドレール方式を採用することができました。これにより、艤装作業時の負担軽減・安全性向上を実現しています。

2.次世代VVVFインバータ装置による鉄道車両の機能向上の将来像
○車両走行電力量の削減
 鉄道車両の省エネ化やゼロカーボン・チャレンジ2050の達成に向けては、車両重量低減が求められ、車体自体の軽量化に加え、床下に搭載している機器の軽量化も重要な課題です。
 次世代VVVFインバータ装置の開発により、車両全体の重量低減を可能としたほか、SiC素子のスイッチングロス低減により、鉄道車両の省エネ化に寄与します。
○車両艤装のフレキシブル化
 現在のVVVFインバータ装置は大型の機器のため、車両の床下中央部に艤装され、床下に大きな艤装スペースを必要としています。
 本開発により、VVVFインバータ装置の小型化が実現し、艤装スペースの削減だけではなく、搭載場所の制約が緩和され、よりフレキシブルな搭載が可能となります。これにより、車両形式や編成構成に依らず床下艤装の最適化が図られます。



○お客さまサービスの向上、車両品質の向上
 本開発により、もともとVVVFインバータ装置が搭載されていた艤装スペースを有効活用することが可能となり、そのスペースに新たなサービス機器を搭載することで、お客さまサービスを向上させることができます。
 また空いたスペースに車両のモニタリング機能を拡充する装置を搭載することで、車両故障等を予見し、故障防止を図ることができるようになり、更なる車両品質向上や列車の安定輸送が可能となります。

○在来線通勤車両以外への展開
 本開発の小型軽量化技術は、異なる車両駆動システムを使用している車両(交流車両、ハイブリッド車両、蓄電池駆動車)などにも応用が可能です。特にハイブリッド車両などは客室スペースにも機器が搭載されているため、それらの機器を空いた床下スペースに搭載することで、客室スペースの拡大や座席数増加なども実現できます。

3.今後の予定
 2026年2月(予定)まで、山手線E235系電車に搭載し、制御状態及びメンテナンス性の確認等を行います。






企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
page top