米国に本社を置き、JSRライフサイエンスおよび日本に本社を置くJSR株式会社傘下のグローバルCROであるCrown Bioscienceは、9月2日に血液がん研究を加速する最先端の3D骨髄微小環境 (bone marrow niche, BMN)in vitroモデルを発表いたします。本モデルは、細胞間相互作用という物理的環境と、血液がん細胞の増殖に必要な成長因子カクテルの両方を備えており、急性骨髄性白血病(AML)や多発性骨髄腫(MM)などの血液悪性腫瘍の研究のためのダイナミックなプラットフォームを提供します。
3D骨髄微小環境 (bone marrow niche, BMN)in vitroモデルの特徴
・患者由来の腫瘍細胞を播種した生体機能性ハイドロゲル内に、主要な細胞成分である間質細胞と
内皮細胞を組み込み、必要に応じて自己免疫細胞を補充。
・腫瘍の重要な微小環境を正確に捉えることで、ニッチは生理学的に関連性のあるシステムを提供し、
腫瘍の挙動、免疫回避、薬剤耐性に関する知見を提供。
・細胞生存率、アッセイの汎用性、臨床予測性において、従来の懸濁液アッセイを凌駕する性能を
発揮。
3D骨髄微小環境 (bone marrow niche, BMN)in vitroモデルの特徴モデルを用いることによるメリット
・がん細胞への反応精度を向上させるための、より予測性の高いex vivoデータの利用。
・医薬品開発プロセスのより早い段階で、化合物の血液毒性スクリーニングが可能に。
・情報に基づいたin vivo研究のためのトランスレーショナルインサイトがより強化され、
動物実験の削減と医薬品開発の迅速化に貢献。
・細胞接着を介した薬剤耐性モデリングにより、より効果的で標的を絞った治療法の開発が可能に。
・幹細胞、血液悪性腫瘍、骨髄特異的腫瘍研究における新たな可能性を提示。
BMN プラットフォームの導入により、Crown Bioscience の 3D オルガノイドのような細胞培養、薬剤耐性モデル、AML マウスモデルに関する専門知識がシームレスに統合され、in vitro モデルと in vivo モデル間のギャップが埋められます。
開発担当者コメント

Talita Stessuk, PhD (タリータ・ステサック)骨髄ニッチ・プラットフォーム開発チームリーダー/サイエンティスト
このプラットフォームは、患者一次細胞を用いた独自の堅牢なハイスループット薬剤スクリーニングを提供し、悪性腫瘍や毒性の大規模な試験を可能にします。これまで、骨髄研究は、適切なin vitroモデルがないことにより、固形がん研究に遅れをとっていました。
今回のBMN技術の進歩により、研究者は骨髄に到達したがんが治療に抵抗する仕組みを理解できるようになります。これにより、オフターゲットや骨髄関連の副作用が少ない薬剤候補の選択や、薬剤耐性メカニズムの解明が可能になります。
今回の発表は研究者にとって非常に喜ばしい進歩であり、Crown Bioscienceの既存のソリューションに統合されるこのサービスにより、私たちは継続的にイノベーションを促進し、医薬品開発を加速することができます。
第84回日本癌学会学術総会 出展情報
Crown Bioscienceは第84回日本癌学会学術総会に出展し、3D骨髄微小環境に関するオーラルセッション(英語)を行います。
<オーラルセッション概要>
タイトル :3D Bone Marrow Niche: Scalable and Predictive Drug Screening Platform
for Acute Myeloid Leukaemia and Multiple Myeloma
演者 :Talita Stessuk, PhD (タリータ・ステサック)
骨髄ニッチ・プラットフォーム開発チームリーダー/サイエンティスト
セッションタイトル:I-E15 Evaluation & Prediction of Pharmacological Effects
セッション日時 :9月26日(金)午後3時20分~4時35分(うち8分間)
場所 :第8会場(ホテル日航金沢3F孔雀の間C)
公開抄録番号 :E-2054
3D BMNの詳細については、プラットフォームページをご覧ください。
会社概要
■株式会社Crown Bioscience Japanについて
Crown BioscienceはJSRライフサイエンスの一員であり、オンコロジー、がん免疫、免疫媒介炎症性疾患 (IMID) 分野における、前臨床とトランスレーショナル研究の世界的なCRO企業です。Crown BioscienceはHUBの技術により樹立された腫瘍オルガノイドを用いたサービスや、世界最大の商業向けPDXコレクションを有しています。
Crown Bioscienceは、より良い薬剤候補を患者に届け、患者が適切なタイミングで適切な治療を受けられることを支援します。Crown Bioscienceは2006年に創業され、米国、欧州、アジアにおいて11カ所の事業所を有します。
詳細な情報は www.crownbio.jpをご覧ください。
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