公共部門を対象に2025年8月より提供開始
・本AIソリューションの導入で、手作業と比較しておよそ70%の移行工程を削減見込み
・ソリューション開発にはIBMのAIエージェント製品である「watsonx Orchestrate」やAIコーディング支援製品の「watsonx Code Assistant」を活用
2025年8月6日
株式会社PKUTECH
株式会社PKUTECH(以下、PKUTECH)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM社)のビジネスのためのAIであるwatsonxを活用し、国内の基幹系システムに数多く存在するCOBOL資産の可視化と、マイグレーションの精度の向上により、汎用的なプログラミング言語であるJavaへの自動変換を実現するソリューション「Egeria-NextCode(エゲリア-ネクストコード、以下、本AIソリューション)」を開発しました。
本AIソリューションは、PKUTECHが長年蓄積してきたマイグレーション技術およびAI博士集団によるAI開発技術と 、日本IBM社のAIエージェントや先進的なAIコーディング支援技術を組み合わせて、開発したものです。PKUTECHが販売元として、特にメインフレーム上で大規模なCOBOL資産を運用している金融、製造業などの国内企業や公共部門を対象に、提供を開始いたします。
■背景
現在、日本国内には膨大なCOBOLによる業務システムが稼働しており、多くは数十年にわたり改修を繰り返しながら運用されてきています。こうしたCOBOL資産は、日本特有の記法や言語によるオープン環境への変換の複雑さ、ドキュメントの不整備による資産全体の把握の難しさに加え、COBOLを利用できる技術者不足などの課題も抱えており、企業のデジタル変革(DX)の大きな障壁となっています。
そうしたなか、昨今の生成AIの登場が、こうした課題解決を後押ししています。生成AIの活用を通じてお客様は、業務システムの要件・特性に従って、最適なプログラミング言語を選択することができるようになりました。これにより、大量のシステム処理効率に秀でたCOBOL、パフォーマンスと拡張性に優れたJava、開発効率とエコシステムで成長するPythonなど、それぞれの技術特性を最大化するニーズが高まっています。また、業務システム機能の再配置にあたっては、COBOL資産の可視化と、既存プログラムをより高度化したCOBOLやJava、Pythonといったプログラム言語への変換・移行にAIを活用することも可能になりました。
■ソリューション概要と導入メリット
PKUTECHは従来より、COBOLをはじめとする既存資産のマイグレーション事業に取り組んでおり、独自に開発した資産分析・可視化ツールや変換ツールを通じて、多様な移行ニーズに対応してきました。現在は、AI博士集団が開発を手掛ける自社AIソリューション「Egeriaシリーズ」の提供を行っています。一方、日本IBM社は、ビジネスのためのAIである「watsonx」シリーズの提供を通じ、IT変革やビジネス変革を含む全社的なデジタル変革を支援しています。今回、両社は相互の得意領域を活かし、マイグレーション分野での新たなソリューションの共同開発を行いました。
ソリューションの開発に際し、両社は3ステップでの検証を行いました。
1.まず資産の棚卸や棚卸一覧の作成・変換対象や方針の策定を分析する資産分析の効率化を目的にIBMのAIエージェント製品である「watsonx Orchestrate」を用いた検証を行い、2.次にPKUTECHのコード変換ツールとIBMのコーディング支援製品である「watsonx Code Assistant」を組み合わせた変換検証を実施し、3.そして最後に単体や複合、総合領域にわたるテスト工程の検証を行いました。

<Egeria-NextCode概要>
本AIソリューションは、大きく2つの特徴を有します。1つ目は、「watsonx Orchestrate」を導入し、ドキュメント作成などに適用することで、マイグレーション業務の資産分析・可視化にかかる時間や移行工数を削減することができ、生産性を大きく向上させる点です。続いて2つ目は、PKUTECHの変換ツールとAIのチューニング技術にIBMのコーディング支援製品である「watsonx Code Assistant」を組み合わせた点です。両社の技術の融合によって変換率は97.4%に上昇し、変換精度が向上しました。加えて、可読性の品質も向上したことで、その後の改修や機能追加が容易になったことも確認できました。
このように本AIソリューションはCOBOL資産の可視化から最新のJavaへの移行までを一貫してカバーできるため、本AIソリューションを導入する企業や機関は、従来の生成AIでは難しかった独自COBOLの正確かつ高精度な変換と、ドキュメント作成やコード変換の大幅な効率化を図ることができます。また、手作業と比較し、マイグレーション業務にかかる移行工数をおよそ70%削減できる見込みです。結果、保守不能となっていた老朽化システムを、柔軟かつ継続的に活用可能な新しい資産へと再構築することが可能となります。

<導入メリット>
■今後の展開
今後PKUTECHは日本IBM社の技術支援を受けながら、要件定義やテスト自動化など、開発プロセスのあらゆるフェーズでのAIエージェント活用を目指して、システム開発領域に特化したエージェント型AIソリューションの開発も検討していく予定です。
PKUTECHは、金融、公共、製造業のお客様を中心に本AIソリューションの導入支援、移行コンサルティング、保守サポート体制を整備し、メインフレームのモダナイゼーションを支援してまいります。また、本AIソリューションを通じて、より柔軟で継続的に利用可能なシステム環境の実現を目指し、ユーザー様のDXに貢献してまいります。
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社PKUTECH(総合窓口)
電話 03-3526-7778
受付時間: 9:00~12:00および13:00~18:00(土・日・祝日・当社指定の休業日を除く)
担当:原田
メール:faq_gai@pkutech.co.jp
お問い合わせフォーム
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