兵庫県内の水道事業体と連携し、AIを活用した水道管の劣化状態分析を実施。「老朽化」だけでない漏水発生要因と漏水の可能性が高い水道管を確認 - PR TIMES|RBB TODAY
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兵庫県内の水道事業体と連携し、AIを活用した水道管の劣化状態分析を実施。「老朽化」だけでない漏水発生要因と漏水の可能性が高い水道管を確認


漏水発生リスクを敷設年度に応じて色分けした管路図(左)とAIを活用した水道管の劣化状態分析結果で色分けした管路図(右)

株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)は、兵庫県内の水道事業体と連携して、「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」を活用して水道管の劣化状態をAIで分析する実証実験を2025年1~3月に実施しました。具体的には、複数の水道事業体が持つ水道管の管種や敷設年度などの諸元データや漏水履歴をはじめとした各種データをもとに、「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」を用いて水道管の劣化要因と漏水発生の可能性をAIで分析しました。
その結果、水道管の劣化要因が敷設年度だけでなく、管種、管路延長、水圧、地盤などとの複合要因であることを確認するとともに、さまざまな要因に基づいた漏水発生リスクのある水道管を抽出しました。
これにより水道事業体は、限られた人員・予算の中で、漏水発生リスクの高い水道管から優先順位をつけて水道管の更新を計画できるため、より効果的、効率的な水道管の更新が可能となり、さらなる水の安定供給を実現できます。
この結果をもとに、日立システムズは今後、「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」による水道管更新作業をはじめとした水道事業体の業務の高度化、効率化に貢献します。


■背景
水道管は年間2万件以上の漏水・破損事故が発生。
水道事業の「人手不足」「予算不足」問題を解消する、メンテナンス作業の効率化が急務
日本の水道管は高度経済成長期に整備されたものが多く、老朽化が進んでいます。近年、報道でも水道管の破損等の事故が多く見られるように、年間2万件以上の漏水・破損事故が発生しており*1、事故発生の未然防止や早期復旧対応を通じて、水の安定供給が求められています。しかし、水道事業体は水道局員・事業者の人手不足や給水人口の減少に伴う料金収入の減少による経営状態の悪化といった経営上の課題を抱えており、水道設備のメンテナンス作業における効率化や精度向上が急務となっています。限られた人員や予算を有効に活用するためには、事前にデータに基づいた精緻な調査を実施し、漏水発生リスクが高い水道管から対策していく必要があるといえます。
*1 出典:国土交通省「水道事業における適切な資産管理(アセットマネジメント)の推進について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/chiiki_keizai/kogyoyo_suido/pdf/016_06_00.pdf


■内容
「老朽化」だけではないさまざまな劣化要因を確認するとともに、漏水発生の可能性が高い水道管を特定。水道管更新の優先順位付けに寄与
 今回、日立システムズは、インフラ施設や設備に関する維持管理データをAIで分析し、施設や設備の劣化要因と損傷状況などを予測する「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」を用いて、兵庫県内の水道事業体と連携して水道管の劣化要因と漏水発生リスクがある水道管を抽出しました。
具体的には、管種や敷設年度などの諸元データ、漏水履歴などの水道事業体所有データ、表層地盤などのオープンデータといったさまざま種類のデータを対象に、AIによる統計分析手法を活用し分析しました。
このAIによる統計分析手法は、株式会社日立製作所が開発したデータ分析技術を基にしており、東京大学大学院情報学環「情報技術によるインフラ高度化」社会連携講座にて評価されたものです。異常状態を示すデータが少ない場合でも、データ同士の相関性などを見出すことで、損傷予測や影響度予測が可能です。


一般に水道管の劣化は経年が主な要因と考えられていますが、実証の結果、以下を確認しました。
・耐用年数を超えている敷設年度の古い水道管でも、漏水発生リスクが低いものが存在する
・敷設から30年未満の比較的新しい水道管においても、漏水発生リスクがあるものが存在する
・敷設年度だけでなく、管種や管路延長、水圧、地盤などが総合的に水道管の劣化に影響している


今回連携した水道事業体では、住民への影響を考慮しながら優先順位を付けて水道管を更新することで安定した水の供給をめざすことを方針としており、今回の実証実験は、その方針に則った対応の一助になる結果となりました。

■解決する社会課題
より効果的な水道管の更新計画に貢献し、安定した水の供給に寄与
「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」を人手不足や予算不足に悩む水道事業体に展開することで、限られた人員や予算の中でも、より効果的な水道管更新計画を立案できるようになり、さらなる水の安定供給に寄与します。


■今後の展望
「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」の研究開発を進め、水インフラ維持管理業務の高度化、効率化に貢献
今後も日立システムズは、水圧や流量などのデータを活用した水道管の劣化診断の精度向上や、下水道管を対象にした劣化診断に取り組むなど、「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」を活用した水道インフラ維持管理に関する研究開発を進めます。そして、上下水道の水道管更新作業をはじめとする維持管理業務の高度化、効率化に貢献します。


■「CYDEEN 劣化要因分析支援サービス」について
https://www.hitachi-systems.com/ind/cydeen/item/degrading_factors/


■「CYDEEN 水インフラ監視サービス」について
https://www.hitachi-systems.com/ind/cydeen/item/water_sensor/

■イベント出展について
2025年10月8日(水)~9日(木)に幕張メッセで開催される「地方自治情報化推進フェア2025」において、本サービスの展示とともに、ベンダープレゼンテーションで事例をご紹介します。

■CYDEENについて
社会・公共ソリューション「CYDEEN」は、公共事業の計画・設計、入札・契約、工事施工、維持管理といったライフサイクルをトータルにサポートするソリューションとして誕生しました。以来25年以上の間改良を続け、最新の技術を集結して、多くのお客さま業務のシステム化を支援しています。現在は、公共・民間の垣根を越え、蓄積されたノウハウや最新技術を活用したサービスの提供を開始しています。今後もさまざまなフィールド作業における喫緊の課題にお応えすべく、現場のデジタル化による品質・業務効率の向上をサポートします。
詳細はhttps://www.hitachi-systems.com/ind/cydeen/ をご覧ください。

■日立システムズについて
日立システムズは、強みであるさまざまな業種の課題解決で培ってきたお客さまの業務知識やノウハウを持つ人材が、日立グループ各社やビジネスパートナーと連携し、One HitachiでLumada事業を中心に展開することにより、お客さまのデジタル変革を徹底的にサポート。日立グループのサステナビリティ戦略の下、環境・社会・企業統治を考慮した経営を推進することで、国連が定める持続可能な開発目標SDGsの課題解決に向けた価値を創出し、企業理念に掲げる「真に豊かな社会の実現に貢献」してまいります。
詳細は https://www.hitachi-systems.com/ をご覧ください。


お問い合わせ先
株式会社日立システムズ
お問い合わせWebフォーム
https://www.hitachi-systems.com/form/contactus.html

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