
2025年11月18日
一般社団法人日本能率協会
【開催報告】 日本能率協会「アートが切り拓く経営の未来」 in 京都
〜115名の経営層が参加、アート思考を深める。今後の取り組みも発表〜
一般社団法人日本能率協会(東京都港区芝公園、会長:中村正己、以下:JMA)は、2025年11月14日(金)、ホテルグランヴィア京都にてシンポジウム「アートが切り拓く経営の未来」を開催しました。当シンポジウムは、今年3月に東京で開催した第1弾に続くものです。今回は、前回の参加規模を上回る115名を超える経営層が来場し、アート思考の重要性について議論が交わされました。
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▲シンポジウム会場の様子
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▲松井孝治 京都市長の挨拶
ビジネスモデルや商品のサイクルが高速化し、変化が激しい現代社会では、直感や感性、独創性に紐づく“アート思考”の重要性が高まっています。経営には「サイエンス(分析)」「クラフト(技術)」「アート(直感)」の3つの要素が不可欠であり、組織の持続的な成長のためには個々の創造性を発揮する力が求められます。アートは、その創造的思考を促し、新たな価値を生み出す重要な戦略資源です。
シンポジウムの冒頭の来賓挨拶では、西脇隆俊京都府知事と松井孝治京都市長より、京都で本シンポジウムが開催される意義が述べられました。京都では10〜11月にかけて86を超えるアートイベントが集中開催され、世界のギャラリーも集うなど、国内有数のアート発信地となっており、アートと経営の融合を議論するにふさわしい舞台であるというご挨拶がありました。
パネルディスカッションでは、京都市立芸術大学の小山田徹学長や株式会社堀場製作所の堀場厚会長、各地の芸術大学の学長などを迎え、「経営におけるアート実装の必要性」、「アートを導入した都市空間の新潮流」について様々な意見、視点が示されました。
■シンポジウム概要
◆パネルディスカッション
「経営におけるアート実装の必要性」、「アートを導入した都市空間の新潮流」
パネリスト(敬称略)
京都市立芸術大学 学長 小山田 徹
愛知県立芸術大学 学長 白河 宗利
金沢美術工芸大学 学長 山村 慎哉
武蔵野美術大学 理事長 長澤 忠徳
株式会社堀場製作所 代表取締役会長兼グループCEO 堀場 厚
株式会社観光企画設計社 代表取締役社長 鈴木 裕
モデレーター
ソフトバンク株式会社 特別顧問 / Kアート株式会社 代表 宮内 謙
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▲パネルディスカッションの様子
<主な議論ポイント>
【アートが生む「問い」と「余白」がイノベーションの原点】(小山田氏)
「芸術は“未来の当たり前”を提示する営みであり、分からなさや違和感の中にこそ創造の種がある」と述べ、アートが社会に新しい視点を投げかける力を強調。
【リーダーが感性を磨く“アート思考”の重要性】(白河氏)
データ分析(サイエンス)や職人的技(クラフト)だけに頼るのではなく、直感を磨くことで組織の創造力が高まり、イノベーションが生まれると指摘した。
【アートは“場の呼吸を整えるインフラ”】(山村氏)
企業空間・都市空間にアートを取り入れることで、人の動きや関係性が変わり、組織文化が豊かになると説明。
【固定化した思考のルールを超える教育】(長澤氏)
美大が“造形言語”を唯一教える場であり、右脳的感性の育成が未来のリーダーに不可欠であると述べた。
【経営そのものもアートである】(堀場氏)
社是でもある「仕事は“おもしろおかしく”やらなければ創造性は生まれない」と語り、経営の中にアート的視点を取り入れる必要性を示し、企業文化を育むための活動を紹介。業務改善には「遊び心が必要」と語った。
【都市が持つ文化価値とアートの共鳴】(鈴木氏)
設計を手がけたホテルの実例から、地域の物語性を生かした空間デザインが、人の体験価値を高め「ウェルビーイング」の効果などを紹介した。
◆事例紹介
①「東急ステイ 日本橋 Artful Moments による効果」
②「一般社団法人日本能率協会 Meets Creativityによる効果」
Kアート株式会社 Director 土屋 純、渡辺 明日香
アートを取り入れた事例として、東急ステイ日本橋では、地域の物語性や素材を生かしたアート設計が、国内外の多様なゲストの体験価値向上につながった点を紹介。
また、JMA研修室へのアート導入によって“場の体験価値”が向上し、来訪者の集中度や滞在満足度が高まったことなどが紹介されました。
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▲(左) 渡辺 明日香 (右)土屋 純
◆特別講演:「アートで経営を変えるー感性と戦略をつなぐ挑戦」
Ph.D. of Creative Thinking for Social Innovation 朝山 絵美
登壇した朝山氏は、変化の激しい時代においては過去の経験に基づく“従来型の直感”ではなく、五感で観察し、身体性を伴って世界を捉え直すことで直感をアップデートする必要性を説きました。アート鑑賞における視点の違いや、身体を使ったプロトタイピングが新たな発想につながる具体例が紹介され、参加者からも大きな関心が寄せられました。
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▲朝山 絵美
・ 来年開催予定の新たなプログラムについて
特別講演の中で朝山氏より、JMAと共同で今後企画している「アートによる創造的リーダーシッププログラム」(2026年夏開講予定)が紹介されました。
本講座では、“自分という商品をブランディングする”をテーマに、アート作品の鑑賞と対話、素材を扱う造形ワーク、身体性を伴うフィールドワーク、思考のアンラーン(手放し)、感性を磨く非言語的トレーニングなどを通じて、経営者・管理職が“自らの感覚で判断する力”を養います。
■日本能率協会 富浦渉(事業推進本部 本部長)のコメント
我々が今回のシンポジウム「アートが切り拓く経営の未来」を企画した背景には、急速に変化するビジネス環境と、その中での企業経営の在り方にあります。
「アートが切り拓く経営の未来」とは、一人ひとりが持つ独自の視点や創造力を最大限に活用し、多様性とイノベーションが調和する未来です。アート思考を取り入れることで、企業の経営者や社員が既成概念に捉われず、自分自身の感覚や美意識に基づいて新しい価値を創造できるようになります。
このような未来では、ビジネス環境の変化に柔軟に対応し、持続的に成長する企業文化が根付いていくはずです。
アートの力を通じて、人間的な感情や感性を大切にする企業風土が醸成され、働く人々がより豊かで意義あるキャリアを築くことができると信じています。
■開催概要
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■協会概要
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