
― ARとNFTを融合した新技術「ARNFT」で信頼関係の可視化と人材育成を支援 ―
株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 グローバルCEO:五十嵐 博、以下「当社」)のR&D組織「電通イノベーションイニシアティブ※1」(以下「DII」)は、一般社団法人 大阪外食産業協会(本社:大阪市浪速区、代表:中井 貫二、以下「ORA」)および共同研究先各社※2と連携し、AR(Augmented Reality:拡張現実)とNFT( Non-Fungible Token:非代替性トークン)を融合した新技術「ARNFT」を活用した外食産業向けの人材ネットワーク構築に向けた実証実験を2025年6月より開始します。
外食産業では、長年にわたり人材の確保と定着に課題を抱えています。特に、企業への就職を控えた若年層や外国人留学生に対して業界の魅力を伝えることが難しく、労働現場での交流や働く意義を見出しづらいことが、離職や採用難に直結している状況です。
そこで本実証実験では、ORAが主催するインターンシッププログラムに参加する学生に対し、NFCを活用して「アメちゃんNFT」を配布します。
<遷移イメージ:スマートフォンのNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)機能で簡便にNFT取得,Web3ウォレットからウォレットアプリへの格納もスムーズに>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202505199073-O2-CYR7647F】
参加学生は大阪市内の協力飲食店舗やイベント関連施設での活動を通じ、先輩従業員や上司との交流、メンターからの助言、街中での活動記録をきっかけに、NFTが変化し、関係性の深化が視覚化される仕組みです。
初期のデザインは固形の「アメ」として提供され、交流が進むごとに溶けた「アメ」の形状へと変化します。これは、温かみのある人間関係の進展を象徴するもので、師弟のような関係性を情緒的に表現しています。参加学生とメンター双方がNFTの変化を体験することで、モチベーションやエンゲージメントの向上を目指します。
<遷移イメージ:2者のスマホを用いて双方のNFT形状をダイナミックに変化させる「ARNFT」技術>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202505199073-O3-TpDp9ZsJ】
この仕組みはDIIが、AR開発者の川田十夢氏ならびにシビラ株式会社らと「AR Identity※3」プロジェクトにて技術開発を進めてきたNFT技術方式「ARNFT」および個人の特性に応じてアイデンティティ表現を自己主権のもとで管理可能とするエージェント最適化技術「Crypt Cubism※4」を適用したものになります。なお、ミドルウェアにはDIIが非地位財※5経済圏の実現可能性を検証すべくパナソニックホールディングス(以下、パナソニックHD)と共同で研究開発を進めるトレーサビリティ基盤※6を採用します。
インターンシップにおける交流の証明となる本NFTは、学生の就職活動時の証明や企業の新たな人材評価指標としての活用も想定されており、外食産業の持続的発展に寄与する仕組みとして今後さらなる拡張が可能です。企業側は、優れた育成を行ったメンターの可視化を通じて、社内育成文化の醸成などの波及効果も得られます。本取り組みには今後の事業展開に向けたローンチ・パートナーとして外食ブランドを多数展開する株式会社エターナルホスピタリティグループ、また留学生の就職活動を支援する一般社団法人Transcend-Learningが協力予定です。
DIIでは、一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)のID・トレーサビリティ部会にて共同研究を進める株式会社電通、株式会社TORATらと本実証実験を通して発行される交流の記録NFTを用いて、外食産業に従事する人々がグローバル規模でロイヤルティを享受できる全球型のコミュニティ運営の可能性についても今回の実証を通じて検証していきます。さらに当社と共同研究各社は、当検証結果を基に、実空間と連動した師弟間の交流の歴史を新たな与信の判定材料と捉え、ブロックチェーン※7上での展開時の手続きの標準化に取り組み、加盟する一般社団法人JCBIにて将来のUGCユースケースとして提案することや、一般社団法人ブロックチェーン推進協会のID・トレーサビリティ部会などで、検証結果を公開予定です※8。
※1:DIIは、電通グループ全体のR&Dを推進する当社内組織です。また、株式会社電通、株式会社電通総研、株式会社セプテーニ・インキュベートの3社との共同で、Web3領域における新しいビジネスの研究および実践を行うグループ横断組織「web3 club™(ウェブスリークラブ)」を組成しています。「web3 club™」発足の詳細は以下リリースをご覧ください。
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000804.html
※2:パナソニックホールディングス株式会社、シビラ株式会社、株式会社TORAT、株式会社ODKソリューションズ。
※3,※4:ARNFTはこれまでDIIがAR開発者の川田十夢氏らと技術開発した「AR Identity」ならびに同技術を自己主権の情報環境に適用するための技術実装の考え方「Crypt Cubism(クリプトキュビズム)」に基づき近年のスマートフォンで一般化したウォレットアプリ等と連動させることで新たなユーザ体験を可能にする技術を発展させたものです。AR IdentityとCrypt Cubismについては以下のニュースリリースをご覧ください。
・実空間でのNFT利活用動線に関する研究「AR Identity」を開始
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000845.html
・Web3.0研究成果を仏国際ビエンナーレ「Bains numériques」にて発表
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001217.html
※5,※6:「非地位財」とは、健康や環境による幸せに加えて、愛情ややりがい、自由など、お金では買うことができない財を指します。2024年5月30日に公表したパナソニックHDとの基盤開発プロジェクトについての詳細は以下のニュースリリースよりご覧ください。
・Web3.0技術を活用し社会貢献行動を促進するトレーサビリティ基盤開発プロジェクト
URL:https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001207.html
※7:ブロックチェーン技術とは、世界中に点在するノード(通信ネットワーク上に存在する端末や交換機)に同一の記録を同期させる分散型ネットワーク技術のことです。プログラムや情報の破壊、改ざんが困難なネットワークを構築し、データや権利情報を複数の事業体で共有し、共同で管理することに適しています。
※8:当実証実験では、コンテンツを配置する生徒の秘密鍵情報に基づくアドレスにNFTを含むトークンが帰属することを都度検証・承認するトークン認証プロセスを必須とし、それによりトランザクション実行時の厳格な権限管理と管理間接コストの最小化を実現します。同プロセスにはシビラ社のトークン認証技術(特許第7412725号)およびメタトランザクション技術(特許第6915934号)を採用します。
以上
【本R&D活動に関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ 電通イノベーションイニシアティブ 鈴木
URL: https://innovation.dentsu.com/
Email: innovation-initiative@dentsu.co.jp
【リリースに関する問い合わせ先】
株式会社電通グループ グループコーポレートコミュニケーションオフィス 小嶋、島津
Email:group-cc@dentsu-group.com