同市場は2026年から2032年にかけて年平均18.9%で拡大し、2032年には13.4億米ドルに達する見通しである。
需要の中心はアジア太平洋に大きく偏在しており、中国がその中核市場を形成している。
競争面では上位5社で約60.0%を占め、一定の集中度を持つ上位主導型の市場構造がみられる。
カメラモジュール接着剤は、紫外線硬化に伴う収縮を最小限に抑えることが必要な工程で用いられる絶縁性接着剤である。これらの接着剤は、高い位置精度が要求される接着、および耐熱性の低い部材の接合に使用される。
市場規模と今後5年予測:高精度化需要が成長を牽引
この市場は、電子機器全体の出荷鈍化の影響を受けつつも、カメラ性能の高度化に支えられて拡大が続く分野と位置づけられる。LP Informationの最新レポートによると、2025年の市場規模は3.7787億米ドル、2032年には13.4041億米ドルに達し、CAGRは18.93%となる見通しである。数量ベースでも2025年の3,505.9MTから2032年には12,335.8MTへ拡大する見込みで、金額成長だけでなく実需拡大も伴う。
この成長を支えるのは、カメラモジュールの小型化・高精度化に伴う接着工程の重要性の上昇である。とくにUV硬化型は2025年に売上ベースで62.76%を占めており、短時間硬化、低収縮、高位置精度という要件に合致しやすい。スマートフォン、車載カメラ、各種電子機器で光学部品の精度要求が高まるほど、接着剤には単なる固定材以上の役割が求められる。
一方で、この市場は下流電子機器の景気循環の影響を受けやすい。近年は携帯電話やPCなどの出荷減速が電子材料全体の伸びを抑えてきたが、用途の広がりと品質要求の上昇が、カメラモジュール接着剤には相対的に強い需要を残している。したがって、この18.9%前後の成長率は一過性の急増というより、精密実装需要の構造的な積み上がりを反映したものとみるべきである。
図. カメラモジュール接着剤世界総市場規模


図. 世界のカメラモジュール接着剤市場におけるトップ15企業のランキングと市場シェア(2025年の調査データに基づく;最新のデータは、当社の最新調査データに基づいている)
主要企業ランキングと市場シェア:上位5社主導の高集中市場
競争構造は、グローバル大手と専門材料メーカーが主導する高集中型である。主要メーカーにはDELO、Henkel、Dymax、H.B. Fuller、Tex Year Industries、AVENTK、Sekisui、NAMICS、Addison Clear Wave、Ajinomoto Fine-Technoなどが含まれ、2025年時点で上位5社が売上ベースで約60.0%を占めている。市場は分散型ではなく、上位企業群が相当部分を構成する形で推移している。
地域分布を見ると、供給側の有力企業は米国、欧州、中国に広く配置される一方、需要はアジア太平洋に極端に集中している。2025年の同地域シェアは97.43%に達し、その中でも中国がアジア太平洋需要の66.59%を占める。需要地への近接、量産対応力、光学精度への適合性をどこまで両立できるかが、競争優位を左右しやすい。
このため、現時点の競争は単純な価格競争ではない。上位企業が材料設計、UV硬化制御、量産工程適合、顧客ごとの仕様対応で先行し、中堅以下は特定用途や顧客密着型で差別化する構図になりやすい。極端な寡占ではないが、参入後に存在感を高めるには技術対応力が前提となる市場である。
主要企業の動向
足元では、主要企業の動きにも、競争の焦点が汎用的な電子接着に加え、高精度な光学実装への対応へ広がっていることが表れている。DELOは2026年1月、スマートフォン向けカメラの第一レンズ接合向けソリューションを公表し、大型センサー、多眼化、複雑化する光学系に対して高精度・高安定の接着を訴求した。製品提案の中心が、単なる接着強度だけでなく、画像品質に直結する位置決め精度や熱変化時の安定性へ広がっている点が注目される。
Sekisui Chemicalは2025年8月のElectronics Field Briefingで、高粘度インクジェット材料について、2025年下期にモバイル機器の機構部品、カメラモジュール、半導体パッケージ向け採用を見込み、2026年度以降の拡大を示した。カメラモジュール接着剤そのものの発表ではないが、量産工程では接着剤の性能に加え、塗布・形成プロセスの自由度、工程短縮、材料使用量削減も競争軸になりつつある。
Addison Clear Waveは2024年5月、JPCA 2024への出展告知の中で、オプトエレクトロニクス用途向けの低アウトガスエポキシ接着剤をアクティブアライメント用途で紹介するとした。あわせてNNT 2024では、高屈折率LuxNIL樹脂やPFASフリー作業スタンプ樹脂を取り上げる方針を示している。光学実装では、低アウトガス性、精密位置合わせ、硬化後の安定性、周辺光学材料との適合性が、差別化テーマとして重要性を増している。
今後の展望
今後の成長方向を考えるうえでは、アジア太平洋、とりわけ中国の重要性が引き続き高い。生産・実装の集積が需要を支える一方、用途別にはスマートフォン向けだけでなく、車載カメラや高機能光学モジュールの比重が相対的に高まりやすい。電子機器全体の出荷変動はリスクだが、製品品質への要求上昇が接着剤の高機能化需要を下支えする。
競争方向としては、単にUV硬化型の比率が高いというだけでは足りず、低収縮、低アウトガス、位置精度、工程短縮、実装自動化との整合がより重要になる。市場は今後も上位企業中心の構造を維持しやすいが、用途別・顧客別の仕様差が大きいため、競争は一段と集中するというより、技術特化による分化も並行して進む可能性が高い。
日本企業への示唆
日本企業にとって、この市場情報はカメラ関連材料への参入判断だけでなく、精密実装や車載光学分野を含む新規事業評価の材料として有用である。とくに、どの用途で高機能接着剤の需要が強いのかを見極めることは、市場参入や製品開発テーマの優先順位付けに直結する。また、協業先や調達先の選定では、上位5社の集中構造を踏まえつつ、量産対応力、光学精度対応、工程提案力を比較することが供給網判断に資する。さらに、競合の技術訴求が高精度化・自動化・低アウトガスへ寄っている点は、投資評価や社内稟議資料を作成する際の重要な外部比較軸となる。
【 カメラモジュール接着剤 報告書の章の要約:全14章】
第1章では、カメラモジュール接着剤レポートの範囲を紹介するために、製品の定義、統計年、調査目的と方法、調査プロセスとデータソース、経済指標、政策要因の影響を含まれています
第2章では、カメラモジュール接着剤の世界市場規模を詳細に調査し、製品の分類と用途の規模、販売量、収益、価格、市場シェア、その他の主要指標を含まれています
第3章では、カメラモジュール接着剤の世界市場における主要な競争動向に焦点を当て、主要企業の売上高、収益、市場シェア、価格戦略、製品タイプと地域分布、産業の集中度、新規参入、M&A、生産能力拡大などを紹介します
第4章では、カメラモジュール接着剤の世界市場規模を、主要地域における数量、収益、成長率の観点から分析します
第5章では、アメリカ地域におけるカメラモジュール接着剤業界規模と各用途分野について、販売量と収益に関する詳細情報を探します
第6章では、アジア太平洋地域におけるカメラモジュール接着剤市場規模と各種用途を、販売量と収益を中心に分析します
第7章では、ヨーロッパ地域におけるカメラモジュール接着剤の産業規模と特定の用途について、販売量と収益について詳しく分析します
第8章では、中東・アフリカ地域におけるカメラモジュール接着剤産業の規模と様々な用途、販売量と収益について詳しく考察します
第9章では、カメラモジュール接着剤の業界動向、ドライバー、課題、リスクを分析します
第10章では、カメラモジュール接着剤に使用される原材料、サプライヤー、生産コスト、製造プロセス、関連サプライチェーンを調査します
第11章では、カメラモジュール接着剤産業の販売チャネル、流通業者、川下顧客を研究します
第12章では、カメラモジュール接着剤の世界市場規模を地域と製品タイプ別の売上高、収益、その他の関連指標で予測します
第13章では、カメラモジュール接着剤市場の主要メーカーについて、基本情報、製品仕様と用途、販売量、収益、価格設定、粗利益率、主力事業、最近の動向などの詳細情報を紹介します
第14章では、調査結果と結論
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