かつて“スナック菓子”と見なされていたグミが、いまやサプリメント市場の主役のひとつとして脚光を浴びている。それが機能性グミである。機能性グミとは、単なる嗜好品ではなく、健康・美容・睡眠・免疫サポートなどの機能を持つ有効成分を配合したグミ状製品を指す。チュアブル錠やカプセルに代わる「おいしく、楽しく、続けられる健康習慣」として、若年層から高齢者まで幅広い層に受け入れられている。ビタミンやミネラルを含む栄養補助系はもちろんのこと、コラーゲン・メラトニン・プロバイオティクス・CBDなど、訴求成分の多様化が進み、「食べるサプリメント」の位置づけを確立しつつある。医薬品と食品の中間領域を攻めるこのプロダクトは、まさにヘルスケア×フードテックの融合点にあると言える。
世界の市場はその可能性にいち早く反応している。LP Informationの最新レポート「グローバル機能性グミ市場の成長2025-2031」(https://www.lpinformation.jp/reports/220297/functional-gummies)によると、グローバル機能性グミ市場は2025年から2031年にかけて年平均成長率(CAGR)8.2%で拡大し、2031年には2690百万米ドルに達する見込みである。特に、健康志向の高まりと利便性重視の消費スタイルが合流する北米や欧州ではすでに生活インフラの一部となりつつあり、新興国市場も含めて急速な需要拡大が期待されている。
図. 機能性グミ世界総市場規模


図. 世界の機能性グミ市場におけるトップ27企業のランキングと市場シェア(2024年の調査データに基づく;最新のデータは、当社の最新調査データに基づいている)
本産業の最大の特徴は、「製品の形状こそグミであっても、中身は高度に差別化された機能性素材の競争である」という点にある。市場の成長を牽引するのは、SCN BestCoやChurch & Dwight(CHD)、Sirio、Amapharmなど、機能性食品やヘルスケア領域において長年の研究開発力と製造技術を蓄積した企業群である。2024年時点で、これらトップ10企業は世界売上の約58.0%を占めており、競争は激化の一途をたどっている。特にSirioやTopGumなどOEM・ODMに強みを持つ企業は、ブランドオーナーとの連携による短納期・多品種対応で成長機会を捉えている。
機能性グミ産業は、単なる健康食品カテゴリに留まらず、「形」「味」「色」「食感」「パッケージ」といった感覚的価値とエビデンスベースの機能性を同時に設計する必要がある、極めて難易度の高いカテゴリである。ゆえに今後は、従来の製薬業界や食品メーカーだけでなく、D2Cブランド、パーソナライズド栄養、AI配合設計といった異業種からの参入も予測される。つまり、これは単なるプロダクトビジネスではなく、ライフスタイルの設計産業へと進化しつつある。
消費者は「薬を飲む」代わりに「グミを食べる」ことで、健康を選択する時代に突入している。その変化の本質を見誤らず、いかに価値を構築するか--機能性グミ産業は、今まさにその分岐点に立っている。
レポート概要
タイプ別セグメント:
Gelatin Gummies
Vegan Gummies
用途別セグメント:
Vitamin Gummies
DHA and Omega-3 Gummies
Probiotics Gummies
Plant Extract Gummies
Other Gummies
会社概要
LP Informationは、専門的な市場調査レポートの出版社です。高品質の市場調査レポートを提供することで、意思決定者が十分な情報を得た上で意思決定を行い、戦略的な行動を取ることを支援し、新製品市場の開拓という研究成果を達成することに注力しています。何百もの技術を網羅する膨大なレポートデータベースにより、産業市場調査、産業チェーン分析、市場規模分析、業界動向調査、政策分析、技術調査など、さまざまな調査業務のご依頼に対応可能です。
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