「いなくなって初めて、その存在の大きさに気づく」
今の女子バレーボール韓国代表を見ると、自然とこの言葉が浮かぶ。
“女帝”と称されたキム・ヨンギョンが代表を退いて、それなりの時間が経ったが、その穴はいまだに大きい。今回のアジア大会でも、それは変わらなかった。
韓国女子代表を率いるチャ・サンヒョン監督は、今大会を前に「アジア大会でメダルの色を一度味わってみることが、選手たちと今の私たちの願いだ」と、メダル獲得を目標に掲げていた。
出だしは順調だった。韓国はグループリーグで香港、カタール、ベトナムを相次いで破り、準決勝に進出。目標としていたメダルまで、あと一歩というところまで迫った。
しかし、“本当の勝負”が始まると、厳しい現実に直面した。準決勝で対戦した日本にセットスコア0-3で完敗した。日本戦としては7試合連続の0-3敗戦。1セットすら奪えない流れが、今回も繰り返された。

3位決定戦でも反撃の糸口をつかめず、タイに再び0-3で敗戦。準決勝と3位決定戦の計6セットで1セットも奪えないまま、大会を終えた。
2023年杭州大会の5位に続いて今回は4位。2大会連続でメダルを逃す結果となった。
今もなお輝く女帝の存在感
こうした結果を見るたびに、キム・ヨンギョンの名前が自然と思い浮かぶ。
彼女が代表の中心を担っていた時代、韓国女子バレーは世界トップクラスのチームを相手に堂々と渡り合っていた。2012年ロンドン五輪でベスト4入りし、2016年リオ五輪ではベスト8に進出。2020年東京五輪では再びベスト4入りを果たした。
アジア大会でもコンスタントに表彰台に上がった。2010年広州大会で銀メダルを獲得すると、2014年仁川大会では金メダル、2018年ジャカルタ・パレンバン大会でも銅メダルを手にした。キム・ヨンギョンの存在感が、それほどまでに大きかったということだ。
しかし、今はもはや「キム・ヨンギョンがいたらどうだっただろうか」という“たられば”を繰り返している場合ではない。キム・ヨンギョンはすでに現役生活にも幕を下ろしている。

深刻な状況に陥っている韓国女子バレーが向き合うべきなのは、キム・ヨンギョンの不在を嘆くことではなく、なぜ今もなお、その穴がこれほど大きく感じられるのかを振り返ることだ。
もしかすると、キム・ヨンギョンという突出した選手に長く依存してきた代償なのかもしれない。勝負どころではエースとしての役割を果たしたほか、コート内外で代表チームの中心を担っていた。
キム・ヨンギョンという唯一無二の存在がいた間、その後の“ポスト・キム・ヨンギョン時代”に向けて、どれだけ入念に準備してきたのか。今こそ振り返る必要がある。
次世代の育成が課題
ただ、「第2のキム・ヨンギョン」を探すことだけが答えではない。キム・ヨンギョンのような選手が再び現れるのを待つのではなく、1人のスーパースターがいなくても国際舞台で戦える選手層とシステムを作ることが先決だ。
10月31日には、国内リーグの新シーズンが開幕する。国内ではそれなりに人気のあるプロスポーツだが、代表チームが国際舞台で突きつけられた現実はあまりにも重い。
リーグでの競争力を代表チームにつなげ、有望選手が国際舞台で通用する選手へと成長できる育成システムを整えなければならない。選手の発掘、育成、出場機会の確保、国際競争力の強化まで、根本から見直す必要がある転換期を迎えている。
確かに、キム・ヨンギョンは韓国女子バレーに数多くの栄光をもたらした。しかし、いつまで、その名前を頼り続けるのだろうか。
アジア大会2大会連続のメダルなしという結果は、単なる失敗以上の問いを突きつけている。今、韓国女子バレーが見つけなければならないのは、1人の「第2のキム・ヨンギョン」ではなく、キム・ヨンギョンがいなくても国際舞台で戦える方法だ。それこそが、今の韓国女子バレーが向き合うべき最も重要な課題だ。
(記事提供=OSEN)



