彼らにできるのは「羨むこと」だけなのだろうか。
北中米ワールドカップで日韓サッカーの明暗がハッキリ分かれてしまった。
今大会、韓国代表は「比較的組み合わせに恵まれた」と評価されながらも、グループステージを突破できないという“黒歴史”に囚われた。
一方、日本はオランダやスウェーデンなどと同組になりながら、無敗で決勝トーナメントに進出した。ブラジルに阻まれてベスト16進出には失敗したが、どこまでも組み合わせの運に恵まれなかったに過ぎない。
結果的には悔しい敗退となったが、森保一監督が率いた日本は現代サッカーに合致したコンパクトな攻守の間隔と優れた組織力を発揮し、世界レベルに到達していることを証明した。
韓国が見た日本代表レジェンドの“献身”
大会期間中、韓国のサッカー関係者が最も口にした言葉の一つが「日本が羨ましい」だった。
日本は最終登録メンバー26人のうち23人が欧州組だった。強固なインフラのもと、Jリーグを経て欧州へと渡る実力派選手が尽きることなく登場する。今回は三笘薫(ブライトン)や遠藤航(リバプール)、南野拓実(モナコ)ら数人の主力が負傷離脱したものの、選ばれた選手たちは揺るぎないパフォーマンスを維持した。
日本代表をさらに強くした要素はレジェンドの献身だ。
国際Aマッチ通算127試合出場を誇る元キャプテンのDF吉田麻也(ロサンゼルス・ギャラクシー)はトレーニングパートナーとして代表に帯同し、チームをサポートした。試合に出場するわけではないが、森保監督の要請で後輩たちに経験とノウハウを伝授した。

『共同通信』の記者は「吉田の存在が選手たちにとって大きな力になっているようだ。なにぶん経験が豊富なので、アドバイスできることも多いのだろう」と明かした。吉田のほか、南野もメンターとしてチームに同行した。
コーチ陣も華やかだ。“幻想フリーキッカー”として韓国でも名を馳せた中村俊輔や、ドイツ・ブンデスリーガのアジア人最多出場記録を持つ長谷部誠らが、コーチとして森保監督を支えた。二人とも、現在の代表選手たちが成長する過程で憧れた先輩だ。
「アベンジャーズ」と表現できるほどのコーチ陣を揃えているのだから、チームがより強固になるのは当然である。
「指導者不足」に悩む韓国サッカー界
では、日本の元欧州組スターが裏方に徹してチームに献身する間、韓国のレジェンドは何をしていたのだろうか。
選手として欧州や代表で活躍し、現役を引退した韓国のサッカー関係者の大半は、実況解説やテレビ番組、ユーチューブなどを通じて「言葉」で今の韓国代表を評価した。彼らも一様に「日本が羨ましい」と嘆くだけだった。
ここ数年、韓国サッカー界は「指導者不足」に頭を悩ませている。シーズンが終わり、次のシーズンに向けた準備を進める中で最も多く耳にする言葉の一つが「誰かいいコーチはいないか」という質問だ。
特に30代後半から40代初め・半ばの指導者が不足しており、監督があちこちで探し回るケースが多い。
今回のワールドカップで「口」を使って大衆に影響を与え、世論を形成したサッカー関係者が、まさにこの年齢層に該当する。
指導者という職種に限った話ではない。昨年、韓国サッカー協会のチョン・モンギュ会長が再選を果たす過程で浮き彫りになった最大の課題は「人材の欠乏」だった。国内で多くの批判を集めたチョン会長に票が集中したのも、対立候補が民意を得られなかったからだ。チョン会長自身の競争力は低い。だが、「消去法での優位」に立った印象が強い。
同時期に行われた大韓体育会会長の選挙で40代半ばのユ・スンミン会長が当選し、新風を吹き込んだように、サッカー界にも新鮮な人物が登場することが期待された。だが、思うようにはいかなかった。チョン会長の辞任表明で次の会長選挙が予定されている今も、その期待は有効なままだ。
日本サッカー協会の現会長である宮本恒靖氏は49歳。日本代表のキャプテンを務め、国際Aマッチ71試合に出場したレジェンドだ。高い知名度を持ち、引退後に監督や協会専務理事としての経験を積んだうえで、日本サッカーのトップに就任した。
宮本会長は元代表選手として日本人で初めてFIFAマスターの過程を修了した人物だ。就任後は革新的で積極的な行政の手腕が好評を博している。
韓国でもパク・チソンがFIFAマスターを経験したが、彼はKFAや全北現代(チョンブク・ヒョンデ)で行政家としての能力を証明することはできなかった。今大会では解説者として、中継席でマイクを握った。
日本のスター選手たちは指導者や行政家として自らサッカー界を牽引し、発展に寄与している。我々が羨むべきなのは、単に日本のシステムやインフラだけではない。むしろ、サッカー関係者たちの健全で利他的な姿勢や、さまざまな分野で発揮される能力こそが、真に憧れるべき対象だ。
韓国サッカーはなぜ日本に追いつけないのか。そのことについて、“レジェンド”と呼ばれたサッカー関係者たちが深い洞察を持って真剣に向き合わなければ、両国の格差がさらに広がるのは確実である。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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■“吉田麻也や中村俊輔”がいない韓国、日本を羨む先人たちの「不都合な現実」



