中国とイギリスがネット上で衝突している。
ショートトラック男子1500m決勝での接触が両国のファン感情を同時に刺激し、ネット上で論争が巻き起こっている。
2月15日(日本時間)、2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のショートトラック男子1500m決勝では、オランダのイェンス・ファントワウトが2分12秒219で金メダル、韓国のファン・デホンが2分12秒304で銀メダル、ラトビアのロベルツ・クルズベルグスが2分12秒376で銅メダルを獲得した。
決勝はスタートから混戦だった。9人が同時に滑る多人数レースの中、韓国のファン・デホンとシン・ドンミンは序盤、無理をせず後方で流れを見守った。一方、ウィリアム・ダンジヌー(カナダ)、孫竜、刘少昂(中国)らは先頭集団を形成し、ペースを引き上げた。
レースの流れが急変したのは中盤以降だった。まずカナダのスティーブン・デュボワが転倒して隊列が乱れ、残り4~5周の場面では孫竜、刘少昂とイギリスのナイル・トレイシーが接触して氷上に倒れ込んだ。この場面が事実上、決勝の分岐点となった。

この混戦の中で好機をつかんだのがファン・デホンだった。後方で機をうかがっていた彼は空いたスペースを突いて一気に抜け出した。逆転こそならなかったものの、銀メダルでレースを終えた。
一方、中国は2人の選手が同時に脱落し、メダルなしという結果に終わった。そのため中国のSNSには「中国チームは本当に運がない。イギリスが一度反則しただけで中国選手2人が同時に倒れた」「イギリス選手、思わず悪態が出る。中国選手2人を同時に妨害したのにイエローカードも出ないのか?1人は負傷までした」「クソイギリス人め」などの反応が相次いだ。
中国では、トレイシーが倒れた際に孫竜と刘少昂を巻き込んだと受け止められているようだ。実際、トレイシーは3位走行中に4位だった刘少昂と接触し、その後方にいた孫竜まで連鎖して転倒。審判団の検証の結果、トレイシーにはペナルティーが科され、最終順位は取り消しとなった。

ただ、この判定にイギリスファンが強く反発。「中国選手ではなく彼(トレイシー)がペナルティーを受けたのは納得できない」「9位で終わる選手ではなかった。中国選手が後ろから倒した」「彼は中国にメダルを盗まれた。そもそも決勝に9人出場させたこと自体が間違いだ」「トレイシーへのペナルティーは理解不能だ」など、判定への不満が噴出した。
同じ接触でも視点は真逆だった。中国は被害を主張し、イギリスは不当な犠牲だと訴えている。
ファン・デホンは混戦を好機に変え、銀メダルを獲得した。結果以上に、衝突後の反応が大きな論争を呼んだ決勝だった。



