韓国サッカー界における“育成の名将”と呼ばれたイ・グァンジョンさんがこの世を去って9年が経った。
イ・グァンジョンさんは2016年9月26日、白血病のためこの世を去った。52歳だった。
1964年4月1日生まれのイ・グァンジョンさんは、現役時代に油公(ユゴン)コッキリ(現・済州SK FC)と水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスに在籍し、1997年限りで引退。2000年より韓国サッカー協会(KFA)のユース専任指導者を務め、ユース年代の指導者としてキャリアを築いた。
韓国の世代別代表では、2003年にU-17代表監督、2004年にU-20代表アシスタントコーチ、2007~2009年にU-17代表監督、2010~2013年にU-20代表監督、2013~2015年にU-23代表監督を歴任。この間、2009年U-17ワールドカップで22年ぶりベスト8、2011年U-20ワールドカップでベスト17、2012年AFC U-19選手権で8年ぶり優勝、2014年仁川(インチョン)アジア大会で28年ぶり金メダルと、数々の国際大会で好成績を記録した。また、各世代別代表を率いて合計10度の“日韓戦”を戦い、一度も敗れたことがないという記録もある。

U-23代表では2016年リオ五輪まで指揮を執るものと見られていたが、リオ五輪予選を控えた2015年2月に「個人的な事情」で突如辞任。その後「急性白血病」の診断を受けていたことが明らかになり、韓国サッカー界に大きな衝撃をもたらした。以降は闘病を続けていたが、2016年9月26日に52歳の若さで天国へ旅立った。
イ・グァンジョンさんは生前、世代別代表でソン・フンミン(ロサンゼルスFC)やチ・ドンウォン(マッカーサーFC)、チャン・ヒョンス(アル・ガラファ)、クォン・チャンフン(全北現代モータース)、キム・ジンス(FCソウル)など、後にA代表の主力を担う選手を数多く指導。“育成の名将”として評価され、A代表の監督候補にも挙げられていた。

ソン・フンミンはイ・グァンジョンさんの訃報が伝えられた際、自身のSNSで「U-17代表時代、僕に貴重な教えとさまざまな良い思い出をプレゼントしてくださり、これまで韓国サッカーのために献身された監督。今までお疲れ様でした。どうか天国ではゆっくり休んでください」と哀悼の意を表していた。
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