韓国人俳優の“中国語セリフ”をめぐり、騒動が起きている。
舞台となっているのは、Netflixでも配信中の時代劇ドラマ『暴君のシェフ』。朝鮮王朝時代にタイムスリップした現代の天才シェフ、ヨン・ジヨン(演ユナ)が、“暴君”と恐れられる王イ・ホン(演イ・チェミン)と出会い、繰り広げられるグルメサバイバル・ロマンスを描いたファンタジー時代劇だ。Netflixのグローバル非英語TV番組部門で2位を記録し、3週連続でトップ10入りを果たしている。

発端は9月6、7日に韓国で放送された回。同回では、明の使臣ウ・ゴン(演キム・ヒョンムク)、料理人タン・ベクリョン(演チョ・ジェユン)、コン・ムンレ(演パク・インス)、ア・ビス(演ムン・スンユ)らが、朝鮮の料理人たちと対決する場面が描かれた。チョ・ジェユンは流暢な中国語を披露し、臨場感を高めたと評価されたが、実際に放送された声は声優による吹き替えだった。

放送後、中華圏の視聴者からは「標準語みたい」「発音が滑らか」と好評が寄せられた。ところが、ある中国人声優が現地SNS・ウェイボー(微博)に「それは私の声だ。私が吹き替えた」と投稿。さらに「ほかの俳優は問題なかったが、この人(チョ・ジェユン)はひどかった」と酷評し、「中国語を知っている韓国のプロデューサーも笑いをこらえられなかったほど」とまで書き込んだ。投稿にはレコーディング現場の写真も添えられており、事実上チョ・ジェユンを揶揄したものと受け止められた。
この発言が韓国で報じられると、ネットユーザーがすかさず反発。「韓国の俳優が外国語に完璧でないのは当たり前」「わざわざSNSでバカにする必要があるのか」「中国ドラマだって声優の吹き替えを使うだろう」など批判が殺到。「最初から中国語設定にせず、韓国語を使わせればよかったのでは」という指摘も出た。

騒動が拡大すると当の声優は投稿を削除したが、台湾メディア『ETtoday』をはじめ主要媒体がすでに報じている。実名こそ不明ながら、業界関係者とみられる人物の発言だけに、波紋は簡単には収まりそうにない。
(記事提供=OSEN)