パスポートだけで手軽に行ける“ビザなし旅行”が、韓国で今、注目を集めている。
夏のバカンスシーズン本番や、過去最長とされる秋夕(チュソク/韓国の旧盆)の大型連休を控え、渡航先として人気を集めているのはどこなのだろうか。
旅行予約サイト「アゴダ」は7月30日、韓国人旅行者による「30日以上の無査証(ビザなし)滞在が可能なアジア・欧州の旅行先」ランキングを発表した。
これによると、アジア圏で1位を獲得したのは日本で、以下、ベトナム、タイ、フィリピン、台湾と続いた。今回の調査は、2024年1月から5月までの期間に、アゴダのプラットフォーム上で韓国人利用者が検索した宿泊施設データを基に集計されたもの。
アゴダ関係者は、日本が1位となった要因について「継続する円安傾向、韓国からの地理的な近さ、航空路線の拡大などが複合的に作用し、日本旅行の需要を押し上げたと見られます」と分析。また、「ベトナム、タイ、フィリピン、台湾といった上位の国々も、手頃な物価と短時間のフライトで行ける気軽さが魅力で、根強い人気を誇っています」とも述べた。
ヨーロッパ版は?
なかでも注目されたのが、中国(前年比202%増)とカザフスタン(同187%増)で、前年に比べ検索数が大幅に増加。これは2023年11月から施行された中国の韓国人向けビザ免除措置に加え、“非日常体験”を求める旅行トレンドの広がりが背景にあると見られている。
一方、ヨーロッパではイタリアが1位にランクイン。スペイン、フランス、スイス、ドイツがそれに続いた。イタリアは歴史的遺産や豊かな文化、美しい自然景観、多彩なグルメ、そしてロマンチックな街並みといった多様な魅力を持ち、常に高い人気を誇っている。とりわけ、映画『ローマの休日』のロケ地を巡ることができる点が、韓国人旅行者の関心を集める要因のひとつとなっているという。

アゴダ・コリアのイ・ジュンファン代表は、「ビザなしで訪問できる旅行先は、アクセスの良さと利便性から今後も人気の傾向が続くと予想されます。従来から人気のある日本、ベトナム、ヨーロッパ各国に加えて、中国や中央アジアが新たな“無査証トレンドエリア”として注目を集めつつあります」と語り、「アゴダは今後も、より多くの旅行者が世界各地を気軽に楽しめるよう、宿泊・航空・アクティビティなど多様な商品をリーズナブルな価格で提供してまいります」と述べた。