サッカー日本代表がE-1選手権初戦に前半だけで5得点を奪う猛攻を見せ、幸先の良いスタートを切った。特に、A代表デビューながら開始26分でハットトリック含む4ゴールを決めたFWジャーメイン良が“勝利の立役者”として輝いた。
森保一監督率いる日本代表は7月8日、龍仁(ヨンイン)ミルスタジアムで行われたE-1選手権初戦で香港に6-1で勝利した。これで、中国に3-0で勝利した韓国と勝ち点3と並んだ。
第2戦は韓国が11日に香港と、日本が12日に中国と対戦。事実上の決勝戦とも言える“日韓戦”は15日に予定されている。
現在FIFAランキング15位の日本に対し、香港は153位。実力差は明らかで、試合前から「ダビデとゴリアテの戦い」とも称された。
この日、森保監督はチームキャプテンのDF長友佑都をベンチスタートとし、3バックの布陣で臨んだ。最前線はFW宮代大聖、FW垣田裕暉、そしてジャーメイン良の3人が配置され、彼ら含む6選手がA代表デビューを飾った。
守備的に構えた香港に対して日本が得意のパスワークで一方的に押し込んだなか、ジャーメイン良が前半22分でハットトリックを達成した。開始4分、左サイドからのクロスに胸トラップで反応し、左足のハーフボレーで先制ゴールを決めると、6分後には再び左サイドのクロスに頭で合わせて追加点。22分には巧みな連携からボールを押し込み、試合開始からわずか22分で3ゴールを記録した。
ジャーメイン良の活躍は止まらず、前半26分にMF久保藤次郎のクロスから自身4点目。香港との戦力さがあったとはいえ、A代表デビュー戦とは思えない冷静な決定力で強烈なインパクトを残した。

日本はMF稲垣祥のミドルシュートを含め前半だけで計5得点を記録し、勝利をほぼ決定づけた。香港は帰化選手を中心に反撃を狙ったが、前線にボールを展開することにも苦労した。5失点後にはナイジェリア系選手も投入したが、基本的なスピードで日本に及ばなかった。
ただ、後半に入り香港が攻勢を強める。14分にコーナーキックから1点を返すと、33分にはポスト直撃のシュートも放った。対する日本は44分、DF安藤智哉がコーナーキックからヘディングシュートを叩きこむも、チームメイトのファウルで得点が取り消しに。それでもアディショナルタイム、途中出場のFW中村草太がチームの6点目をマークし、大勝に花を添えた。
E-1選手権は国際Aマッチ期間外に開催されるため欧州組の招集が難しい。日本は招集した26人をすべてJリーグ所属選手で構成し、そのうち12人がA代表初招集となった。メンバーだけ見ても、来年に控える北中米W杯本大会に向けた強化、国内選手の発掘を意識した起用方針が明確だった。そして、代表に選ばれた選手たちは香港戦で可能性を示した。
ホン・ミョンボ監督率いる韓国も同様に、A代表初招集が10人含まれている。日韓両国がともに“実験”に注力しながらも、最後は優勝をめぐって熱い競争を繰り広げる見通しだ。