俳優ユ・アインが自由の身となった。
常習的な麻薬投与の疑いを受けていたユ・アインに対し、執行猶予付きの懲役刑が確定し、復帰の可能性が開かれた。
韓国最高裁・第1部(主審:マ・ヨンジュ大法官)は7月3日午前、麻薬類管理法違反、大麻喫煙および教唆などの容疑を受けていたユ・アインに対し、懲役1年、執行猶予2年、罰金200万ウォン(約20万円)を言い渡した原審判決を確定した。
ユ・アインは、2020年9月から2022年3月までプロポフォール、ミダゾラム、ケタミン、レミマゾラムの4種類の医療用麻薬を計181回投与し、さらに2021年5月から2022年8月まで他人名義で44回にわたり睡眠薬を違法処方された容疑で、2023年10月に在宅起訴された。
また、捜査過程で2022年1月にアメリカで大麻を喫煙し、同行していた知人に大麻を渡して喫煙を教唆した疑いも明らかになった。

2023年9月の1審判決では、懲役1年と罰金200万ウォン、80時間の薬物リハビリプログラム履修、追徴金154万ウォン(約15万4000円)が言い渡され、法廷で拘束された。その後、2025年2月の2審では懲役1年、執行猶予2年に減刑され釈放されたが、検察が最高裁に上告し、今回最終判決が下った。
物議をかもすなかでも映画界では、ユ・アインの復帰を歓迎する雰囲気がある。
特に今年3月に公開された、ユ・アインとイ・ビョンホン主演の映画『スンブ:二人の棋士』は、損益分岐点の観客動員数180万人を超え、最終的に214万人を記録。意味ある成果を残した。この作品でユ・アインは第23回ディレクターズカット・アワードの男優賞候補にも名を連ねた。

また、ユ・アイン主演の別作品『ハイファイブ』(原題)も、損益分岐点(290万人)には届かなかったものの、185万人を動員し、今年上半期公開の映画でトップ7入りした。
何よりも『スンブ』と『ハイファイブ』は、いずれもユ・アインの騒動で公開が漂流していた作品であり、今年初めに執行猶予判決を受けてようやく公開された。「ユ・アインリスク」と呼ばれていたこれらの作品が相次いで成果を上げ、彼の騒動も薄まりつつあるように見える。
これについて映画業界関係者は「最高裁の判決が終わったので、誰が先にユ・アインをキャスティングするかが鍵だ」と話した。別の関係者は「オファーが多かった俳優だけに、復帰時期を議論するだろうが、“世論の罪”を克服するのは簡単ではない」と懸念を示した。
先立ってユ・アインは『スンブ』と『ハイファイブ』の公開直前に執行猶予判決を受け、復帰に注目が集まっていた。ただ、彼は騒動を意識し、両作品の広報活動には参加しなかった。
社会に戻ったユ・アインが今後どのような歩みを見せるのか、注目が集まっている。
◇ユ・アイン プロフィール
1986年10月6日生まれ。本名オム・ホンシク、韓国・大邱(テグ)出身。2003年のドラマ『四捨五入』でAraの恋人役を演じ一躍有名に。デビューから1年でファンミーティングが開催されるほど異例の速さで人気を高めるが、芸能活動を一時休止。2006年から活動を再開し、2010年のドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』で強い存在感を発揮。以降、ドラマ『ファッション王』『チャン・オクチョン』『密会』、映画『ワンドゥギ』『ベテラン』『王の運命 -歴史を変えた八日間-』『バーニング 劇場版』などの話題作に出演した。2025年7月、麻薬類管理法違反の容疑などで懲役1年、執行猶予2年が確定した。
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