AI活用で潜在顧客と“客が集う棚”が明らかに!……メガネ小売チェーン「ビジョンメガネ」 | RBB TODAY

AI活用で潜在顧客と“客が集う棚”が明らかに!……メガネ小売チェーン「ビジョンメガネ」

当初把握していたよりも、来店者数が10倍多かった。メガネ小売チェーン「ビジョンメガネ」のアリオ亀有店が、それを知るきっかけになったのが人工知能。この情報を元に、潜在顧客の獲得へと動き出す。

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「ABEJA Platform」を導入しているビジョンメガネアリオ亀有店
  • 「ABEJA Platform」を導入しているビジョンメガネアリオ亀有店
  • 店内における来店者の滞在時間をヒートマップで見える化。陳列スペースを有効活用できる
  • ビジョンメガネ第二営業次長兼東京埼玉ブロック長の臼倉旦人氏
【記事のポイント】
▼感覚的な“顧客像”には、時に大きな間違いがある
▼客層や集客力の高い棚を分析する作業はAIに委ねる
▼AIに関するサービスは多数リリースされているので、適正コストを選べる

■来店者属性をAIによって分析する

 IBM Watsonの日本語版リリースとともに、AIビジネスが活気づいた2016年。そのムーブメントはあらゆる業界に飛び火し、さまざまなソリューションを生み出した。その中には中小企業の経営をサポートするものも多く、導入企業も増えている。メガネ小売チェーンの「ビジョンメガネ」もそのひとつだ。

 同社は日本全国に104件の店舗を展開。そのうちの2割が、ショッピングモールなどに店を構える“インショップ型”だ。店の前にはモールを訪れた客が行き来しており、そのうちの何人が店舗に目を止めてくれるか、商品に興味をもってもらえるかがグループの売上を大きく左右している。

 ショッピングモール「アリオ亀有」内にあるアリオ亀有店では、2015年にインストアアナリティクスサービス「ABEJA Platform Professional Plan」を導入した。その目的は“通行客に足を止めてもらう店舗”を作ることだったと、第二営業次長兼東京埼玉ブロック長の臼倉旦人氏は当時を振り返る。

「来店者数や顧客属性などは、もともとスタッフがアナログな手法で収集していたんです。それを、より確実に数値化したいと考えたのが、サービス導入のきっかけでした」


■実は10倍だったアリオ亀有店の来店者数

 「ABEJA Platform」は店舗に小型カメラを設置し、記録された映像を人工知能によって分析するサービス。店舗前の通行量、来店者数、店内の滞在時間、そして来店者の属性(性別や年齢層)などをリアルタイムで知らせるというものだ。初期費用は0円、月額料金は5000円からと、費用的にも手ごろなアナリティクスサービスと言えるだろう。

「サービスを導入して明らかになったのは、スタッフによる感覚的な数字との間に大きな差があったことです。具体的には来店者数はスタッフがカウントした数の10倍におよび、『これはもっと売れる店になるな』と判断するきっかけになりました」

 さらに、来店者の属性にも齟齬があり、想定よりも若年層が多いことも分かったという。この店では以前からシニア向け商品を多く並べていたが、VMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)担当者と協議し、ディスプレイや品ぞろえを若年層向けへと変更。通行人の中にいる“潜在顧客”を捕まえるために、たとえば店頭には若者向けに目立つ色を配色するなどの取り組みを行っている。

「『ABEJA Platform』では、どの棚の、どの通路で人が滞在するかをヒートマップで知らせてくれます。これによって一番注目を集める棚がわかり、ここを拡充することで売り上げ増につながっています」

 具体的な売り上げについては公開していないとのことだが、臼倉氏によると確実に伸びているという。ビジョンメガネで「ABEJA Platform」を導入している店舗はアリオ亀有店のみ。しかし、今後はほかに約20か所あるインショップ型の店舗でも、同サービスの導入を進めていく考えもあるようだ。

 インショップ型店舗は通行人という潜在顧客の多い場所。スタッフが感覚的にとらえていた顧客像が違えば、購買機会を損失することにつながるだろう。人力では時間もコストもかかる分析も、AIを利用すればごく簡単に行える。スタッフの勘と経験はもちろん重要だが、その盲点をデータ的な視点から埋めてくれるサービスは、店舗経営において大いに参考になりそうだ。

~AIで変わる経営:2~明かされた潜在顧客と“客が集う棚”

《関口賢/HANJO HANJO編集部》

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