■マスマーケティングにも注力、まずは関西から--- 関西の契約数が好調なのは、eo光などからの宣伝効果もあるのか?津田氏:マーケティングは全国で違いはありません。テレビCMは関東と関西が中心でしたが、契約数が爆発的に増えるということはなかった。関西の方はeo光を知っているので、そのスマホという安心感から利用している人が多いようです。--- 関西圏に向けてさらなる仕掛けは?津田氏:今年に入ってから、今まで以上に関西に力を入れていかないといけないと感じている。全国では従来のようにWebやコミュニティなどを通じた展開になります。認知度は一気に上がるものではないので、そこは徐々にという考えです。--- eo光などとのシナジー効果を狙う動きはありますか?津田氏:セット割の話はよく聞かれますが、我々としてはできる限りの値下げをしているので。ゆくゆくは考えるかもしれないが、今は具体的なものはありません。--- 市場調査で楽天モバイルが強いという話があったが、具体的には?津田氏:現在の利用者の次に来る層でインタビューを繰り返すなかで、楽天とイオンという名前からサービスを知る人が圧倒的に多かった。リテラシーが高い層は品質や値段で選ぶが、彼らは自分に何か関係があるかが大事。例えば、自分が楽天カードを使っているから、楽天モバイルなら大丈夫そうという話になる。東京ではmineoと聞くと「あやしいなぁ」とか言われるので(笑)、まずは知ってもらうことが大事。--- マイネ王の話は認知度を上げるというより、既存ユーザーのファンを増やす話になるのでは?津田氏:マイネ王の会員は全体の約1割で、そのうちアクティブ層は5%程度。そこで“楽しい”ということばかりを打ち出していても認知度は上がらないので、マスマーケティングもここ1年、2年は費用をかけてやっていく。価格競争はあまりやりたくないが、品質や安心といった軸は、今までよりもっと強化していきます。ただ、コミュニティの会員には、ユーザーを紹介したいという声も出てきているので、そこにもチャレンジしていきたい。コミュニティベースのマーケティングがうまくいった例は他業種でもあまりないが、成功例はあるので、それを参考にしていく。認知もシェアも少ないので、やれることはやっていこうということです。--- 大阪でオープンしたアンテナショップについて、関東への進出などの展開は?津田氏:アンテナショップは反響が良く、平日でも夕方は行列ができたり、土日は全ブースが埋まることもある。ただ、今後の展開については検討中で、具体的なことは決まっていません。--- 関西では通信と電気の競争が激しいようだが、eo電気を提供することのメリットは?橘氏:家庭内のインフラをすべて我々に任せてもらうこと、それが目指すべき姿です。最終的にお客様は安心感や信頼を求めていると思うので、関西に根差した我々が電力も提供していくことに意味がある。すでにFTTHや光電話、テレビでは競争力のあるサービスを提供できていますが、電気についても同じような魅力あるサービスを提供できると考えています。--- CMキャラクターの件は認知度向上の影響もあったと思うが、御社にとってはプラスとマイナスどちらが大きかったのか?津田氏:ご存じのようにベッキーさんについては、この1月をもって契約を打ち切りました。当然、いろいろと準備してきたものをやり直すことになりましたが、商戦期には間に合うように新たな展開を行っていきたい。一方で、この件でmineoがテレビなどで取り上げられたのは、ありがたいことなのかなと。社内でも何の番組に出たというように、話題に上がっていました。