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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第71回 いよいよPepper販売開始!ソフトバンクのロボット戦略

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Pepperと筆者
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■今後は人工知能とロボットの連携に注目

 さる2月10日に、日本アイ・ビー・エムとソフトバンクテレコムは、米IBMが開発している人工知能「Watson」の日本市場での開発と市場導入で戦略的提携を結んだ。じつは、米国ではIT系企業各社が人工知能の研究開発でしのぎを削っている。最近ではGoogleが人工知能の開発を行うベンチャー企業を5億ドル以上の金額で買収したことが報じられたばかりだ。

 IBM「Watson」は、いわゆるビッグデータを分析し、自然言語で投げかけられた複雑な質問を解釈し、根拠に基づいた回答を提示するクラウドベースの人工知能である。どんな質問をぶつけても的確な回答をしてくれるという。2011年に米国のクイズ番組『Jeopardy!』に回答者として「Watson」を音声で登場させ、クイズ王と対戦させつつ見事に勝利を勝ち取り、一躍話題になった。

 このWatsonがPepper上で、しかも日本語で利用できるようになったらどれほど便利であろう。Pepperに対して、様々な質問を投げかければPepperが最適な回答を音声や映像情報で返してくれるはず。きっとそんな目的でソフトバンクはWatsonの活用に関して戦略的提携を固めたに違いない。日本アイ・ビー・エムとソフトバンクテレコムの共同発表リリースによれば、教育、銀行、保険、小売や医療などの産業界に提供していくことを目論んでいるようだ。Pepperと共に売り込んでいくであろうことが容易に想像できる。

 もちろん、Pepper用アプリケーションは様々な企業や個人が提供可能である。どのようなアプリケーションが登場してくるか楽しみであるが、やはり人工知能系のアプリケーションは増えていくのではないだろうか。Watson以外にも、様々な人工知能がアプリケーションとしてアプリストアに並ぶ可能性がある。

 話しかければ、ユーザーが何を求めているかを察知して最適な回答を返してくれる、ロボットに一番期待されている使われ方はここであろう。そして、その利便性が徐々に認知され、ロボットと共存する人たちが増えていきいずれ一般家庭でもロボットが必要不可欠となる時代が来るのかもしれない。

 自動車電話が1979年に登場した後、社会での認知が広まり、加入者増によって端末価格や利用料金の引き下げられ、さらに安価になった端末価格と利用料金に魅了されより多くの一般の消費者に広く普及するところまで、約15~20年が掛かった。ロボットも、おそらく自動車電話・携帯電話の発展・普及と同じような足取りを辿ると見ている。一般家庭に当たり前にロボットがいる時代はおそらく2035年頃だろうか。Pepperの発売開始は、筆者にとって自動車電話サービススタート時の、あのときの興奮と同じ想いを感じさせてくれるのである。
《木暮祐一》
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