【インタビュー】中小企業戦略を本格展開!NTTからの乗り換え積極的に狙う……ケイ・オプ 藤野社長 | RBB TODAY
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【インタビュー】中小企業戦略を本格展開!NTTからの乗り換え積極的に狙う……ケイ・オプ 藤野社長

ブロードバンド 回線・サービス
【インタビュー】中小企業戦略を本格展開!NTTからの乗り換え積極的に狙う……ケイ・オプ 藤野社長
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●中小・中堅の法人向けに“オフィスeo光”を本格的に展開

 RBB TODAY主催による「ブロードバンドアワード2012」において、キャリア部門(近畿)の「ベストキャリア」をはじめ「トリプルプレイの部」(西日本)、テレビ部門の「ベストテレビサービス」(西日本)「地デジ対策の部」(西日本)において受賞を果たしたケイ・オプティコム。ベストキャリア賞の受賞は今年で6年連続となり、いまや“西の横綱”となった感のある同社の藤野隆雄社長に、今年の重点戦略や今後の展開について話をうかがった。

――まずは事業別に見た貴社の売上げ構成比率について教えてください。

今はコンシューマ向け光回線(FTTH)サービスが約6割、法人向け光回線が約4割です。これまでは、コンシューマー向けサービスを中心に展開してきたが、今後は法人向けサービスにも注力し、売上を伸ばしていきたい。

――では、法人に対する今年の重要戦略について教えてください。

法人に対しては、これまでずっと大規模・中堅企業を中心に回線を提供してきましたが、昨年10月より、中小法人をターゲットに"オフィスeo光"と銘打ったサービスを新たにスタートしました。これは、回線利用料とプロバイダー料金をセットにして、光回線を合計8,400円(2年更新プラン)という低料金でご利用いただけるサービスです。NTT西日本ではプロバイダー料金が別途かかりますので、オフィスeo光のほうが断然お得です(NTT西日本のフレッツ光ネクスト、ファミリースーパーハイスピード隼タイプ、もっともっと割適用、ISPにOCN for businessを利用した場合は合計1万4805円になる)。

これを今年から本格的に展開していきたいですね。中小企業では専門のIT管理者を置けないため、回線だけではなかなか利用していただけませんでした。やはり回線の上にあるシステムやサービスなどをセットにした“パッケージ”として提供する必要があります。そういう意味で品揃えを充実していく方針です。データセンターもカゴヤ・ジャパンと提携しました。中小企業が使いやすいようにパッケージ化されたクラウドサービスなどもソリューションに組み込んで売り込んでいます。

その一方で、大企業向けにも我々のサービスをお使いいただいております。現在、関西の大手企業500社のうち、約4割がケイ・オプティコムの回線になっています。ただし、この数字はキャリアのシェアということではありません。NTTの回線を利用しながら、我々の回線も利用するという“ダブル利用”もかなり含まれています。銀行を代表とする金融系企業では回線を2重化することによって信頼度を確保しています。

――逆に今年の懸念になるような材料は何かありますか?

まだ、それほど影響は現れていませんが、今後スマートフォンの影響がどんどん大きくなってくるのではないかと考えています。加えて、光回線の普及率50%以上がターニングポイントになるでしょうね。いまでも我々は安い料金で回線を提供していますが、「もうADSLだけで十分。光回線は要りません。インターネットも使いません」というお客様も結構います。そういう方々にどうやって光回線をご利用してもらうか、工夫していかないといけません。

――そうなると、NTTとの戦いはまだまだ続くわけですね?

だんだんマーケットも成熟していきますから、残りのシェアを取りに行くのは大変厳しい戦いになるでしょう。いまでも法人関係は中小企業を含めてNTTの独壇場です。そこに切り込んでいくわけですから、乗り換えていただくしか方法はありません。そのための価値を提供していかなければなりません。まだ小さいですが、組織的にも専用の営業部隊をつくっています。すでに価格面ではNTTよりも安い料金で提供していますが、今後も業界のプライスリーダーとしての状況を維持したいと考えています。ただし単なる値段競争を続けていけばよいという意味ではありません。あまり料金を安くしすぎて品質を落すわけにもいきません。そこでサービスと合わせて、トータルでお客様にお得感をアピールしていきたいと思います。

●モバイルと固定回線は共存共栄~eoスマートリンクのサービス強化も

――では、コンシューマー向けの重要戦略についてはいかがでしょうか?

eo光の契約者数は今年度末で140万ほどですが、解約率は他社と比べて低いと考えています。しかし、契約者数全体が増加するにつれて絶対的な解約者数が増えていきますので、これに歯止めをかけなくてはいけないと考えています。

まず回線面では、これまでは100Mbpsを中心に展開してきましたが、昨年10月から1Gbpsサービスを大幅に値下げしました。100Mbpsと比べて300円の割り増しで1Gbpsに乗り換えられるので契約者数が増えてきました。これまで以上に皆さんにサクサクとネットを使ってもらえるように、乗り換えキャンペーンなども実施していきたい。光回線だと実効スピードはほとんど下がりませんので、家庭において複数の端末を同時に使うケースでスピードを享受できるでしょう。

――ユーザーのモバイルシフトについてどのよう考えますか?

ユーザーの目から見ると、モバイルは非常に便利なツールですから、その進歩も普及も誰にも止めることはできないでしょう。ですから「モバイルは使うけれども、光回線も同時に必要」という世界をつくれたらいいと思っています。それで昨年の6月からeoスマートリンクをスタートしたわけです。eoスマートリンクでは、専用タブレット(Xperia Tablet S、K-OPT仕様)によって無線LANと接続し、快適なネットとさまざなサービスをご提供しています。家の外ではフィーチャフォンやスマートフォンを利用し、家庭では高速回線が必要なVODで映像を見たり、電子取引をスムーズにできるようにするわけです。それをPCではなくて、タブレットで実現できるようにしていることがポイントです。今年度は光回線の利活用をもっと強化していこうと考えています。eoスマートリンクでは、家庭の“電力の見える化”や、体重計・血圧計を計測する“健康管理サービス”、地域のスーパーや商店の“電子ちらし”、ネットから品物を注文できる“ネットショッピング”などがすべて可能になりましたが、こちらをもう少しテコ入れしていきたい。

――では、eoスマートリンクの具体的な強化策について教えてください。

電力の見える化については、単に見えるだけでは節電の効果はありません。見えた後にどうするか、機器の制御も視野に入れた展開を考えています。たとえば「テレビを消して」「エアコンの温度を下げて」というように音声で家電を制御できるような機能も付けています。電力が見えた後の操作も含めてタブレット1つで自動制御できるという点が大きな特徴です。ピーク電力の制御もまだ十分に世の中に出ていませんので、充実していかなければならないと思います。

ありきたりですが、いまサービス面で一番注力しているのはEC関連です。スマートリンク上で最も反応が良いのは「阪急キッチンエール」ですね。商域としては京阪神で大都会が主流ですが、それでも我々のECの3分の1以上が阪急キッチンエールの取引で占めています。阪急百貨店で売っている飲食材を注文すると自宅へ翌日に配達してくれる宅配サービスです。当然品質も良いのですが、関西における阪急のブランド力は関東の三越デパートよりも強いため、それを自宅まで届けてくれるという手軽さがウケているのでしょう。

――EC事業に踏み込みたい事業者は多いと思いますが、成功のポイントはありますか?

やはり通信事業者ならではの特徴を盛り込んだ施策を練る必要があります。たとえば、買い物の決済はクレジットカードを使わず、通信料の決済ルートから済ませてしまうというようにする。こういうことは通信事業者のアドバンテージですから当然盛り込んでありますが、それ以外の物流・配達などでも工夫しなければいけません。

大企業は物流・配達を含めてサービスを提供できますが、中小企業では難しい。八百屋さんがネットスーパーで商売を開始しても、なかなか物流・配達までは手が回らない。もし簡単な配送システムがあれば欲しいはずです。そういうことまで用意できたらいいですね。トータルなサービスを用意しないとEC事業は絶対に成功しません。まだ解決すべき課題も多いため、我々もひとつ1つ勉強しながら進めていきたいです(笑)。
《井上猛雄》
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