アニメ「ねらわれた学園」 中村亮介監督と声優・木内秀信さん 演技論で激熱トーク | RBB TODAY
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アニメ「ねらわれた学園」 中村亮介監督と声優・木内秀信さん 演技論で激熱トーク

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左より中村亮介監督と木内秀信さん
  • 左より中村亮介監督と木内秀信さん
  • ©眉村卓・講談社/ねらわれた学園製作委員会
11月10日(土)に劇場版アニメ『ねらわれた学園』が公開された。12月6日(木)にはスタッフ・キャストによる本作の演技論トークショーが都内で開催された。
会場となった新宿ピカデリーには、中村亮介監督と、本作で斉藤先生役を演じた声優の木内秀信さんが登壇。演出する側の監督、演じる側の声優として演技について熱く語り合った。来場者からも質問が飛び交い、会場は大いに盛り上がりを見せていた。

『ねらわれた学園』は眉村卓さんのSFジュブナイル小説をアニメ化した話題作だ。1981年に大林宣彦監督・薬師丸ひろ子さん主演で映画化され大ヒットを記録した。翌1982年には原田知世さん主演のテレビドラマが放送され高視聴率を得た。それ以降も映像化は続き、現在までに計6回実写化されている。
今回が初となるアニメ化に挑んだのは『魍魎の匣』、『青い文学シリーズ』「走れメロス」の中村亮介監督だ。舞台を現代の中学校へ置き換えるなど自ら脚本にも携わり、新しい解釈を加えた劇場版アニメが誕生した。36歳の若さながら、業界の第一線で活躍する新進気鋭のクリエイターである。

木内秀信さんは、数多くの作品で声を演じてきたベテラン声優だ。『魍魎の匣』ではメインキャストの一人を務め、「走れメロス」にも出演した。中村監督が監督助手として参加した『MONSTER』では主人公を演じている。『ねらわれた学園』はオーディションではなく、監督から直接オファーを受けての起用となった。その点からも中村監督が木内さんの演技に信頼を寄せていることが窺える。
トークショーでは中村監督が木内さんをキャスティングした理由やアフレコ演出について語った。一方の木内さんも声優としてアフレコにかける思いなどを話してくれた。
[高橋克則]

『ねらわれた学園』 
大ヒット上映中
http://www.neragaku.com/

[中村亮介監督]

僕の監督作では毎回僕の希望で木内さんをキャスティングさせていただいています。本作でもシナリオを描きながら、斉藤先生に関してはすでにその時点で木内さんをイメージしていました。
ほぼ当て書きですね。木内さんの独特の癒しを持ったお声が大好きで今回もオファーさせていただきました。

僕は自分の中で役のイメージを固めてからアフレコの演出に臨みますが、こちらがイメージしていたものと違う芝居を声優の皆さんが演じられて、それがぴったり自分の描きたい世界と一致したりするという面白いこともあります。ですから声優の皆さんにも絵に合わせるよりは絵からのインスピレーションでアフレコしていただきたいと思っています。
本作での冒頭のシーンは収録にもかなり時間をかけたのですが、その意図はどこかリアルでない、おとぎ話のような感じを出したいと考えたからなんですよね。

(監督のこだわりを聞かれて)色々な意味でタイミングだと思います。間であったりセリフの掛け合いであったり。僕は絵描き出身の演出家ではないので、映画をよくするためには、一番はタイミングだと考えているんです。自分が思い描いたようにセリフや音がはまった時は本当に気持ち良い演出ができるのです。
作品が出来上がっていつも思うのは、いろんなパートの人たちの参加により、自分が当初、思い描いていたものをはるかに超えていくんです。声優さんとのアフレコの時も同じです。その瞬間、とても心地よくなります。」

[木内秀信さん]

中村監督とは監督がマッドハウスにいたときに演出をしていた作品で初めてご一緒しました。監督がそれを覚えていてくださって、後々色々な作品でオファーをいただきました。ありがたいことです。
僕はいつまでも声優なのですが(笑)、作品を作られるみなさんがどんどん出世されて、一度ご一緒した方からオファーいただけるのは、役者としてとても嬉しいです。

本作もオーディションではなく、斉藤先生役を監督からオファーされました。僕にどんな先生役を求めていただけたのか分からなかったので、自分なりの斉藤先生像をイメージしてアフレコに臨んだのですが、現場で覆されました。監督の求める斉藤先生像をそこでイチから再度、作り上げた感じですね。
監督も現場では演出にはこだわられるタイプなので、僕もそれに応えるべく、演じました。今回のアフレコもかなり時間をかけましたね。

(特に好きなシーンを聞かれて)僕は後半、唐突にケンジが京極を海に誘うシーンが好きですね。この作品を象徴するようなシーンだと僕は感じていて、戦いのシーンに行くのかと思ったらまるでデートに誘うかのように海に行こうと言い出す。ここに監督が意図するこの作品の中の登場人物たちの何か気持ちのつながりを表現したいのかなと思いました。

(会場のお客さんの中に複数回見た人がいることを知り)会場には本作を7回観て頂いた方もいらっしゃいましたが、一回目は見終わっても分からないところが多いと思うんです。2回目見ると伏線に気がついたり、色々わかってくるところがあると思います。
噛めば噛むほど心にしみてくる作品だと思うので、まだ1回目という方も、2回目・3回目と足を運んでいただけたらと思います。
《animeanime》
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