【インタビュー】Windows 8が中小企業にもたらすメリットとは?(後編) | RBB TODAY

【インタビュー】Windows 8が中小企業にもたらすメリットとは?(後編)

 ビジネスにおけるWindows 8活用のメリットについて、後半では、その他目に見えない部分での改善点として、パフォーマンス、セキュリティ、デバイス管理などの機能や想定される利用シーンについても触れていきたい。

エンタープライズ マイクロソフト
日本マイクロソフト Windows本部 業務執行役員 本部長 藤本恭史氏
  • 日本マイクロソフト Windows本部 業務執行役員 本部長 藤本恭史氏
  • 医療分野での想定事例。写真はタブレット上で患部などを表示し、スタイラスペンを使って病状を説明するシーン
  • パフォーマンス面でも高速化が図られている
  • Windows 8 Proでは、標準で「BitLocker」という暗号化保護機能を搭載
  • 業務形態に応じて最適なデバイスを選択できる
 ビジネスにおけるWindows 8活用のメリットについて、前半では、目に見える部分のインターフェースや操作性を中心に紹介した。後半では、その他目に見えない部分での改善点として、パフォーマンス、セキュリティ、デバイス管理などの機能や想定される利用シーンについても触れていきたい。引き続き、日本マイクロソフトの藤本恭史氏に話を聞いた。

■業界特化から一般企業まで、幅広いユーザー層にワークスタイルの広がりを示す

 Windows 8の利用シーンとして、どのような事例があるのだろうか? 藤本氏は、新インターフェースを活用した特徴的な例として、医療系のアプリを示して説明した。たとえばCRMのような使い方を想定し、顧客情報や企業情報などをダッシュボード的に表示させるケースだ。Windows 8では、320ピクセル幅の画面スペースに別のアプリを表示できるスナップ機能がある。「大きな画面ではデスクトップモードにして通常業務を行い、分割した320ピクセル幅分でトラッキングしたい企業情報やCRMの顧客リストを表示させます。それらを見ながら情報を取得したり、電話をかけることができます。こうした“ながら仕事”ができるのは、Windowsのマルチタスクの従来からの特徴ですが、新しいインターフェースの中でもそれを作り上げることができました。異なるアプリ同士、たとえばOfficeを使いながら他のアプリを横に並べて、別々の情報を視認することもできます」。

 例えば、カタログを社内サーバから引っ張ってきて顧客に提示したり、日報の作成を行ったりと、営業マンの一般的な業務を全てタッチベースで実現することで、外出時の生産性向上も期待できる。また、タッチでもマウス&キーボードでも、さらにダッシュボードとしても使え、さまざまなデバイスを一つのOSで管理できることもあり、社内全社展開で導入しようというトレンドも出てきているそうだ。逆に、社内環境がWindows 7で整いつつある企業では、プラスα、外出時の営業用途として追加でWindows 8が入っていく流れも考えられるという。Windows 7とWindows 8は同一カーネルを採用しており、親和性が高いため、こうした対応も可能となる。

■パフォーマンス性能の向上

 また、OSが刷新されるたびに注目されるパフォーマンス性能に関してだが、Windows 8では起動のプロセスやカーネルが最適化されており、かなりの高速性を実現している。OSカーネルのメモリ消費量やCPU負荷などを可能な限り抑えるように改善することで、従来と比べて2分の1から3分の1程度までOSの起動時間を短縮しているという。

 藤本氏は「もちろんOSだけでなく、OS上で動くアプリの起動プロセスも速くなります。たとえばOffice 2010のアプリを順にクリックすると、3年程前に出荷されたPCの主流なスペックでも瞬時に起動します。ビジネス面において、OSやアプリを迅速に起動できるため、商談がスムーズに行えるようになるでしょう。パフォーマンス面だけにフォーカスしても、Windows 8にアップグレードする価値はあると思います」と、そのメリットについて強調する。

■セキュリティと生産性を両立し、デバイスの選択肢も拡大

 企業ユースではセキュリティの問題も気になるところ。特にモバイルユースでは安全で強固なセキュリティ機能やクライアント管理機能が重要だ。Windows 8シリーズは、起動時に署名付きOSローダーのみを起動した後、サードパーティのドライバーよりも先にマルウェア対策ソフトを起動する。マルウェアの中にはPC起動時に自動実行するように登録されているものも存在するため、無署名のソフトウェアを検出して起動を禁止できるようにしている。また、ビジネス向けエディションのWindows 8 Proでは、デバイスのローカルディスクやUSBドライブに保存されたデータの情報漏えい防止機能として「BitLocker」という暗号化保護機能を標準で搭載。ディスクの使用領域だけを暗号化でき、処理自体も高速化している。暗号を解除する際には、パスワードやスマートカードを利用し、他のデバイスと安全にデータを共有することが可能となっている。

 一方、クライアント管理・運用面でも導入メリットは大きい。元々Windowsベースのデバイスを導入している企業であれば、従来の管理ツールを利用し、デバイスのインベントリ管理やセキュリティポリシーを一括で適用できる。そのため、従来のデスクトップだけでなく、Ultrabook、タブレット、コンバーチブルタイプなど新たなデバイスを導入する際も、一つのOSでまとめられるので、管理者の負担が軽減される。

 「Active Directoryを利用していれば、面倒なデバイス利用に関するポリシーやセキュリティのアップデートも従来どおりネットワークを介して実施できますし、クライアントの一元管理も簡単に行えます。やはり企業ユーザーにとって、管理面とセキュリティ面は非常に重要な部分になると思います。一般的にセキュリティと管理性は相反するものですが、Windows 8からは、これらを両立できるようになりました。さらに既存システムとの接続性や互換性を内包しながら展開できる点が、Windows 8の強みになるところです」とのこと。

 藤本氏は「Windows 8の多様な選択肢はパートナー企業にとっても大きなビジネスチャンスになるでしょう。また企業ユーザーにとっても新しいワークスタイルの広がりを示せるようになると思います」と、今後の可能性と展開について示した。
《井上猛雄》

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