【インタビュー】企業向けLED最新動向、照明業界に起きるパラダイムシフト……東芝ライテック(前編) | RBB TODAY

【インタビュー】企業向けLED最新動向、照明業界に起きるパラダイムシフト……東芝ライテック(前編)

エンタープライズ 企業

東芝ライテック 商品企画統括部 部長 鹿倉智明氏
  • 東芝ライテック 商品企画統括部 部長 鹿倉智明氏
  • 電球の新旧比較モデル:左から炭素電球、白熱電球、LED電球
  • LED電球の歴史
  • 省エネ法改正のイメージ
 企業における照明のLED化は、省エネ性能向上によるコストダウンや、昨今であれば電力使用制限なども喚起となって市場にひろがりつつある。この動きは、ここ1、2年の間に急速に広まってきたものだ。

■LED照明の出現はこれまでにないパラダイムシフトに

 省エネ法の改正も、照明見直しの一因である。従来の省エネ法では、工場単位で消費電力の削減計画を作成すればよく、基準となる消費電力も事業所ごとに越えた場合のみ、報告義務などが課されていた。2010年の改正では、工場単体ではなく、企業単位での中長期計画や報告が求められるようになった。そのため、複数の工場や事業所を持つ企業は、すべての消費電力を把握し、計画や報告書の作成が必要となる。拠点を広域に展開しているスーパーマーケットやコンビニなどの流通業界などは、その対応のため消費電力の削減や管理の必要性に迫られた顕著な例といえる。

 また、前回大塚商会に話を聞いた際にも出ていたが、やはり昨年の震災を契機としてLED化のニーズは非常に大きくなっており、今はまさに蛍光灯など従来の照明がLEDに移り変わる過渡期に差し掛かっている。

 このような状況の中、国内の照明機器メーカー大手である東芝ライテックに、企業のLED化の現状をどのようにとらえているのかを聞いてみた。今回話を聞いたのは、東芝ライテック 商品企画統括部 部長 鹿倉智明氏だ。

 鹿倉氏は、照明のLED化の流れを、「まず、電気照明の技術は白熱電球から蛍光灯、HIDと進化してきていますが、LED照明の出現は、これまでにないパラダイムシフトになろうとしています。」と説明する。照明業界には、蛍光灯やHIDなど新しい光源が出現しても、未だに白熱電球が市場に残っているという問題があった。電球は極めてプリミティブな原理による発光部品だが、発熱、色、コスト、取り付けの自由度、調光といったさまざまな特性があり、新しい光源が開発されても、既存光源の優位性が完全になくなるには至らなかったからだ。

 しかし、LED照明は、他の光源が越えることができなかった特性の壁をクリアし、明るさ等性能面やコストに関しても進化を続け、さらに、昨今注目されている照明制御とのマッチングも良い、ということで、一気にそのシェアを伸ばし、業界の流れを変えようとしている。

■導入ネックは価格だが、改善が進んでいる

 「政府は、2015年までに流通する電灯を100%LED化し、2020年までには在庫を含めて100%LED化するという目標を掲げています。改正省エネ法の後押しもあり、メーカーとしては、LED照明の開発スピードを上げてこの流れに対応しようとしています。」とはいうものの、蛍光灯のLED化には電設工事を含んだ初期投資が必要である。ランニングコストを抑えることができるとはいっても、効率ではLEDと蛍光灯の差はそこまで大きくない印象がある。トータルコストを回収するには何年か掛かりそうだ。そう簡単にLED化は進むのだろうか。

 「確かに、現状でのLED照明導入の最大のネックは価格といっていいでしょう。白熱電球なら100円で売られているのに、LED電球はようやく1000円を切るかといった状態です。白熱電球と比べればランニングの電気代がかなり節約できるとはいえ、効率のよい蛍光灯との比較では、それほどメリットは出せませんでした。しかし現在は、LED照明の効率も改善されており、40~50%程度の電気代の節約が可能です。弊社の場合であれば2年程度で初期コストは回収できる提案をしています。」

 実際、東芝ライテックでも2年ほど前は売上に占めるLED照明の比率は1桁パーセントだったものが、2011年には一気に25%を超えた。2012年、2013年はさらに増え続けると鹿倉氏は見ている。確かに、LED化による消費電力ダウンはだれも疑う余地のないところである。たとえば大塚商会では、導入にリース契約を適用できるようにするといった取組みを始めているが、電設工事の負担や憂いが軽減できれば中小企業にとっても導入ハードルはさらに下がるだろう。
《中尾真二》

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