【スマートフォン&タブレット2011冬】モバイルデバイス市場の2012年は4つキーワード……KDDI基調講演 | RBB TODAY
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【スマートフォン&タブレット2011冬】モバイルデバイス市場の2012年は4つキーワード……KDDI基調講演

ブロードバンド フォトレポート
KDDI商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員 牧俊夫氏
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 13日開催された「スマートフォン&タブレット2011冬」の基調講演では、KDDIが、今年のスマートフォン戦略の総括と2012年の取り組みについてのプレゼンが行われた。2012年のモバイル市場のキーワードは4つあるという。

■2011年までの総括……「ワクワク感」をユーザーに提供
 登壇したのは、KDDI商品統括本部長 兼 コンバージェンス推進本部長 執行役員 牧俊夫氏である。講演では、まず各種の統計データと予測グラフを示しながら、携帯電話の出荷数ではすでにスマートフォンが主流となっており、2015年には全体の60%がスマートフォンになるという。稼働契約数もこの時点では、全体の50%を超えるだろうと予想し、この1、2年の動きを「ドッグイヤー」ならぬ「マウスイヤー」と称して、その変化の早さを強調した。

 その中でKDDIはスマートフォン戦略に出遅れたことを認めながら、1年前の「IS03」から、WiMAXテザリングをアピールしたHTCの「EVO」、デザインを重視した「INFOBAR」、そして今年の10月には「iPhone 4S」と、巻き返しを進めていると述べる。また、KDDIがスマートフォン化を進める理由として、ARPUの向上を挙げた。実際、2010年から同社のデータARPUは増加傾向にあり、2011年第2四半期の対前年比の伸び率は+6.5%となり、ソフトバンクのデータARPU額に迫る勢いである。

 このような状況において、牧氏は、2011年のKDDIのスマートフォン戦略のコンセプトは、「ワクワク感」を利用者に提供することだと述べる。それには、利用者にもっと音楽、動画、コミュニケーションを楽しんでもらうことが重要だとし、戦略として「3M」(Multi Use、Multi Network、Multi Device)に取り組んできたとした。

■KDDIの3M戦略
 マルチユース(Multi Use)については、2010年のSkype、Jibe、Facebook対応に続いて2011年は、Androidの自社ポータルやアプリマーケットを強化しながら、iPhone 4S販売に関連してクラウドサービスにも力を入れる施策をとった。その具体例として、Eye-Fiの技術をベースとした「au one Photo Ai」(スマートフォンで撮影した写真をWi-FiでPCやクラウドにアップロードするサービス)、「au one Friends note」(SNSと連動したクラウド上の住所録管理サービス)、「LISMO unlimited」(クラウド型音楽サービス)などのサービスを紹介した。

 マルチネットワーク(Multi Network)は、スマートフォンの普及がもたらしたトラフィックの急増に対応するため、ワイヤレスブロードバンド技術、3Gからのオフロード戦略がメインとなる。トラフィックについては、KDDIにおいてスマートフォンの稼働契約数は全体の1割前後であるのに、トラフィックについては全体の60%を消費しているとして、Wi-FiやWiMAXへのオフロードは不可欠との認識を示した。

 専用のWi-Fi接続アプリを用意して混雑時や近くにWi-Fiスポットがあれば自動的にそちらに切り替えるようにしたり、料金的なメリットを導入してオフロード帯域への誘導を考える必要があるとした。

 補完的に、固定回線のFTTH化、CATV化もau oneの統合サービスとして取り込み、時間帯別のオフロードを後押しさせたという。自宅にいる朝や夜は固定回線+家庭内Wi-Fiによってスマートフォンをつないでもらい、通勤時間帯に3GやWiMAXなどを使ってもらうようにするわけだ。

 これらの施策により、例えばiPhoneのつながりやすさでは一定の評価を得ているが、今後は、スマートフォンの稼働契約数が増えてもその品質を維持することがさらに要求されることになるとして、2012年はLTEを含めた、ネットワークインフラの強化を進める予定だ。

 マルチデバイス(Multi Device)は、各種の国産Androidスマートフォンやタブレットの他、Wi-Fiテザリングを特徴とした端末、WiMAXとのデュアル端末、さらにWindows Phone端末など、さまざまなデバイスをラインナップする戦略をとった。さらに、カーナビタイムやソニーリーダーとの協業サービスであるLink auでは、B2B2Cのビジネスへの展開も図っている。

■2012年の取り組み……高負荷に耐えうるインフラ
 KDDIは、これらの施策や取り組みを受け、2012年はどのような戦略を展開していくのか。牧氏は、そのためには、4つの市場の変化に注目する必要があるという。それは、1)トラフィック、2)デバイスのブランド化、3)高まるUX、4)オープンなクラウドサービスだそうだ。

 2015年には、現在の52倍のトラフィック量となると予想され、米国や韓国のキャリアは従量制の料金体系の導入が始まっている。日本でも、ヘビーユーザ対策の施策が一部で始まっているが、2012年は日本市場にマッチした料金体系の必要性を説き、従量制導入を示唆したともとれる発言がでた。

 デバイスのブランド化とは、EU市場がそうであるように、利用者は、ひとつ端末について複数のキャリアを選べる時代がくるとし、キャリアで製品を選ぶのではなく、端末のブランドが製品選びに影響するということだ。SIMがソフトウェア化するとなると、この傾向は将来さらに強まる方向だとも述べる。

 スマートフォンの形状や機能は差異を出しにくい。そのため、端末ごとの満足度は、操作性やユーザーインターフェイス、さらには、いかに感動を与えるUser Experience(UX)を実現できるかが、売れ筋商品のカギを握るとし、UXの高度化が進むだろうとした。同時に、この領域は日本の端末メーカーが良さを出せるフィールでもあると期待されている。タッチパネルの応答速度、処理や通信スピードなど、市場での切磋琢磨が進むという意見だ。

 オープンなクラウドサービスとは、Google、Windows Live、Facebook、iCloudなどOTT(Over the Top)呼ばれるサービスのことであり、2012年はこれらのサービスとの連携機能がキーワードとなるという。

 KDDIでは、この4つのキーワードを意識しながら、これまでの3M戦略を強化する考えだ。マルチユース戦略では、キャリアの存在感をだせるようなオープンサービスの提供や環境の提供として、au one IDによるシングルサインオンとワンストップ請求をさらに拡大していく。

 マルチデバイスでは、メーカーブランドとの共存、協業を拡大する。とくに法人利用やタブレット市場では、Windows 8との親和性からWindows Phoneの躍進もありうるとして、デバイス戦略は、通信モジュールからWi-Fiルータ、タブレット、テレビ、STBなどを含め全方位型といってよい戦略だ。

 タブレットについては、さっそく1月には1m落下に耐え、防水仕様の製品の予定があるそうだ。

 マルチネットワークは、Wi-Fi、WiMAX2などこれまでのオフロード戦略を継続しながら、LTEを2012年12月にはサービスインしたい考えだ。とくにKDDIのLTEは800MHz帯を利用するため、電波特性の有利さをアピールした。

 最後に、スマートフォンのセキュリティ対策も強化するとした。日本においては、安全・安心して使える環境の整備は不可欠とし、ウイルス対策ソフトやフィルタリングだけでなく、リモートロック、リモートワイプ(データ消去)機能にも力を入れると述べた。
《中尾真二》
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