2010年度の反省と今後の課題……NEC遠藤信博代表執行役社長 | RBB TODAY
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2010年度の反省と今後の課題……NEC遠藤信博代表執行役社長

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NEC遠藤信博代表執行役社長
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 10日に決算発表を行ったNEC。遠藤信博 代表取締役執行役員社長は2010年度の連結決算の赤字、そして2011年度の目標を会見で語った後、記者団の囲み取材に応じた。以下は、記者と遠藤社長との主なやりとり。

――ITサービスの海外売上高拡大は非常に重要な課題だが、前期の実績と評価、そして今期の目標は?

まだまだ十分ではないと思う。ここは本当に努力をしなくてはいけない。ただキャリアクラウドという種とかセーフティーソリューションとかは出来上がってきてコンピテンスセンターも置き、それがメッシュで動き出したというところがこの1年間は非常に大きかった。そういうことを見せることによって海外が自分たちでビジネスを作り上げるんだという意識が相当上がってきた。ブラジルで案件が見えてきたし、メキシコへ行った時も類似したキャリアクラウドの可能性が見えてきた。こういうことが積み重なっていけば、(売上は)上がってくる。ただ今までのようにアプリケーション中心、サービス中心で抑え込んでいくと、なかなかビジネスが膨らんでいかない。やはりネットワークを含めたキャリアクラウドなり、クラウド全体の形にもっていく必要があろうかと思う。そういう意味では(戦略を)少し変更しなといけないかもしれない。ネットワークを含めたビジネスの在り方を考えないといけないのではないかと思う。

――リチウムイオンのビジネスについてはどうするのか?

今まで日産と組んで収めている。それは相当なボリュームだ。今年も数百億投資をしていきたい。

――具体的には?

500億まではいかない数字だ。

――今後も拡大の方向でやっていくと?

拡大の方向だ。アプリケーションも自動車だけではなく、色々なところとの提携を考えている。ブラジルでも風力資源による電力をどう蓄積したらいいかという話もリアルに出てきているので、そういう意味でのバッテリーの使い方というのはあると思っている。2軸くらいでアプリケーションを考えていくつもりだ。

――PASOLINKがシェア1位をとれなかった原因は?

難しいが、ある意味で読み間違えたということだと思う。私どもは1位なので、競合他社もそれをどうひっくり返すそうかと考える。顧客からすると少しハイパフォーマンスの方が良かったということだろう。我々は原価低減に相当力を入れてシェアをとりつつ、開発にリソースを割いてきた。IPが必要だというのはわかっていたが、タイミングがもう少し遅いと思っていた。顧客の要求と違う形になってしまった。

――目減りした分、逆に増える部分をどう考えているのか?

一番リアルで見えるのがネットワーク系とIT投資の部分だ。IT投資は、もうちょっと期待したところが取れていないというのも事実だ。その部分を震災の影響とみるのかは難しいところだ。もうひとつはネットワーク系で実際にオーダーをいただいていながら、2週間製造できなかったので、その2週間分というのは明確に見える。つまり500億弱のところの震災の影響としてカウントしてるが、我々としてはもうちょっと取れたのではないかと思っている。その500億のところは“遅れ”とみているので、もどってくると思っている。しかし、震災で景気がぐんと下がっている分、その影響が上期にくるのか、下期にもどってくるのかは難しい。下期には戻ってきてほしいし、要素は基本的にはあろうと読んでいる。

――東北中心の通信インフラ部分か?

その復興もあろうし……私は、ITというのは、効率を上げるという観点では絶対的に必要なものだと思っている。その観点から考えると、今の80円の円高というは、非常に厳しい状況を日本の企業に与えていると思う。80円というもの自体が、参入障壁を下げてしまっている。海外のメーカーが入りやすい状況を作ってしまっている。我々が出にくいという状況も作っているが、入りやすい状況を作っているのだ。ということは、我々が国内でビジネスをするためにも、よほど効率を上げていかないと、海外から入ってくるメーカーに対抗できないということを意味している。ITの投資は私は必須だ。それを考えるとITの需要は後ろ倒しになるが、戻ってくるだろうというのが、私のイメージだ。

――震災でクラウドが注目されているという実感は?

ありますね。実際のものとしてはデータセンターを関東だけにデュアルで持つのではなく、関西エリアにも持ちたいという要望がある。私どもも関西に増強できるところをもっているので、その要求があれば全部受けると。今少し動きはじめているところもある。

――その辺の注文を受けていった際に、従来のリプレイスの部分も含め、収益には影響がでてくるか

でてくるようにしていきたい。実際にはあると思う。

――今年の夏の電力に関して、関東・関西も含めどのように考えるか

中部電力の件もあるが、電力に関してはそこそこなんとかいくのではないかなと甘い読みをしている。(弊社に)大きなインパクトはないと思っている。一方で、関東は15%削減と言われているが、いくつかの工場やオフィスも含め全体として15%下げる。データセンターなんかは下げられないが、それはそれとして全体としての努力を実行していきたい。5月末くらいにちゃんとしたものを出せると思う。


《RBB TODAY》
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