【富士通フォーラム2010(Vol.24)】VB 5.0/6.0もCOBOLもOK、既存業務アプリを無理なくクラウドへ移行 | RBB TODAY
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【富士通フォーラム2010(Vol.24)】VB 5.0/6.0もCOBOLもOK、既存業務アプリを無理なくクラウドへ移行

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
「業務アプリケーションのクラウド適用」のブース
  • 「業務アプリケーションのクラウド適用」のブース
  • クラウドアプリケーションセンター APMコンピテンシー部の本田誠文氏
  • APMモダナイゼーションサービス for Cloudの概念図
  • 業務アプリケーション選別サービス「見える化」の概念。マルチベンダー対応なので、他社ソリューションが混在していてもOK
  • VB資産再生ソリューションの概念。オンプレミスに残すケースもあれば、すべてクラウド化し、スマートクライアントやシンクライアントで利用するケースも考えられる
  • 移行アプリケーションの保守プロセス。アプリケーションだけでなくシステムリソースの構成管理もITIL準拠で、内部統制も強化できる
 蓄積された資産の活用や予算面の理由から、メインフレームのCOBOLや、Visual Basic(以下VB) 5.0/6.0で開発された業務システムを、いまだに使い続けている企業は少なくない。しかし、社内にオープンシステムが増える中で一部の業務システムのためだけにメインフレームを維持し続けるのには限界があり、VB 6.0についてもMicrosoftのサポート期間が2008年4月に終了していることから、使い続けるには不安が残る。

 こうした課題を解決するために、業務・アプリケーション選別、アプリケーション引越、アプリケーション保守の3つをセットにし、既存の業務システムをクラウド環境に移行するのが、富士通が5月に発表した新サービス「APM(Application Portfolio Management)モダナイゼーションサービス for Cloud」だ。

 富士通フォーラム2010の「業務アプリケーションのクラウド適用」ブースにおいて、クラウドアプリケーションセンター APMコンピテンシー部の本田誠文氏に話を聞いた。

 VBを例に、既存業務システムを移行する手順はこうだ。

 まず、業務、アプリケーション、インフラといった要素をすべて「見える化」し、廃却可能な不要資産を洗い出す。この「見える化」してポートフォリオ分析を行う手法には特許出願済みの技術が使われており、同社独自のものだという。

 次に、業務特性を見極め、それに合わせたアプリケーションの配置を行う。このとき、クラウドに移行するものとオンプレミスで残すものとの見極めも行う。何が何でも、すべてをクラウドへ移行するのではなく、オンプレミスに残したほうが良いものは、きちんと残し、クラウドに移行したアプリとの連携を図るという。

 続いて、移行すべきアプリをクラウドへ移行する。VB 6.0のアプリであれば、VB.NETへのマイグレーションになる。といっても、.NETに移植したアプリをそのまま、クラウド上の仮想環境に導入するのではなく、3月に発表され同社のクラウド対応のアプリケーションフレームワーク「INTARFRM」上に移行させる。これにより、将来的なインフラ変更の影響をアプリケーションに与えることなく利用できるようになるという。

 ちなみに、移行するアプリで市販のカスタムコントロールを利用している場合はどうなるのか聞いてみたところ、同様の機能をもつ.NET対応のものを別途購入する必要があるそうだ。カスタムコントロールのベンダーは、多くの場合、同等の機能を提供する.NET版も用意しているはず、とのことだった。

 ここまでで、移行は完了。あとは移行したアプリケーションの保守サービスのフェーズになる。同サービスの運用・保守はITILに準拠しているため、J-SOX準拠など、内部統制の強化を考えている情シス担当者にとっても心強い。

 さて、同サービスのメリットは、既存の業務アプリケーションのクラウドへの移行だけではない。実は、部門ごとにバラバラに構築してしまった業務アプリケーションの整理・統合という面で非常に大きな効果を発揮する。ハードウェアリソースの統廃合、システム管理の一元化や内部統制の実施などが、一度に行えるため、予算も捻出しやすいのではないだろうか。
《竹内充彦》
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