【Embedded Technology 2008 Vol.2】Flash Liteにも対応したグラフィックスIP製品——IWAYAG | RBB TODAY
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【Embedded Technology 2008 Vol.2】Flash Liteにも対応したグラフィックスIP製品——IWAYAG

エンタープライズ その他
IWAYAGを実装したSoC:IP製品なので単体のチップは存在しない
  • IWAYAGを実装したSoC:IP製品なので単体のチップは存在しない
  • 描画速度の比較デモ
  • グラフィックスの変形のデモ
 NECシステムテクノロジーでは、Flash Liteにも対応したグラフィックスIP製品のデモを行っていた。IWAYAG(イワヤジー)は、GA88という同社のグラフィックスIPをベースに、ベクターグラフィックス機能を強化し、携帯電話、カーナビ、デジタルテレビなどへの応用を考えられて開発された。

 ここで、「IP」というのはInternet ProtocolではなくIntellectual Propertyのことで、通常は特許や著作権など知的財産のことをさす。組込み系で「グラフィックIP」とか「プロセッサ(コア)IP」などというと、描画エンジンロジックそのものやCPUロジックそのものを意味する。これらをターゲットシステムごとにドライバ、ミドルウェアなどをまとめてひとつのLSIとして実装する。組込みでのIPは「設計資産」などと表現されることもある。

 IWAYAGという名前はちょっと変わっているが、その由来はGA88の名前とともに最後に説明するとして、この製品の特徴は、CPUに負荷をかけずに高速なグラフィックスの描画可能になることだ。携帯電話やスマートフォンでFlash Liteの描画が速くなるのはうれしいのはわかりやすいが、カーナビやデジタルテレビなどはどうだろうか。テレビなどは表示はするが描画はしないから意味はないと思うかもしれないが、カーナビやテレビの操作メニューやデジタル放送での文字表示など、ベクター処理の要素は多い。

 きれいな文字表示や変形処理などは、表示の見易さだけでなく視覚効果や視覚的なインターフェイス機能を実装するうえで重要だ。メニュー画面やアイコンのワイプやポップアップなど最近のリッチ表現指向への対応が楽になる。デジタルテレビなどで、画面は高品質なのにメニューの文字がビットマップフォントでは違和感が大きすぎる。

 デモは、ベクターグラフィックス処理をCPUによるソフトウェア処理とIWAYAGを使ったものを並べて描画速度の比較を行っていた。写真ではわかりにくいが、当然IWAYAGのほうが描画は高速だ。同社のテスト結果によれば、グラフィックスの描画においては3〜9倍前後の高速化が可能だそうだ。

 さて、製品の名前の由来だが、まずGA88の「88」は四国八十八箇所めぐりの88だそうだ。なぜかというとNECシステムテクノロジーのLSIや半導体を手がける拠点が松山市にあるからだ。「IWAYAG」はその45番目の「岩屋寺」だ。IWAYAGの前に「ISHITEG」(イシテジー)という製品があり、こちらは51番目の「石手寺」(松山市にある)からとったものだそうだ。
《中尾真二》
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