Google異例のコメント——Yahoo!買収騒動 | RBB TODAY
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Google異例のコメント——Yahoo!買収騒動

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 3日(現地時間)、米Googleは、マイクロソフトが提案している米Yahoo!への買収に対して異例のコメントを発表した。

 この発表に先立つ1日(現地時間)には、Yahoo!がマイクロソフトの提案に対して簡単なコメントを発表している。すでに報道されているとおり、提案を慎重に検討するという内容だが、見出しに「頼んでもいない提案」と有難迷惑のような表現を用いつつ、提案を役員が検討するという微妙な反応だが、Googleのコメントは、この提案をYahoo!に対する敵対的な買収と断じ、単に経営的な問題ではなくインターネットのオープン性と革新性にかかわる問題であるとしている。

 まず、冒頭でGoogleとYahoo!がもたらしたインターネットのオープン性は、情報検索の便利さや創出されるビジネスによってユーザーに価値を与えるとし、この問題はインターネットの根幹にかかわる問題であると述べている。続けて、マイクロソフトの行動やインターネット市場に対していくつかの疑問を投げかける形で問題を提起している。

 マイクロソフトはかつてPC市場で展開したような独占をインターネットに持ち込もうとしていないか? 革新競争をよしとするインターネットや周辺の市場に対して、たびたび知財の独占を画策している。法的、道義的にも深刻な問題を生むYahoo!の買収を認めると、不公平なブラウザとOSをインターネットに蔓延させることにならないか? さらに、マイクロソフトとYahoo!が一体になることで、インスタントメッセージやウェブメールのアカウントで圧倒的なシェアを確保することになる。また、両社はインターネットトラフィックのかなりの部分を消費するポータルサイトを運営しており、競合するウェブサービスに対して公平なアクセスが制限されることにならないか?

 上記のような内容で、識者や政府関係者に対する異例ともいえるアピールとユーザーに対する説明を求めている。

 すでに、インターネット領域においてマイクロソフトとYahoo!の連合は、検索シェアに与える影響は少ない、マイクロソフトもYahoo!もサービスモデルやビジネスモデルが異なるので単純な連合は機能しないのではないか、Googleにしてみれば(弱い)「敵」が集約されてかえって対応しやすい、などといった報道や分析がされている状態で、過剰反応にも思えるGoogleのコメントは意外ともいえる。
《中尾真二》
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