南関東は、国内有数のガス田だった——産総研地質調査総合センター | RBB TODAY

南関東は、国内有数のガス田だった——産総研地質調査総合センター

 渋谷の温泉施設の事故は、都市の死角をつくような事故として社会に衝撃を与えているが、1976年に作成された日本の天然ガスの埋蔵分布マップが産総研地質調査総合センターより発表された。

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関東平野南部の地下に埋蔵される天然ガス
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 渋谷の温泉施設の事故は、都市の死角をつくような事故として社会に衝撃を与えているが、1976年に作成された日本の天然ガスの埋蔵分布マップが産総研地質調査総合センターより発表された。

 同センターの報告によると、千葉は国内天然ガス生産量の1割以上を産出し、この一帯の天然ガス埋蔵量は国内の90%といわれている。これだけのガス田でありながら、大規模なガス田開発は大量の地下水をくみ上げ地盤沈下を引き起こすため、人口密集地では規制されている。報告では、ここ数年の東京都内でのガス事故の地点とガス田マップを重ねているが、一連の事故等の原因を特定するものではないとしている。

 関東地方南部の平野の地下には約250〜40万年前に海底に堆積した上総(かずさ)層群と呼ばれる地層が分布しており、この地層の隙間にある地下水(鹹水(かんすい);化石海水)には天然ガスが溶けているという。メタンガスは地中では圧力により水に溶け込んでいるが、大気圧では水に溶けることはない。くみ上げた時点でガスが放出されるわけだ。

 ガス田では、天然ガスを掘り出すため地下水をくみ出す必要があるのだが、今回のような温泉施設の事故では、逆に温泉(地下水)の副産物としてメタンなどの天然ガスも掘っていたという構図が浮かび上がる。であれば、すくなくともこの地域での温泉開発は、ガス田開発並の設備や規制、安全管理が必要だったことになる。また、ガス開発であれば人口密集地での規制対象となるが、温泉開発なら人口密集地でも可能ということも、事故だけでなく地盤沈下などの問題を考慮する必要があるだろう。
《中尾真二》

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