【FINETECH JAPAN/Display 2007 Vol.3】“弓なり液晶”OCBで劇的なスペック向上を実現 | RBB TODAY
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【FINETECH JAPAN/Display 2007 Vol.3】“弓なり液晶”OCBで劇的なスペック向上を実現

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東芝松下ディスプレイテクノロジー展示風景
  • 東芝松下ディスプレイテクノロジー展示風景
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 東芝松下ディスプレイテクノロジーは東芝と松下電器産業の液晶部門が分離統合した会社だ。今回の出展内容はガラス基盤上に入力機能回路を組み込んだタッチパネルシステムSOG(System On Grass)、高画質アクティブ有機ELディスプレイ、超高コントラストと超高速応答性を実現したOCB(Optically Compensated Bend)ディスプレイなど多岐にわたる。

 その中で特に注目したい技術がOCBだ。従来の液晶パネルの弱点とされた応答性や低温時の動作不安定を解消し、176度という高視野角を実現した。ブラウン管ディスプレイに迫る性能を持つOCB TFT液晶ディスプレイは同社が2005年に量産化に成功しており、すでにOCB液晶を搭載したディスプレイモニタも発売れている。今回の出品はその進化型で、応答速度が2ミリセカンドとさらに高速化、低温時の安定性も限界低温をさらに低い位置へと向上させている。

 OCB液晶の特徴は液晶分子の並び方にある。従来の液晶はバックライトに対して垂直に立つことで白を表示する。バックライトを塞ぐように平行に寝かせることで光を遮り、黒を表示する。つまり、黒→白、あるいは白→黒で液晶が90動くことになる。これに対してOCBは液晶を弓なりに動くように配置している。液晶が光源に対して平行に並んでいるときは黒表示、そして、液晶を少し押し出してやり、隙間を空けることで白を表示する。OCBは液晶の動きが小さくなるため、応答速度が速くなり、低温時のレスポンス低下の影響を受けにくくなる、というわけだ。

 東芝松下ディスプレイテクノロジーはOCB液晶搭載パネルをPurezzaブランドで展開している。展示ブースではOCBとCRT、TFTの比較が各所で展開されていた。動画や静止画ではわかりにくいが、映画のスタッフロールのような文字の表示では違いが歴然としていた。また、自動車用モニターコーナーでは、マイナス40℃でOCBとTFTの比較が行われていた。TFTの画面はぼやけてしまい何が映っているか解らないが、OCBでは映像が認識できた。この低温耐久性については、会社案内ではマイナス20℃でスムーズに応答と書かれていたが、展示場ではマイナス40℃で動作させていた。

 説明によると「北米や北ヨーロッパの車内はマイナス30℃まで下がることがあり、そこからさらにマージンをとってマイナス40℃の開発を目指した」とのこと。マイナス40℃で動作が保証できれば、スピードメーターなどのメインメーターにも用途が広がるという。「オフロードではタコメーターは要らない、方位計、登坂計がほしい」といったドライバーの要望を解決できる。

 このほか、3Dディスプレイをゲームで体験できるコーナーなどがあり、同社の技術力を強くアピールする展示になった。
《杉山淳一》
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