日本HP、I/O仮想化製品など、ブレード関連の新製品を発表 | RBB TODAY
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日本HP、I/O仮想化製品など、ブレード関連の新製品を発表

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エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長の正田 三四郎氏
  • エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長の正田 三四郎氏
  • エンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部の山中伸吾氏
  • HPバーチャルコネクト
  • 設定イメージ
 日本ヒューレット・パッカード(HP)は22日、ブレードサーバ「HP BladeSystem c-Class」のネットワーク/ストレージ(SAN)接続の仮想化機能を実装したインターフェイス・モジュール「HPバーチャルコネクト」を発売した。HP BladeSystem c7000エンクロージャの背面に挿入して使用するインターフェイスカード型の製品。価格は79万8,000円からで、出荷開始は3月上旬から。

 このほか同時に、

1. HP ProLiantファミリにAMD Opteron 2220/8220プロセッサ搭載モデル8機種を新たに追加した。ラックマウント型およびサーバ・ブレードが含まれる(表参照)。

2. HP BladeSystem専用のVMwareボリュームライセンスを発売。2プロセッサのサーバを8台まで利用できるライセンス。VMware Infrastructure 3 Enterprise 2P×8 PE Blade専用ライセンスとHP独自の管理ツールがバンドルされており、価格は756万円。同じソフトウェアを個別に購入する場合と比べて約16万円割安になっているという。

3. HP Factory Expressに最上位となるLevel 5を追加した。HP FActory Expressは世界共通で提供される工場組込型のサーバ導入サービスで、工場出荷時にユーザに指示に基づいたインテグレーションや設定を済ませておくため、ユーザは納品後すぐにサーバの利用が開始できる。Level 5ではコンサルティングが提供され、構成決定のための技術支援などを受けることができるようになった。

も発表された。

 さらに、HP BladeSystem c-ClassエンクロージャでAC100V電源がサポートされたことも発表された。通常ブレードサーバはAC200V仕様となっているが、導入前検証やリモートサイトでの利用など、AC200Vを確保するのが困難な場合もあったという。なお、AC100Vでの利用では、サーバブレードをフルに実装することはできないなど、一部機能に制限が生じるという。

 同社のエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部 担当部長の正田三四郎氏は、「この対応は日本のユーザーからの要望に応える形で実現したもの。より多くのユーザーにブレードサーバを使ってもらうための施策の1つだ。」と紹介した。

 ProLiantサーバの価格は以下のとおり。

●ラックマウント型
 HP ProLiant DL145 G3 2220 1U:42万円
 HP ProLiant DL365 2220 1U:77万2,800円
 HP ProLiant DL385 G2 2220 2U:51万6,600円
 HP ProLiant DL585 G2 8220 4U:369万6,000円

●サーバブレード
 HP ProLiant BL25p G2 2220 p-Class:47万8,800円
 HP ProLiant BL465c 2220 c-Class:47万5,650円
 HP ProLiant BL45p G2 8220 p-Class:182万7,000円
 HP ProLiant BL685c 8220 c-Class:178万5,000円

■HPバーチャルコネクト
 HPバーチャルコネクトは、c-Classエンクロージャに搭載して利用するEthernet/FC-SAN用のインターフェイス・モジュールで、仮想化技術を組み込んでおり、ブレードの交換などの際にネットワーク側の構成や設定が影響を受けないようにすることができる。

 サーバブレードにはそれぞれネットワークやFCのインターフェイスが搭載されており、それぞれユニークな物理アドレス(MACやWWN:World Wide Name)があらかじめ設定されている。ネットワークによる通信や、SANボリュームの割り当てなどは最終的に物理アドレスを参照して行われるため、障害発生時などに、あるサーバブレードを別のブレードに交換した場合には、新しいブレードの物理アドレスに合わせてネットワークやストレージ側で設定変更が必要になってしまう。大規模な環境では、サーバ管理者、ネットワーク管理者、ストレージ管理者がそれぞれ別である例が多いため、ブレードサーバの「交換や追加が容易」という特徴も、ネットワークやストレージの設定変更の手間を考えると活用しにくいものになっていたという。

 HPバーチャルコネクトは、サーバブレードのI/Oインターフェイスを仮想化することでネットワーク/ストレージでの設定変更を不要とし、柔軟な運用を可能にする。同社のエンタープライズ ストレージ・サーバ統括本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクト製品部の山中伸吾氏は、「状況の変化に即応できる“ITシステム変更力”が重要だが、組織の壁などがあってシステムの構成変更には時間が掛かるのが現状だ。HPバーチャルコネクトでは、“コロンブスの卵”的な発想の転換でI/Oの仮想化をごくシンプルな形で実現し、システムの構成変更を簡単迅速に行える」という。

 仕組みとしては、HPバーチャルコネクト側で「Profile」を用意し、ここでサーバに設定する物理アドレスを管理、Profileをエンクロージャのスロットに適用する、という形になっている。サーバブレードに製造時に割り当てられた物理アドレスは書き換え可能なメモリに記録されている。スロットにサーバブレードが挿入され、Profileが提供されるとHPバーチャルコネクトがサーバブレードの物理アドレスを書き換え、サーバブレードのハードウェアの変更がネットワーク/ストレージの設定変更に影響を与えないよう、仮想化しているのである。

 故障時の交換だけでなく、適用するプロファイルを交換することでサーバの役割を迅速に変更できるため、負荷の変動に対応した動的なプロビジョニングなどにも応用でき、システム構成の柔軟性が高まる。

 なお、書き換えられた物理アドレスは、サーバブレードをエンクロージャから引き抜いた際には元の値に戻るので、同じ物理アドレスをもつサーバブレードが複数存在してしまうというトラブルは避けられる。また、物理アドレスの管理を支援するソフトウェア機能も充実しており、一定範囲のアドレス値から重複しないように自動的に割り当てを行ったり、使用するアドレス値の範囲を設定することで重複を避けたりといった機能があるという。将来的には、複数のエンクロージャにまたがった仮想化も実現される計画だという。

 ネットワーク・スイッチやSANスイッチと連携する形でI/O仮想化を実現するソリューションもあるが、HPバーチャルコネクトではサーバブレードの物理アドレスを書き換えてしまうという実装を採ったことで、接続先のネットワーク/ストレージ・デバイス側には特別な機能を一切要求しない。このため、接続相手を限定せず、既存のシステム構成に与える影響もほとんどないと考えられる。
《渡邉利和》
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